前世を思い出しました
今までにしたら長めです
ちょっと鬱的表現ありです
「そうだ!イリス、お祈りの時の姿勢を教えるわね。お祈りするときは、立て膝をついて、両手を胸の辺りで握って、イシス様、イリスですと心のなかで話せばいいのよ。わかった?」
大神殿に行く途中でイース様は祈り方をジェスチャーで教えてくれた
「わかりました。やってみますね」
大神殿の中に行くとイース様が中央に行くように合図を出してきたため、中央に向かう
「そこで、さっきの祈りの姿勢をとって、呼び掛けてみて」
先程の姿勢をとり心のなかで話した
「イシス様、イリスでございます」
そうすると
「イリス!イリスですか!」
と、神殿に描かれている通りのイシス様が現れた
「はい、イリスです」
そういった瞬間
(私なんて、生まれてこなきゃ良かったんだ。ここから飛び降りればやっと解放されるんだ)
(あのこ、本当に気味の悪い子よね。あんな子があの夫妻から生まれるなんて、世の中不思議よね)
(なんであんたなんか生んだのかしら!こっちみないでちょうだい)
(お前、家の外では他人だからな!お父さんなんて呼ぶなよ!)
(気持ち悪いな!近寄るな!)
(お!旨そうな子がいるぞ!)
なんで、こんな記憶を思い出すの?私は死んで楽になったんじゃなかった?嫌だよ!こんな記憶思い出したくない!
(イリス、愛しているわ!大切な私たちの子ども!)
(イリス、生まれてきてくれてありがとう!)
(イリス、大好きよ!)
あっ!お父様、お母様、イース様!
「イリス、あなたは愛されています、確かに前世では愛してもらえなかったかもしれません。でも、今は愛されています」
「イシス様、私は、前世から今までの記憶を1才になったら思い出せるよにしてほしいんです。幸せを噛み締めるために、そして使命を忘れないようにするためにとお願いし、イシス様も了解されていました!なぜ、私は6才になるまで忘れていたのですか?」
「あなたに、『愛される』という体験をして欲しかったからです。だから、1才では思い出さないようにしました。これは貴方の両親とも話し合って決めました。貴方の両親も『愛される』事を体験させたかった。だから、大神殿で初めて祈りを捧げたときに思い出せるようにして欲しいと願ったから、その通りにしただけです。この世界で『愛』を知ることができましたか?
「もちろんです」
お父様とお母様の心が嬉しくて、私は泣いてしまった
「今日はここまでとしましょう。また会いましょうね、イリス」
「はい!イシス様」
目を開けるとイース様は神殿内に居なかった。探すために神殿の外に出ると
「イリスごめんなさいね。前世で望んでいたことを私たちで変えてしまって。イシス様からどうしても『愛』を知って欲しいと話していたのよ。私たちも貴方に『愛』を知って欲しかった。前世のあなたがどうだったにせよ、今はイリスとして『愛』を感じていてくれたら、嬉しいのよ」
「前世では味わうことができなかった『愛』を知ることができ嬉しかったです。今、とても満たされています。一瞬は裏切られた感がありましたが、全部私のためにしてくれていることだとわかり、とても嬉しかったです。ありがとうございました。時期イースとして頑張っていきます!」
そう宣言して、私は明日からの修行に向けて宿舎に戻った
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