挨拶しました
フウの魔法のお陰で、3日かかる道のりを2日で来てしまった。商業の国の役人はてんやわんやしながら迎えてくれた。私たちはイシス神殿が近くにある高級宿に泊まることになった
「イース様やリオ様が一緒だから、こんな高級宿に泊まることができると言うものです」
「イロシ様、そうなのですか?国主であるイシロ様であれば、これくらいが基準なんだと思っていました」
「いえいえ、違いますよ」
この一緒に話している人は、イシロ・バリ様。我が信仰の国の国主である。国の運営などを私たち神殿側と一緒に行ってくれている。今回は、私たちのサポートをしてもらうため、同行してくれているのだ
「イロシ様、3日間よろしくお願いします」
「はい。わかりました。尽力させていただきます」
今回の地方会談は3日間の予定となっている。明日の午後から始まり、三日後の午前中までの予定である。今日は商業の国のイシス神殿でお祈りをあげて終了となる
「イシス様、商業の国に着きました。明日からの地方会談が開催されます。我が地方の絆がいっそう強くなるよう、努力して参ります」
「お願いしますよ。イース、イリス」
「はい。わかりました」
次の日
今日から地方会談が行われる。まずは、私の紹介となる。目の前には、商業の国の国主であるイサク・ブロークン氏、研究の国の国主であるイナリ・ティンブラー氏、剣と魔法の国の国主であるイカヤ・パルバット氏、我が信仰の国の国主であるイシロ・バリ氏と、4人の国主が一同に介している
「次期イースとして、修行中のイリスと申します。この度は、お集まりいただき光栄でございます。お見知りおきを!」
緊張したが、全く噛むことなく言い切ることが出来た安心感に浸っていると、
「次期イースとして修行中と言うことは、イシス様も知っておるのかのう?」
「知っています。この度の事態をイシス様から聞いたのは私でございます」
まるで疑っているような話し方にイラッとしたが、相手は開催国の国主であるイサク氏であるため、グッとこらえた
「そのように機嫌を損ねる言い方はよせ」
「試したくなるじゃろう?こんなに若いのだし」
イシロ様がイサク氏を嗜めるが、全く意に介してないようだ。イサク氏の言い方は暗にイース様を中傷しているかのように聞こえた。その言い方に我慢ならなかった私が言い返そうとすると、急に指輪が光だし、四つの影が現れた
「「「「イリスを馬鹿にするヤツは許さない」」」」
ファイ、ウォン、ラン、フウの全員が指輪から出てきて、イサク氏や他の方々に言いはなった
「これはこれは、イサクやってしまったなぁ。魔法の根元となる神々を怒らせてしまうとは」
「言い方が悪かったんじゃなぁ」
四人が出てきたことで、イナリ様やイカヤ様が笑い始めた。何が笑えるのか分からなかったが、イロシ様が優しく微笑んで
「どんなに嫌みを言われたとしても、四人の神々がリオ様を救ってくださいますよ。自信を持ってください」
「そうそう。年が若いとかといって苛める奴ほど器が小さいのだ」
「そのような者の言葉に一喜一憂する必要はない」
「ありがとうございます。イロシ様、イカヤ様、イナリ様。私は、次期イースとして仕事を任せてくださっているイシス様やイース様を中傷されたのかと思い、悲しくなったのです。でも、皆さんの言葉で救われました。ありがとうございます」
「良いのですよ。改めて、次期イースとして相応しいということを実感させてもらいました」
「頑張るんじゃぞ」
「そうじゃそうじゃ」
3人の優しさに心温かくなった
「リオ様、すみませんでした」
四人でほんわかしていると、急にイサク氏が声をかけてきた。見ると、至るところ傷だらけだった。周囲を見渡すと、四人が満足げにしている姿が確認できた
「一番気にしているであろう、年齢のことを言ってしまい、申し訳ありませんでした。こんなに神々に愛されているはずのリオ様が次期イースとして、不足のはずがありません。許していただけますか?」
「私に謝るのではなく、イース様やイシス様に謝ってください。言い過ぎだとは思いますが、イース様やイシス様を中傷されているようにしか聞こえませんでした。確かに私は幼いのでそう思うかもしれませんが、私の意思だけで決められる世界ではありません。私のことはいくら言ってもいいですが、イース様やイシス様のことを言うのは、許せません」
私は素直な気持ちをぶつけた。私を支えてくれている人たちや神々を侮辱するのだけは許すことができないのだ
「わかりました。本当に申し訳ありませんでした」
その様子を見て、四人は指輪に帰っていた
そうして挨拶は終わり、本格的な会談へと進んだ
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