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銀色の翼  作者: 市ノ川 梓
第零章 プロローグ
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第三翼 軌跡の翼

扉の中には巨大な「コア」と呼ばれている言わば、GCの心臓がありそれを囲むように大量のオペレーターが常時待機している。みな佑助には眼もくれず忙しそうにモニターに向かって話し掛けている。

そのオペレーターの間をすり抜け奥にある小さなドアの前に佑助は来た。

ドアの横に設置された指紋認証と眼球認証、声帯認証と言う厳重なロックを通って中に入る。

中には一つのデスク、椅子、そして一つのモニター…座っているのがこのEARTH軍最高指令隊長である。

名は誰も知らない。故にボスと呼ばれる。パーソナルレベルは限りなく5に近い、4+++と言う人類最強の人物だ。

噂では19歳と言う若さでこの役職を任されたほどらしい。

とてもみなに信頼されており、佑助自身も信頼し尊敬する憧れの人物だ。

滅多に個人には通信をいれない総隊長に呼ばれ、少し緊張気味の佑助はゆっくりと敬礼をした。

「只今、第5番隊隊長、広瀬佑助、参上しました。」

総隊長は少し口角を上げた。

「おお。ようきた。折角のオフに呼びつけてすまない。緊急の連絡でな。」

部屋は小さな明かりが一つしかないため、あまり総隊長の表情を確認することが出来ない。

「と言いますと…?」

「それが、四日前にゼアールに偵察に行った軌跡が帰って来ないのだよ…。通信も途絶えてしまい、安否の確認もとれない状況でな。」

心なしか総隊長の声が震えている。

「SuperNovaの二人には事前に伝えてあるのだが、ゼアール星への作戦の日程をずらして三時間後にここを発ってもらいたい。」

キセキ…名前は藤咲軌跡。第7番隊隊長でSuperNovaの隊長も務めている。悔しいが最も総隊長に力が近い人間であろう。パーソナルレベル4以下の相手ならあまりの殺気で剣を抜くことすら(まま)ならない…。今、EARTH軍で総隊長を除くレベル5に最も近いのはキセキだという説が有力である。現にキセキは総隊長の一人息子なのだ。

そのキセキが任務から帰還しなかった事など今までなかった。心配になるのが普通だ。

「で、君に臨時隊長を務めてもらい、キセキを救出してもらいたい。…戦争に私情を挟んではいけないのは充分承知してるんだがな…。」

総隊長は心配性な事で有名だ。しかしその隊員一人ひとりに対する愛情がこの人を惹き付ける一つの要因なのかもしれない…

「問題ありません。キセキはボスの息子さんである以前に我らのチームメンバーです。メンバーの為にならこの命懸けて助けになりましょう。」

「社交辞令でも嬉しい。では船はセンターに用意してある。準備ができしだい出発してくれ――――

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