オカンは、色々がっかりする!
ずいぶん間が空いてしまいましたが、なんとか4話目の投稿ができました。
住む所が決まって、おなかも満たされてちょっと安心したけど、私たちは、この世界について何も知らない。これは、色々とまずいのでとりあえず一般的な事を教えてもらうことになった。
この世界は、私たちがイメージしていたほど常識はずれな世界では無く、野菜や果物、家畜やペットなどの生態系は地球とほぼ同じで、そこにファンタジー要素が加わった、ハ○ー○ッターのような世界と言えばわかりやすいだろうか。
ゲーム的要素は無し、という話を聞いたときオカンがあからさまにがっかりしたようだったが、無視してミアちゃんに話をつづけてもらった。
人族は、王族や貴族が町を統治し、概ね平民たちは貧乏で質素な暮らしをしており、小さな子供でもできる仕事があれば、皆働いているので昼間、住宅街に人はほとんどいないということらしい。
仕事は、ギルドに行けば斡旋してもらえる。もちろん魔物もいるのでハンターなどの仕事もあり、ランクの高いハンターはかなり稼ぎもよいとのこと。それを聞いたオカンが、ちょっと元気になったが、見なかったことにした。
さて、気になるスキルや加護なのだが、地球で言うところのスキル=才能であり、伸びしろは個人差がある。どんなに努力したとしても、誰でもが賢者や英雄の域に行けるわけではない。そして加護とは、加護を与えた神様特有の力を行使できる能力で、女神アイリスなら癒しの力や知力、結界や盾と言った神の力をスキルとは関係なく行使できる。
この世界は、一人の神と6人の女神によって守られており、この教会には、女神アイリスの加護を持った人が司教として赴任してくる。信仰のレベルによって、行使できる力にも差があるようで、教皇様ともなると神に近い力を行使できるそうだ。
ここで、オカンが大きくため息をつく。
オカン「なーんか、期待して損しちゃったなー。もっとさー、チートなスキルで異世界最強ー!とか、経験値カンストしてて魔王もビックリーとか、思ってたんだけどな。」
ちひろ「贅沢言ってる場合じゃないでしょ。うちら、異世界人だから、生まれ持ったスキルとか期待できない分、信仰心もないのに、加護もらえたんだから十分チートじゃない?」
話てるうちに、ずいぶんと時間がたったのか外がうす暗くなっていた。
ミア「日が落ちてきましたね。」と、言って部屋にあったランプにさわると灯がともる。
ちひろ「何だか、生活がいっぺんに変わりすぎて、疲れちゃった。そうでなくても、おなかが重たくて疲れるのにさ。赤ちゃんも、びっくりしたのか今日は、あんまり動かないし。」
オカン「ん、だねぇ。今日のところは寝るとしますか?」
まずは、この教会を機能できるようにしなければならないので、明日は、ギルドに行って正式に司教として赴任してきたことを申告し、教会の掃除と修復について、依頼を出すことになった。もちろん、依頼の報酬は無し、ボランティアです。
う~ん、なんかお腹の赤ちゃんが動いて寝苦しい。
???「ちひろ、喜代子・・・起きてくれないか?」
ちひろ「え?え?」
オカン「何~、なん?なの~」
目を開けてみると、部屋の中に人がいる。なんだか、その人のまわりだけ光っていて、お化けとかそう言う怖い感じもしない。でも、何で後ろ向いてるのかな?
ちひろ「ど、どなたですか?」
???「わ、わしは、この世界の神です。アイリスの説明が、ちょ・・ちょっとあれだったので、補足しにきたのじゃ、いや、きました。」
ちひろ「ありがとうございます。実は、本当に困っていたんですよ。ミアちゃんが、いなかったらこの世界の常識すらもわからないかったし。」
神様「そ、そのことなんじゃが・・」
オカン「ちょっとまった、まずはこっちを向いてもらえないかな?」
神様「え?わし、ちょっとあがり症なんじゃよ。めったに人前に出ないし、このままで、ダメか?」
あがり症の神様って、どうなんだ?って、思っていらた、オカンが、ガツっと神様をつかんでこっちを向かせた!
ちひろ「オカン、なんて罰当たりな!」
オカン「やっぱり! あんた!!20年以上姿くらまして、こんなとこで何やってんのよ!」
神様「ヒィ!ちょ、落ち着け喜代子。話、話を聞いてくれ~!!!」
なんだ?なんだ?神様が、オカンに平手打ちされた頬を抑えながら、後ずさっている。どうみても、オカンのほうが神様より立場が上?どーなってるの?
オカン「どーいうことなんだか、きっちり説明してもらおうかな?カ・ミ・サ・マ!」
最後まで、読んでいただきましてありがとうございます。