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序章-2


「お、アルベルト。シャンちゃん遊びに来たぞ。」



玄関には自分より頭より2回りほど大きな女の子がこちらを見ていた。



「アル!お昼食べたかな?今日も一緒に泥んこ遊びしたいなって。」



恐らく親しい間柄なのだろうが、困った事に愛称も関係も分からない。1つ分かることは昨日は一緒に泥遊びをしたということだけか。


その時パッと目の前にシャンちゃんの情報が現れた。

何かゲームの様な感覚を覚えたが、ここは素直に頼られてもらうことにした。




【シャングリラ・ウエブ・ハイランド】

種族:長身族

性別:女

年齢:7歳と4ヶ月

出身:ユーリハランドリ王国/ミテラハウス

愛称:シャン

関係:隣人/幼なじみ




長身族?

前世の俺の知識にはない種族だが、巨人族のような種族だろうか?見た目は姉に似ていて耳が少し短いがエルフ族を思わせる可憐さである。

髪は赤茶色の濃い色に青色の瞳がよく映えている。



そんな事を考えていると目の前からシャンの情報は消えていた。



「や、やぁシャン!泥遊び楽しかったね。今日も泥遊びをするの?」


俺は正解探しのように、ぎこちなく返答した。


「うん!今日も土の精霊がとても元気みたいだからきっと楽しくなるよ!!」



さすがは異世界。勿論、精霊も存在するようだ。

そしてシャンには精霊が見えるということだろうか。

後で色々教えてもらうことにしよう。



「じゃあ、姉さんがご飯食べたら一緒に遊ぼう。姉さんも外で遊びたいって言ってたんだ。」


「げ、マーガレット今日訓練じゃないの?」



あからさまに顔がひきつったところを見ると、あまり姉と幼なじみは仲がよろしくないのだろうか。



「あら、シャン。残念だけど、今日アルは私と組手をして遊ぶのよ。それとも久し振りにシャンの相手をしてあげようかしら?」


「それはとても楽しそうだね。うちマーガレットと違って力持ちだからね。勝ったほうがアルと泥遊びで良いかな?」



子供同士のやり取りとはいえ、あまりおだやかではなさそうだ。こうゆう時は黙って大人に頼るのが1番である。

俺は困った顔を造り、父親の顔を覗き込む。

何かを悟った様に父親は俺にウインクをすると、目をキラキラさせ父親は2人を両肩へ担ぎ上げる。

やはり、子供の喧嘩は大人が大人の対応で解決してくれる。



「二人とも大いに結構!!武術にしようか剣術にしようか?幼い頃から鍛錬すれば何れら俺の隊に所属する事も夢ではないぞ!さあ審判をしてやろう!!」




ゴチン。

母の拳が綺麗に父親の脳天へクリティカルヒットした。

驚く俺とは違い、姉もシャンもやれやれと言ったふうに苦笑いをしていた。



「アル!絶対に絶対に貴方はお父さんの様に脳みそまで筋肉にしてしまってはいけませんよ。シャンちゃん、ごめんね。ご飯食べてきたのかしら?」


「おばさん、ちゃんと食べてから遊びに来たよ!ありがとう。お母さんが今日もお茶しに来るって言ってたよ。」



姉とシャンの関係を見ていると、もしかしてと両親の関係が気になっていたがそこはどうやら杞憂であった。



それよりも俺には気になっていることがあった。

もしかしてとは思うのだが。



「ごめんね、俺ちょっとトイレ!」



足早へトイレに足が向かうと、前世での記憶を辿る。


先程目の前に現れたのシャンの情報、どうやら自分にしか見えていないようでこれは前世でよく見ていた異世界もののアニメやライトノベル。ゲームの世界においてもお約束のやつがこの世界にもあるのではないだろうか。


確かめない訳にはいかない。

もしかしてこの世界ではそれが当たり前の可能性まである。皆当たり前の様に自分の能力や成長を日々確認しているのかもしれない。


トイレへ駆け込み鍵を閉めると、俺はこっそりとつぶやいた。










「ステータスオープン」

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