75話 もう1つの初級ダンジョンへ行ってきました。
「悠、私、2人を引き取りたい」
「ちょうど俺もそう思っていた」
視線を交わらせ、頷く姉弟。単純だが、今日の食事で、「もっと美味しい物を食べさせてやりたい」と思った2人は、テオとジェードを買い取ることにしたのだ。個人所有の奴隷ならば今までの様に必要最低限の食事でなくともいい。2人を雇ってからまだ10日も経っていない上に途中研修もあったが、ヒメカのストレスは溜まってきていた。
「でも旅に連れて行くのは無理よね」
「この家を買って住まわせておくのは?」
「家を買うとなるといくらくらいになるのかしら?」
「上級ダンジョンで稼ぐ」
「そうね。調べることも沢山だわ」
頭の中で算段をつけつつ、姉弟の中でテオとジェードを引き取る事は確定事項である。まだまだ資産は潤沢だが、それに頼る性格ではない姉弟は、資産がなくとも2人を養っておつりがくるくらいには稼ぐつもりである。
「明日は早速残りの初級ダンジョンへ潜るつもりだったけれど、先にテオとジェードを引き取りに行きましょう。2人がお風呂から上がったら軽く意思確認ね。とりあえず引き取る方向で動きましょう」
ヒメカの提案にしっかりと頷くユウト。その後も、一般人の平均的な生活費、一生面倒を見た場合の総額の試算、奴隷解放後の市民権の入手法、雇用賃金の見直し等々、確認しておくべきことを話し合った。話し合った内容は、後日、まとめてルーベン(奴隷商人)かマルスラン(商業ギルド職員)に質問することにした。
「というわけで貴方達を引き取りたいと思うの」
姉弟の話し合いを聞いていなかったテオとジェードには、というわけでと言われても何が何やらさっぱり分からない。テオは良くわからない顔できょとんとしているし、ジェードも首を傾げた。
「姉さん、色々端折り過ぎ。……俺達はテオとジェードを期間限定雇用ではなく、正式に買い取りたいと思う。だから、テオとジェードに意思確認をしたい。俺達を正式な主人にしたいか否かを」
ここで主人の命令は絶対です、などと言われるのは本意ではないので、命令を使って「正直に答えるように」と念押しするユウト。ヒメカはその横で微笑みを浮かべて頷いた。
「といってもすぐには答えが出せないだろうから、考える期間は契約が切れるまで。もし了承してくれるならその日か翌日に手続きをするから良く考えてから結論を出してくれ」
テオとジェードが頷いたのを確認し、今日はもう遅いので解散した。
翌日。テオはいつも通りにしつつも、時折思案顔をしながらそれを隠そうとしていた。ジェードはいつも通りだが、たまにテオをちらりと見る。姉弟はそんな2人の様子に気づいていたので、今日は予定通り初級ダンジョンへ向かう事にした。
「私達は今日ダンジョンへ向かうわ。これ、いない間のエサと予備費ね。今日の分の食事も。パンは明日の朝配達に来てもらえるように手配しておくから安心してね」
出掛けに一応確認だけして姉弟は家を出る。パン屋へ寄り、一度冒険者ギルドへ。ダンジョンに潜るには、人の出入りを管理する意味もあり、冒険者ギルドの発行する通行証を購入し、ギルドカードに登録してからでないと入口で止められてしまう。特に中級、上級ダンジョンの入口には冒険者ギルドの出張所があるほどだ。
「すみません、東の初級ダンジョンの通行証をお願いします」
「はーい。え、と。東の初級ダンジョンは……アルヒの塔でお間違えないですか?」
「はい」
「では発行料が1人銅貨1枚になります」
「2人分お願いします」
「かしこまりました」
発行料を支払い、ギルドカードに通行証を登録。通行証は同じダンジョンに潜り続ける分には再発行は必要ないが、別のダンジョンへ潜る際には別途発行料が必要になる。別のダンジョンへ行き、その前に潜ったダンジョンへもう1度潜る際にも発行料はいるので、大抵の冒険者は同じダンジョンへ潜り続けるか、通行料と割り切って支払うかである。
