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王様に召喚されました  作者: くいな
魔法学園
19/33

ウィルの生誕祭

「アラーナ、何かあるの?」


今日は城も町も随分と騒がしい。


「はい。ウィルフレッド様の誕生日が5日後に迫っていることもあり、本日より学園は休校、5日かけての祭りがあるのです」


「ウィルの誕生日!?」






「ウィル、城下に買い物に出たいんだけど…。いい?」


「…何か欲しい物があるのなら言え」


「自分で見て買いたいの!」


「………付いて「ダメ!アラーナとサラさんとルシアと女の子同士の買い物がしたいの!」…はぁ、わかった」


誕生日など、全くもって口にしなかったウィルのせいでプレゼントを買い損ねるところだったリンは、城下でプレゼントを探そうと考えていた。


何かあったらどうするんだと言われると何も言えないので、ルシアに付いてきてもらうことにしたのだ。

そうしたら、傍にいたサラさんも一緒に行くと言い出し、結局4人で一緒にプレゼントを買いに行くことになったのだった。


「ありがとう、ウィル。じゃあ行って来ます!」


そう言って部屋を飛び出した。






城下はとても賑やかだった。


「そういえば、リンちゃんは初めての城下よね?」


言われてみればそうである。

城から出たのは学園に行くときだけで、その登校でさえもウィルとの転移魔法であるから、ほとんど外に出たことはない。


「あまりうろちょろするな。祭りに乗じて危ない輩も潜んでいる」


まあ、これだけの人がいれば、潜むことも簡単だろう。


「お嬢さん達、お一ついかが?」


帽子を被った男が、きれいな花を取り出す。


「魔力を込めるだけでこの花がどんな花の種であろうと作ってくれます」


「すごいのね!いくら?」


「一輪850イディです」


「なら、4輪くださいな」


サラさんはさっそく目的から脱線していた。


「はぁ、お母様、早く買い物をすまさないといけないのです。ウィルから与えられた時間は日が高く登りきるまでなのですから」


そう言って、ルシアがサラさんを連れてくる。


「そうだった!リンちゃんは何かあげるもの決まってる?」


「いいえ。見て決めようと思って」


「それなら普段身に付けられる物にしたらいいわ。どうせなら、ペアにしたらどう?きっとウィル君喜ぶわ」


サラさんの助言に従い、アクセサリーを買うことに決めた。


「どれがいいかな…」


「そうですね、腕輪は執務の邪魔になってしまいますし、ネックレスはリン様がチョーカーをされていますから…」


「どうせなら付けているのが分かるものがいいわよね」


「あ、これ」


目に止まったのはウィルの瞳と同じ色をした青いピアス。


「それはこちらのピアスと対になっているのでございます。一品物で、王のマリンブルーの瞳と同じ色でつくられ、対のピアスは、王妃が月のような透き通った瞳をしていると言う証言から作られたものです」


皆、瞳の色は青と金だが、それぞれ個性があり、濃淡や色が少しずつ違っている。

ウィルは透き通ったマリンブルーだが、父のウィリアムはダークブルーの瞳である。


「私これにします」


アラーナに会計を頼む。


「よかったわね、リンちゃん」


サラさんはニコリと笑い、次行くわよ!と言ってリンの手を引いた。






「目ぼしい物は買えたか?」


夜、ベットの中でウィルが聞いてくる。


「うん」


「…何を買ったんだ?」


普段あまり物をねだらないリンが、わがままを言ってわざわざ城下に買いに行ったものが気になってしょうがないらしい。

リンはふふっと笑う。


「内緒。そのうちわかるよ」


まだ舞い上がる心が落ち着かない。

そう言って今日は自分からキスをした。


「っ!リン、あまり俺を煽るな」


今度はウィルにキスされる。


「…愛してる」





5日後、ウィルはどんな顔をしてピアスを受け取ってくれるだろうか…?

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