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拝啓 空の彼方にいる君へ
拝啓、空の彼方にいる君へ。
桜はまだ咲いていないけれど
天色の澄み渡る空が広がっている。
君が空の彼方へと旅立ってから
まだ1年経ってはいないけれど
きっと桜が咲き散るその時になったら
もっと心が揺れてしまうと思うから
今日この空の下で君に手紙を書くことを
どうか許してほしい
とは言え
何から話そうかと思う反面
何を話せばいいのかとも思ってしまう
つまるところ
君が目の前にいて
色々と聞かれない限り
僕は何も話せないのかもしれない
君との思い出は
手のひらですくった砂が
指の間からこぼれ落ちるように
僕の知らないうちに
消えたことすら分からないように
僕の中から消えていくだろう
君の屈託のない笑顔と
君が僕の名を呼ぶ声だけが
最後まで残るのかもしれない
それが すごくさみしく思うんだよ
それだけは 残してほしいと思うんだよ
拝啓、空のどこかにいる君へ。
元気にしてますか?
このどこまでも広がる青い空で
君が笑顔でお散歩できているのなら
とても嬉しいです。
でも、転ばないようにね。
君はちょっとドジだったから。