登録を終えて早速東門へ向かう。門の出入りには必ず身分証の提示が必要なので、『地点登録』も忘れない。ロザリアは国境くらいしか身分証の提示を義務付けていないので、少し新鮮な気分で冒険者証を提示し、チェックを受けてから外へ出た姉弟は魔法無しの全速力でダンジョンへ駆けて行った。
『………………………………え?』
姉弟の全力を目の当たりにしてしまった可哀想な人達は、あっという間に小さな点となった細身の男女に目を丸くしたとかしないとか。
魔法は自重していても、高いステータス(敏捷性)のせいで魔法士疑惑が浮上したのだった。
徒歩で半日のところを、自重なし(ただし魔法無し)の全速力で走ったため、1時間もかからずに到着した。
本日姉弟が潜るのは地下へ進むタイプではなく、塔の内部を上っていくタイプのダンジョン。塔の外観と内部の広さは全く別。1階層よりも上層階の方が広かったりすることもある。
少し楽しみにしながらも、入場の列に並ぶ。入口には水晶球が設置されていて、カードをかざして中へ入っていくシステムだが、さすがに初級ダンジョンということもあって人が多い。講習で使われる方の初級ダンジョン(正式名称:イッハの迷宮。別名:ゴブリンダンジョン)よりも、こちらの方が稼げるので初級ダンジョンとしては人気である。
姉弟が大人しく列に並んでいると、ビーッビーッという警告音のようなものが聞こえてくる。何事かと皆一様にそちらへ顔を向けると、無色透明だった水晶球が赤く光り、件の音を発していた。
「あれって……」
「そうね」
講習を受けた者ならば教えられるので目線をやっただけで平常に戻る。こういう場合は、近くの出張所から職員がやって来て、お説教+通行料の徴収+罰金(通行料と同額)が普通だそうだ。水晶が警告音を発している間は中へ入れないので、列は一向に進まず待たされることになる。
ここから一番近いダンジョンは、ゴーレム系ダンジョンの『リトスの迷宮』。上級ダンジョンなので出張所は確実にあるし、馬を駆ければ数分の距離。職員が到着するのも早かった。
「あ、来た来た」
馬に乗った男性職員は、水晶の前であたふたする冒険者のすぐそばで停止して軽やかに飛び降りた。そして警告音を響かせた冒険者は横に避けさせられ、職員が水晶を操作して並んでいた他の冒険者を促した後、始まるお説教。
お説教をBGMにしながら、ようやく列が進んだので続々と冒険者達が中へ入っていく。水晶にカードをかざすだけなのですぐに姉弟の番になり、中へ入ることが出来た。
「石畳だな」
「そうね。ゴブリンダンジョンは土を掘り進めて造りましたって感じだったから面白いわ」
後から入ってくる人達の邪魔にならないように歩きながら中を観察する。
アルヒの塔の1階層は、入ってすぐ石畳が敷き詰められた広い空間。天井が高く、広間は石柱で支えられている。広間の奥は3つに道が分かれているが、ほとんどのパーティは同じ道を選んでいる。
「ちなみに正解は1つなのか?」
「どれを選んでも次の階層へは行けるわよ。ただ難易度が違うだけ。……というわけで『楽』『罠』『魔物』どのコースにする?」
「『罠』に興味がある」
「じゃあ行きましょうか」
そう言って迷わず左の道へ進む。初級ダンジョンなので即死確定のえげつない罠はないが、矢が飛んで来たり落とし穴があったり起動したら魔物がわらわら出てきたりといった罠はあるので好き好んで選ぶ道ではない。
そんな道を進むと、5mも進めば落とし穴。ユウトの足元からカチリと音がしたと思うと、次に足を出す部分の床が開くが、ユウトは軽々と飛び越えてしまった。
