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王様に召喚されました  作者: くいな
王城生活
5/33

無口イケメンとほんわか美女

イジメだ。

これは新手のイジメだ。






入った部屋には美形一家が座っていた。


部屋がとてつもなく豪華できれいなのに、部屋を負かす美しさ。


「一番左から曽祖父のウィルスおじい様、曾祖母のシェリルおばあさま」


曽祖父のウィリスはプラチナブロンドの長い髪をゆるく結んでいて、どう見ても美形20代。

奥さんのシェリルも燃えるような赤毛がゆるくカーブを描いている超美人さん。


「その横が祖父のウォルトおじい様と祖母のエノーラ叔母おばあ様」


わぉ、こっちも素晴らしいよ。


エノーラはシルバーの髪を短くし、宝塚顔負けのかっこよさ。

対して、ウォルトは青い髪を適度に伸ばした無表情のイケメン。


「きゃー、ウィリアム!見て見てっ、かわいー!」


突然抱っこされたリンは、何が起こったのかわからず固まる。


「サラ、リンがビックリしている。放してやれ」


不満を言いながら私を放した女性はウィルと同じ黒髪で、ちょうどいい長さのの髪をポニーテールに結んでいる。

無表情ながらリンを救出してくれた男の人はなんとウィルそっくり。ただ違うのは、ウォルトから受け継いだであろう青い髪。


「はじめまして、私はサラ。ウィリアムの妻でウィル君の母親です。早くリンちゃんの本当の姿がみたいなぁ」


「サラ、戻るぞ」


ウィリアムがそう言うと、サラは渋々ウィリアムと真ん中の椅子に戻っていく。


ウィルはそれを見て小さなため息を吐いたあと、再び紹介に戻る。


「父上の隣が父上の妹君のラティーシャ叔母様。その隣がイリス伯父様。そして従兄弟のウルフガング」


ウルフは紹介されると同時に手を振ってくる。


「それから、双子の妹ルシアと一つ下のルイーザとその夫のシリアルに甥のウィーザと姪のリーチェ」


『双子っ!?』


ルイーザはウォルト、ウィリアムから受け継いだであろう青い髪を横に流して括り、どこかふんわりとしたオーラを放っており、オレンジっぽい髪をしたシリアルと仲睦まじく座っており、まだその腕に抱かれてぐずっている産まれたてであろう息子と娘をみて微笑んでいる。


一方ルシアを見やると、シルバーの髪を後ろで一つにまとめ、興味なさそうにそっぽを見ている。


「ねえねえ、もういいでしょ?私リンちゃんとお話したいなぁ」


「………リンがいいのなら…」


『私は別に…』


その美しさに心は崩壊しそうだけど…。


「シェリルちゃんとエノーラ姐さんとラティにルゥちゃんとルィちゃんも一緒にお茶しながらどう?」


サラさん大物だ…。

仮にも祖父のシェリルさんをちゃん付けしてエノーラさんを姐さんと呼ぶなんて…。


「私は部屋に戻ろう」


ルシアは立ち上がり、部屋を出て行ってしまった。


『あ…』


「えー、せっかくルゥちゃんともお話しようと思ったのに…」






結局、ルシア以外の女性陣皆でお茶会をすることになった。


現在リンはサラの膝の上。


「それで、ウィリアムったら独占欲が強くてドの付くSでもう!」


「あら、ウィルスも4000年一緒にいるのにまだ私が他の男性と一緒にいるのが許せないみたいで…」


「ウォルトはああ見えて色々凄くてな…」


「まあ、フォンテーンの男性は皆狼なのですね。イリスはああ見えて初心なのです。ウルフはフォンテーンの血を色濃く受け継いだのですね」


「シリアルはいつも優しいです。シリアルの運命人でよかったって思います。皆さんの話を聞いていると独占欲が強すぎるのも考えようですねぇ」


何ですかこの惚気。

ただでさえ美女に囲まれて存在が霞んでいるというのに、惚気のピンクオーラのおかげでもう見えません。

イジメです。無意識のイジメですこれは。


「ウィルフレッドもフォンテーンの血を色濃く受け継いでいるからな。ウィリアムに性格もよく似ているようだから、今頃我らに嫉妬してドSなウィルフレッドが降臨しそうだな」


エノーラさん、そう言うことを紅茶を飲みながらさらっと言うもんじゃありません。悪寒がします。


「リンちゃんもこれから苦労するわよ。特に本来の姿に戻ってから。フォンテーンの男は基本無表情で無口だから、思ったことは行動で表すのよ。それが何と迷惑なことか…。」


まだ2日も過ぎていないのに、もう既にその兆候が見て取れるのですが…。


「まあ、嫉妬しているのはウィルフレッドだけではないでしょうからご安心を」


それって皆さんも危ないってことですよね?


「まあウィル君は私の血が少し入ってるからウォル君たちよりはしゃべると思うわ」


「あ、噂をすれば」


ルイーザの目線の先には無表情のイケメン4人。こうやってみると、ウィルスからウィルフレッドまでの顔の変化の仮定が目に見える。

ウィルスから、だんだん顔がウィルフレッドになっていくのだ。


「そろそろお開きだ」


ウィルスがシェリルを横抱きにし、お持ち帰りしていった。


それから各々、各旦那のもとにもどる。


リンも例外ではない。


若干どころではない不機嫌なウィルに、部屋まで抱っこされて連行されるのであった。






あれ?デジャブ?

ウィル様の独占欲は遺伝だったのです

リンちゃんはまた襲われる予感…

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