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第三章 ~紅い目の竜~

神は本当にいるらしい。


昔御母様に教わった。


神がいつもみてくれている。


だから貴方は今生きていられるの。


昔は信じていたけど。


今ではどうだ。


御母様もいない。


家も燃えた。


神なんていない。


いるはずがない。

「やっと見つけた!兄弟!」


え?ど、どういうこと?


「え、あの、兄弟って?」


「あ、そういえば言ってなかったな。」


と、一言だけ言うとヴァルさんは隠れていた目を、髪を掻き上げて見せた。


その目は赤く―――


「俺も人型ドラゴンそれなんだよね。」




え?それって……え?




ヴァルさんの目の下には鱗があった。




「ずっと隠すために前髪で隠してたんだが、お前の前では不要だったみたいだな。」


いやー、まさか同類に出会うとは、と安心したように笑うヴァルさん。


困惑して頭の上に?ハテナを浮かべている僕。


周りからみたらカオスな光景かもしれない。




「つ、つまり、ヴァルさんも僕と同じなんですか?」


「そ。実は俺さ、お前みたいな兄弟探して旅してんの。」




え?




「因みに、他のやつらは人型ドラゴンって呼んでくるが、()()()()()っていうきちんとした名前があるんだぜ。」


「えっと、そのカラビュラが、僕とヴァルさん以外にもいるってことですか?」


「いるぞ。俺みたいに隠してるやつもいれば、お前みたいに隠さずに不幸な生活をしてるやつもいる。あとは、この姿を売りにして儲かってるやつもいるって話だ。」


そうなんだ。


てっきり僕しかいないと思ってた。


「よかった……。」




ん?よかった?


何を言ってるんだ僕は。


周りが同じようなものだからと安心していいのか?


それは人の不幸を嘲笑ってる周りの人たちと同じになってしまうんじゃないか?




いよいよ、僕の脳内も他の人に影響されて腐り果ててきてるらしい……。




「……。」


ふと気づくと、ヴァルさんが黙ってじっとこちらを見ていた。






ピストルをこちらに向けて。

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