「あまり深くないな。これくらいなら着地できるし脱出も簡単」
「音がしてから床が開くまでが遅かったわ。音をしないように工夫するか穴を広くするかしないと避けられて終わりだと思う」
「てっきり下に何か仕込んであると思ったんだけど……」
「刃物とかスライムとか?」
「うん。まあ、何もなかったけど」
開いたままの穴を覗き込んで始まる落とし穴品評会。もしかしたら何か落ちないと反応しない罠があるのかも、と、ポーチの中から適当な物を落としてみるも、全く反応なし。熱感知式かと人の体温くらいのお湯を詰めた水袋を落としてみても同様だった。
ちなみに、姉弟の予想では「壁から刃物か風魔法のようなもので切り刻まれながら落ちる」だった。なかなかに殺意が高い。
探知魔法で隠し部屋やお宝なども探ってみたが反応はなかったので2人とも立ち上がる。
「…………行きましょうか」
「そうだな」
一気に興味がなくなった姉弟は先を急ぐことにした。
その後も、明らかに罠と分かる罠を作動させてみたり、出っ張りを押してみたり、足元の透明な糸を切ってみたりと、どちらがより多くの罠を発見し作動させるか、という勝負をしながら進む姉弟。基本である、発見→罠の種類を把握→解除方法を導き出す、まではしているのだが、最後に「作動」までしなければ気が済まないようだ。ダミーからの本命もあったが簡単に看破するし、作動はしても罠には引っかからない。
時折魔物も現れたが、罠の方へ誘導すると面白い程引っかかったので戦闘はないまま次の階層へ進む合流地点に到着した。
「どうだった?」
「もう罠はいいかな。姉さんは?」
「私ももういいわ。次からは解除かスルーしましょう」
2階層へ進むと景色は一変。青々とした草原が広がっていた。
「ここではフィールドラットやホーンラビットが出るわ」
「どっちも特に珍しくもないし、さくっと3階層へ行こうか。そういえばこのダンジョンで割と稼げる魔物って何?」
「近いのは次の階層のチャームシープね。羊の魔物で特徴は「弱いけど可愛い」らしいわ」
「弱いけど可愛い……?」
チャームシープは気性が穏やかなのでペットとしても人気がある魔物である。ただ、ちょっとしたことで死んでしまう繊細な生き物でもあるので、討伐よりも捕獲が難しい。捕獲出来たらそれなりの値段で買い取ってもらえるし、ダメでも肉や羊毛が売れるので挑戦する冒険者は後を絶たない。ここがダンジョンではなければ、とうに絶滅しているだろう。
「ちなみにどれくらい弱いかというと、死角から敵(冒険者含む)が現れただけでショック死することもあるらしいわ」
「それはさすがに弱すぎるだろ。どうやって捕獲するんだよ」
「ひたすら待ち続け、標的が興味を示して近づいてきても動かない。体をこすりつけるようになったらようやくエサを与え、あの手この手で時間をかけて警戒心を解き、抱っこできるようになったら抱えて外へ連れ出す。ちなみに檻は厳禁。逃げようとして檻に体当たりして死んじゃうらしい」
ヒメカの説明で非常に面倒な魔物であることは理解したユウト。興味本位で質問したのが間違いだった。よくペットにしようと思う人間がいるものだと思わなくもないが、たしかに希少価値は高いだろう。
「姉さんは羊毛とかいらないの?」
「んーそうねぇ、悠がいいなら狩ろうかしら。マルズではあまり珍しくないけれどロザリアでは貴重だったはずだし」
チャームシープのような虚弱な魔物の素材をダンジョン以外で手に入れるのは難しい。マジックポーチの容量はMPの総量がどんどん上がっているのでほぼ無尽蔵に入れられるので肥やしになっても問題ないだろう。
そうと決まれば早速2階層を通過して3階層へ。
