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事故

夏に書いた詩なので、少しだけ季節はずれです。

新品の自転車で

よろよろと走ります

交通ルールを守れば待っているのは死

そんなわけで 歩道を走っているのです


今日は日曜日だから

図書館の席は空いていなかったね

今日は日曜日だけど

バイトのシフトはまだ空白だったね

あてもなく 彷徨っていたよ


鳴くのを諦めたミンミンゼミが

私の元へ飛んできて

私の頬を叩いていった

バシバシとあがいて

私が自転車を止めて振り返った頃には

そこに息をしていた生き物はいなかったんだ


死の香り


私は泣いた

人間は鳴かないから

わずかに残ったセミの鳴き声に紛れて

泣いた


殺してしまった

事故に遭ったと

圏外の携帯電話に叫んだ

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