小噺 愚者 ダブルスリット実験の謎と反物質の謎
遊月(以下遊)「なあミレエイ。」
ミレエイ(以外ミ)「何?「愚者」遊月。」
遊「その呼び方まだ慣れないな。ミレエイも「吊るされた男」ミレエイって呼ばれたら変に感じるだろ。」
ミ「その呼び方だと自殺した人みたいに聞こえるけど。」
遊「そう、まあ仕方ないね。それはいいとして、確かめたいことがあるんだけど。」
ミ「それは何?」
遊「ダブルスリット実験があんな結果になった理由なんだけど。どうせミレエイは知ってるんでしょ。」
ミ「…さあ。」
遊「まあ聞いてよ。ていうかダブルスリット実験について説明する必要はないよね。」
ミ「電子を二つのスリットを通してセンサーの板に発射する。そして板のどこが反応してるかを見る実験でしょ。電子を観察していないと電子は波のように振舞い、電子を観察していると電子は粒のように振る舞うっていう結果だったはず。」
遊「その結果がなぜそうなるかっていうのを考えたんだよ。
で、結論から言うと空間に電子が沢山漂っていると結果は波が通ったようになり、空間に電子がないと結果は粒が通ったようになる。て言うのが自分の結論。」
ミ「へぇ。詳しく話してくれよ。」
遊「ああ。あとこの結論、というか仮説だと電子は粒になったり波になったりせずに常に粒であるとなるんだよ。」
ミ「それは君が住んでいる世界では新しい見解だよね。」
遊「そうでもないと思うよ。話を戻すよ。なぜ空間に電子が沢山有るとなぜ波が通ったようになるかと言うと、電子が波を伝えているからだ。電子を発射すると空間の電子に動きができる。その動きが波になって二つのスリットを通る。あとはミレエイも知っての通りだよ。」
ミ「つまり電子発射することで電子が伝える波をおこしているということか。水の波と同じような感じか。」
遊「そう。水面におこる波と同じなんだよ。」
ミ「じゃあ観察したとき粒のように振る舞う理由は?」
遊「それは多分観察するために空間に電子がない状態でしたからだというのが自分の仮説だよ。だから空間に電子が沢山ある状態で電子を観察しながら実験をして結果が波の時ようになったら自分の仮説は正しいことになると思う。自分にはそんな機械や技術はないけどね。それでミレエイに聞こうと。」
ミ「なるほどね。それは自分で確かめなよ。残念だけど僕が教えるわけにはいかない。僕は君が住んでる世界とは違う世界の住人なんだし。」
遊「そうか~。まあ仕方ないか。あともう一つ聞いてもらってもいい?」
ミ「それはなに?」
遊「反物質のことについてだよ。反物質は電荷が逆なだけの物質だったはず。反陽子はマイナスの電荷で反電子はプラスの電荷をもっている。」
ミ「うんうん。」
遊「電荷が逆なだけで他の性質が変わらないなら、反陽子と反電子を合わせて中性子が作れるはず。だから世界の消えた反物質はすべて中性子になったんじゃないかな。中性子の電荷はゼロだから対消滅も多分起こらないし。」
ミ「なるほどね。ここまで全部仮説だよね。」
遊「ああ。全部仮説。ていうかダブルスリット実験も反物質もよく調べてないから十中八九仮説に穴がある。前提が間違っている可能性もあるし。」
ミ「じゃあ言わなくていいんじゃ。」
遊「言うことが大切なの。それだけ。じゃあ僕は起きるよ。」
ミ「ああ。またね。」