このダンジョン1番の狩場ともあって冒険者は多い。目で探すふりをしながら『探知』でチャームシープを探し、1匹倒しては剥ぎ取り、また探しては倒して剥ぎ取る作業を繰り返す。チャームシープの弱さのせいで死体のダンジョン吸収はかなり早いのですべての作業を手早く行わなければならないのが難点である。あちらこちらで「あー! もう消えた!」という声が聞こえてくる。
「このくらい狩ればいいかな?」
「金羊と銀羊も狩れたし十分な成果じゃないかしら?」
1時間程狩り続け、解体師お墨付きの解体技術のおかげでほとんど無駄にせずに回収できているので、マジックポーチの中のチャームシープ素材は充分である。チャームシープの毛色は個体によってさまざまだが、金羊ことゴールデンチャームシープと、シルバーチャームシープこと銀羊はその中でもごく稀にしかお目に掛かれない希少種。発見他の冒険者が目の色変えて突撃するも、ちゃっかり競争に勝って手に入れていた。
「4~7階層までは森だったっけ?」
「そうそう。7階層にはシルクワームの生息域があって繭から良い絹糸が採れるの」
「スパイダーシルクが良いって前に言ってなかった?」
「シルクワーム(Dランク)よりシルクスパイダー(Bランク)から採れる方が上質だけど、ワームシルクでも充分な品質なのよ? スパイダーシルクって希少性と質の良さで結構いいお値段するのよね」
そのお高い糸から作った布を惜しげもなく寝具に使っている。その価値を知れば、テオなんかは床で寝させてください! とか言い出しそうだ。
「じゃあ次はそれを採取しに行く?」
「したいのはやまやまなのだけど、糸に加工してくれる工房を探さないと使えないらしいのよ。でも売ったらそこそこの値段にはなるはずよ」
店売り価格は知っているので大体の取引価格は予想が出来る。依頼も張り出されていたし、商業ギルドに仲介を頼めば加工してくれる工房を紹介してもらえるかもしれない、とヒメカは言う。
「じゃあとりあえず採取だけしよう。ポーチに入れておけば孵化することもないだろうし」
「時間停止機能って便利よね」
出した時が大変なので生き物は基本的に入れないようにはしている姉弟だが、繭ならば動かないので大丈夫だろうと採取することに決めた。
「途中、薬草とかあったら採取していい?」
「勿論よ」
話しながら歩いていると、すぐに階段に辿り着く。『探知』魔法を使いながらなので迷うこともなく、すんなりと上層階へ進んだ。
階段を上りきると、目の前は木々が乱雑に茂る森。ただ、光は入ってきているので真っ暗というわけでない。
「太陽があるんだな」
「明るくて助かるわね」
道があるわけではないので木々の隙間を縫うように進みながら、採取できそうな物がないか探す。『地図化』に『遠視』、鑑定と、他人からは分からない魔法やスキルを大盤振る舞いでガチ探索。おかげでメリム草をはじめとした薬草類、果物も数種類採取出来た。その中には国境の街で飲んだ果実水のポタの実もある。
そして7階層へと到着すると、ヒメカの先導でシルクワームの生息域へ向かう。
「うっわ……」
さすが魔物。人が2~3人は入れるのではないかというくらい大きな繭がずらりとある。
引き気味のユウトはさておき、ヒメカはすでに繭へ突撃し、鑑定しながら採取を始めていた。
「これって中に人間とか入ってないよな?」
「大丈夫じゃない? 人が食べられているとしたらシルクワームが幼虫の時か成虫になってからだから。ああ、でも捕食前なら糸で人を捕まえている場合があるからないとは言えないかしら?」
「鑑定しながら採取するよ」
「それがいいでしょうね」
ユウトの心配をよそに、採取した繭玉の中に人間はいなかった。シルクワームは基本的にあまり強くないし、刃物で糸を切れるのであまり心配はいらない魔物である。
「次がボス部屋ね。ボスはシルクワームの成虫よ」
「空を飛ぶのと麻痺性の鱗粉に注意、だよな?」
