真実を知りました
久しぶりです
イース様のお話しが終わったら、みんなが私を見ていた
「お母様、どうされたのですか?」
不安しかない今、頼れるのはお母様しかいなかった
「まず、神殿を出ましょう。イース様も一緒に行きましょう」
「わかりました。お願いします」
私の疑問に誰も答えてくれず、寂しさが胸を支配していく
「イリス、そんなに心配しなくても良いのですよ。神殿を出れば答えは与えられます」
イース様が優しい瞳で見つめながら声をかけてくれた
「わかりました」
そう言って神殿の出口まで歩き、外に出た。その瞬間、お母様に抱き締められた
「イリス…」
お母様は泣きながら、私の名前を何度も呟いた
「ノア、泣いてばかりではなく、伝えなくては」
イース様がお母様にゆっくり、諭しているかのように話しかけていた
「ですが、まだこのように幼い我が子を…」
「それは、私たちも私たちの親も同様の道を歩いてきたのよ」
「わかっていますが…」
お母様の声や表情からは寂しさが漂っている
「お母様?」
「イース様、皆様、私たちを二人きりにしては下さいませんか?」
「分かった。好きにしてよいぞ」
「ノア、ゆっくり話していらっしゃい」
「ありがとうございます。イリス、少しお話ししましょう」
「はい、お母様」
お母様はなぜか許可をとると、二人で町が見渡せる丘の上のベンチに座った
「わぁ!お母様!町が一望できますね!綺麗です!」
「そうですね…イリス…」
町が一望でき、風が気持ちよく私は嬉しくなった。その気持ちをお母様と共感したくて声をかけるが、お母様はどこか上の空だった
「お母様、何かあったのですか?・・・もしかして、次のイース様のことですか?」
「えっ!イリス、聞こえたのですか?」
お母様の顔がビックリしたようになっていた
「あの神殿に入って少したったとき、女の方の声が聞こえたんです。未来のイースよ。と。でも、本当に小さい声だったので、聞き間違えかもしれませんが」
「イリス!」
そう言って、お母様は再び私を強く抱き締められた。
「お母様?」
「これから話すことをしっかり聞いて、理解してください。・・・あなたは近い未来、イース様になります。そのために、お父様とお母様の側を離れて、神殿で修行しなければなりません」
「えっ!お父様やお母様と離ればなれになるのですか!それは嫌でございます!離れたくないです!」
「あなたが拒否しても、決定したことなので変えられないのです。私たちも貴方と離れたくないです。だから、言い出せませんでした」
お母様は、泣きながら抱き締める力を強めた
「嫌です・・・離れたくない・・・」
私もわんわん泣きながらお母様に抱きついた
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