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銀色の翼  作者: 市ノ川 梓
第零章 プロローグ
8/43

第七翼 最強の翼

「軌跡っ!!」

そう叫んだのは佑助だった。軌跡と呼ばれた青年は巨人兵の攻撃を易々と受け止めていた。その姿は傷だらけで巨人兵の剣を止める長刀すら所々欠けている。だが立派な顔立ちだけは変わっていなかった。凛々しい眼で巨人兵と目を合わせて囁いた。

「死ぬ覚悟は出来たか?」

それと共に巨人兵を優に越える殺意が身体から流れてきた。その殺意で人を殺してしまいそうだ。そして手に握られた2m程ある白剣で巨人兵を切り裂いてしまったのだ。あまりの殺意で敵も一歩も動くことができなかった。またばらばらの機械片へと変わった巨人兵の身体…。辺りを支配していた強力な殺意は消えた。闘いが終わったのだ。


キセキは刀を懐に納めた。とたんに守に駆け寄った。

「大丈夫か、守っ!?…おい!!大和、応急手当だ!!」

すぐに大和は守に応急措置を施した。ここら辺は抜け目がない。

「止血は出来た…。意識は暫く戻らないだろうけど、死ぬ事はないでしょう。」

大和の言葉を聞いて安心したのか佑助に歩み寄ってきた。

「佑助…すまない…。心配をかけたようだ。これではリーダー失格だな…っ!!」

傷が痛むのか、腕を押さえている。

「あぁ軌跡さん!!貴方も手当てしないと!!」

大和が慌てて軌跡に手当てをした。佑助は軌跡に苦笑いしながら言った。

「そんなことありません、軌跡隊長。貴方がいなかったら今僕達はここにいませんでしたよ。本当にありがとうございました。」

続いて大和も言う。まだ少し目が虚ろだ。

「そうですよ…軌跡さんが自分を責めることもありません。」

軌跡は少し笑った。

「そうか…ありがとう。」

照れ臭そうに笑う軌跡の顔にさっきの殺意は全く見えない。レベルの差を痛い程感じる。「さて…この作戦のリーダーは…まぁ佑助だろうな…これからどうする?」

軌跡は佑助に問い掛けた。あくまでこの作戦のリーダーは佑助と決めているようだ。

「…GCに帰還するのが無難かと…。守の意識もなく、隊長もこの怪我…。一度体制を整えるが一番と考えます。」

佑助の意見を聞いて軌跡は満足そうに笑った。

「流石、最年少でここに選ばれただけあるな。俺でもそうするだろう。」

大和も頷いている。

「それに…なにかここの基地はおかしいしな…。」

軌跡は意味深な表情をしている。

「と言いますと?」

佑助には言葉の意味が分からなかった。

「…いや、何でもない。とにかく今の俺達じゃあやはりこの基地は難攻不落の城だな。ではGCに戻ろう。」

とたんに佑助は申し訳無さそうな顔をした。この基地に突入時に宇宙船は全壊してしまったのだ。

「なんだ?佑助?どーせ守の奴が宇宙船で基地突っ込んできたんだろ?」

軌跡には全てお見通しのようだ。笑って見せた。

「あんだけ基地が揺れたんだ、それくらいわかるよ。…あっちに機械兵共が使ってた船があった。それで帰還するぞ。」


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