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女神様に会いました

前半は暗いです


体が死んでからもうすぐ三日。火葬やらお葬式等の真最中。


魂だけの状態で、すべての行動を観察している。


私の家族は、私を失ったことよりも、今山積している問題に悲しんでいる。こんなことの為にかけていた保険金では足りなかったらしく、資金調達が大変らしい。


「どうして…」と泣き崩れる母の姿は、他者から見たら娘を失って悲しんでいるように見えるらしいが、本心は「全く、どうしてこんな面倒ばかりかけるのよ。これだったら、まだ生きてくれていた方がましだったのに。」と言っている。


生前から、親には虐げられてきたが、死後までもか


父親も同じことを思ってるようだ。「もっと高い保険金を掛ければ良かったのに。まったく、何も考えてない。」等と思ってるのが、私にはまるわかりだ。


浮遊しているといろんな声が聞こえてくる。家族の声だけではなく、そこら辺に歩いている他人の声までも聞こえてくる。話している声はもちろん。心の声もだ。


私の高層マンションから飛び降りた原因の半分は家族だ。この話をすると、死んだ今でさえ、もう一度死にたいと思う。それくらい、家族が嫌いだ。


この現状からどうにか脱して、地獄にでも行きたい気分だ。だけど、その手段がわからない今、こうして浮遊しているのだ。


「こんなとき、急に声がしたりするものだけどなぁ。」


生前の私は、漫画やアニメなどサブカルチャー大好きだったのだ。小説は恋愛やファンタジー要素満載のものが好きだった。(25歳にもなって…)なんて、悩んだりもしたが、好きなものは好き!精神で過ごしていた。


【ふふふ。やはり面白い娘ね】


なんか、幻聴が聞こえたよ。私、その系の病気にはかかってなかったよね。さんざん、変わった娘だと言われたけど。


【観察しているのが楽しすぎて、声をかけるのを忘れていたわ】


私、おかしくなっているんた。


【あら、貴女はいたって健康よ】


どうしたら、良いんだろう。


【私の事を見つけてくれれば良いのよ】


見つける?・・・待て、幻聴に惑わされてはいけない!これは、幻聴なんだ。頭上から声がするなんて、さらにおかしいんだ。


【そこまでわかっているのに、事実を信じないなんて…】


怒られる?呆れられる?まて、そこは気にしなくていいんだ


【やっぱり、面白いわ!】


面白いのか!あっ。突っ込んでしまった


【そろそろ時間ね】


その声がしたかと思うと、目の前に神々しい、美女が私と同じように浮遊していた


【さあ!行くわよ!】


「えっ?どこにいくの?てか、誰?」


私の口から溢れる疑問を楽しそうに聞き、手を握られる


【大丈夫よ。着いたら教えるから】


美女はそう言って、地面のない空中を地面のあるかのようにジャンプした


「えっ?」


その後の言葉は出てこなかった。いや、出せなかった。


ものすごい勢いで空へと上昇した。死んでる身なのに死にそうになるくらい凄まじかった。それなのに、美女は全くその様子はなかった。


「はぁはぁはぁ… 」


息を整えるのに、どのくらいの時間を使用したのか分からなかった。


息を整え、辺りを見渡すと、


「へっ!」


と、今度は息をするのを忘れてしまった。


息を忘れるほど、すごい世界が広がっていた。まるで、古代エジプトやギリシャ神話に出てくるような幻想的な風景だった。


【見とれる程、美しい?】


「はい。こんな美しい景色を見るのは初めてです」


【そう。それは良かったわ。】


あまりにも私好みの風景だったため、見とれていたが・・・


「ここはどこ?貴女は誰?」


重要なことを思いだし、叫んでしまった


【ふふふ。ここは、神々が住む世界よ。私は女神イシスよ。】


えっ?神々が住む世界?女神イシス?


「嘘だ!嘘だよね?」


頭が混乱しすぎて、叫んでしまった


【嘘ではないわ。混乱しているのね】


女神イシスと名乗った美女は、私を抱き締めてきた。


【少し、休みましょうね】


その言葉を聞いた瞬間、体から力が抜け、私は眠りに入った。


死んでから、初めての休息だった

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