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やる気が無くなりました

 私が当て馬だった、という事実は私が思っていた以上に精神的にも肉体的にもショックだったようだ。


 まず全てに置いて興味が無くなり部屋でボーッと過ごす様になった。


 好きだった読書も本に手をつける事も出来ない。


 食欲も無くなり残すようになりおやつも手をつける事が無くなった。


 お父様もお兄様も心配してお医者様を呼んでくれた。


「お嬢様は精神的な病にかかっております」


「精神的な病?」


「はい、危ない所でした。 このまま何もせずに放置していたらお嬢様は自ら命を絶っている所でした」


「そんな……」


 お父様は顔面蒼白になっていた。


「実は偶に令嬢令息に起こる事があるのです。 信じていた者から裏切られたりすると自分自身を追い込んでしまう……、しかも厄介なのはなかなか分かりづらい物なのです。 自分自身の檻に閉じこもってしまうので」


 私は比較的軽い症状だったらしい。


「では治るのですか?」


「勿論すぐに良くなる事はありません。かなり長い間、もしかしたら一生続くかもしれません。 それぐらいの根気のある事です、その覚悟はありますか?」


 お医者様はお父様に聞いた。


「勿論です、ルイーゼは大事な娘です、今の地位を投げうってでも付き合うつもりです!」


「そうですか、公爵様はよく出来た方だ。 私がこう言うと躊躇したり逆ギレしたりする貴族もいますから……、まずは環境を変える事です。 出来れば街よりも自然豊かな場所がよろしいでしょう。 そこで自由に過ごすのが一番の治療法です」


 お医者様の指示に従い私は王都から領地内にある別荘に引っ越す事になった。


「実は王家からルイーゼに王太子夫妻の補佐役を頼まれていたのだが……、ルイーゼがこんな事になった原因の1つだ、言う事を聞く義理なんて無い。 適当に断りの返事をしておこう」


「父上それが良いです。 私も王太子の側近の座を辞したいと思います」


 父と兄は本当にそれぞれの地位を捨てる覚悟で私と向き合ってくれるみたいだ。


 こんなに家族が団結するなんて初めてじゃないだろうか。


 なんだか救われた気がした。

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