「そうそう。麻痺は強くないからそこまで心配はしなくてもいいと思うわ」
階段を上りながらヒメカは弓を取り出す。ボス部屋にはパーティ毎に入るという不文律があるが、すべてのパーティが守るとは限らない。一度入ってしまえばボスを倒すまで扉が開かないので心配はないが、音は聞こえるらしいので魔法は控える予定である。
姉弟が8階層に到着すると、ボス部屋の扉の前に数人列を作っている。列に並ぶのはパーティの代表者で、他のメンバーは邪魔にならない場所で待機となる。
「並んでくる」
「よろしく」
2人パーティなのでユウトが列に並ぶとヒメカは1人になってしまうが、ヒメカは早速手近な冒険者に声を掛けている。
(姉さんは本当に知り合いを作るのが上手いよな)
すでに談笑している姉を眺めながらも、ユウトは別段他の冒険者に話し掛けようとはしない。
しばらくして、ようやく次のパーティが中へ入っていく。さすがにボス部屋だけあって倒すのに時間がかかるようで、1パーティあたり30分は軽く見ていた方が良さそうだ。ダンジョン内で時間間隔が狂いそうだが、とうに昼は過ぎているだろう。
(少しお腹へったな……)
テオとジェードに合わせて昼を抜くこともあったが、何時間もダンジョンに潜って動き続ければ空腹を感じる。ユウトがそう思っていると、ヒメカが近寄ってきた。
「どうした?」
「まだ時間がかかりそうだから少し食べないかと思って。あと、おやつをお裾分けしてもいい?」
ヒメカからハンバーガーを手渡されながら許可を求められる。個別行動中ならばヒメカも許可を取る事はないが、ダンジョン内での食料は大切なのでリーダーであるユウトに許可を貰っているのだろう。食料に関してユウトが口を出すことはないので、単なるポーズである。
ユウトが許可を出すと、答えが分かっていたヒメカはニッコリ笑って輪の中へ戻っていった。
残されたユウトは、周囲から嫉妬と羨望の入り混じった視線を送られるが全く意に留めずにハンバーガーに噛り付いた。
バンズはふかふか。新鮮な野菜がたっぷりで、照り焼きソースとハンバーグ、マヨネーズが絶妙に絡み合う。ユウトの好みに合わせて少し濃い目だが濃くなり過ぎないピンポイントな味付けである。ヒメカの好みはもう少し薄味だが、食べる人の好みに合わせるのがヒメカ流だ。
(いつもありがとうございます)
ぺろりと完食。食後の一杯として、ポーチに入っている水筒のお茶を飲んで終了である。
ユウトが食事を終えてもまだ視線は絡みつくので、仕方なくヒメカを呼んで列に並んでいる人にもお裾分けをしてもらえるように依頼。ヒメカは話して仲良くなった人にだけ渡していたようだが、ユウトの提案に快く了承し、その流れでこの場にいる全員に配ることになってしまったが、本人は苦にしていない様子だった。
そんな餌付けのおかげか順番を譲ってもらえることになり、扉が開くようになったので、その場にいる全員にお礼を言ってボス部屋へ入っていった。
「この分なら門が閉まるまでに帰れそうね」
「多分待ったとしても出来たと思うけどギリギリになりそうだよな」
のんびり話しているが、目の前にはシルクワームの成虫(蛾の魔物)がいる。ヒメカは動き回りながらも的確に矢を命中させ、ユウトは壁などを使いながら跳躍して羽を重点的に攻撃。
羽も素材になるので出来るだけ傷つけないように根本を狙い、ユウトの一撃で片羽が取れて墜落したところを仕留める。時間にしたら5分もかかっていないだろう。
ボスを倒したことでボス部屋の奥の扉が開いたので、急いで剥ぎ取りをして転移陣で外へ戻る。すかさず空を見上げて時刻を大雑把に確認する。太陽の位置的にまだ3時頃だろう。
「じゃあ帰ろうか」
「うん」
余力はたっぷりあるので、行きと同じく全力でマルズまで走った。




