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手紙


「また会ったのう。」


先程までの家のリビングではなく

記憶に新しいお茶目な神なる老人と

2人の空間にアルベルトとして俺は居た。



「いやなに、儀式の終了時にちょっとした手違いでの、誕生よりも先の時代に転生してしもうた。すまんかったよ。」



そう言えば転生の際何か聞こえたような...



「おい(ジジイ)!この子が過ごして来た時間も、今の状況も何も分かんねえじゃねーか!!まず第一に...」



神が俺の額に触れたその瞬間



「うっ...」



アルベルトが誕生した瞬間から昨日の夜までの事が駆け巡り、脳内に記憶された感覚があった。


俺の現在の情報を軽くまとめると






【アルベルト】

種族:ハーフエルフ

性別:男

年齢:5歳と4ヶ月

出身:ユーリハランドリ王国/ミテラハウス


【人間関係】

父:ベルカルト(ヒト族)

母:サンナ(エルフ族)

姉:マーガレット(エルフ族)

妹:ハイリ(ヒト族)

獣魔:ハイカット(ペガサス種)


【補足事項】

言語:ミテル語を話すが、ここまでアルベルトが取得した言語の他に、前世で俺が取得した言語が変換され適応される。








今の俺に必要な情報はこんなところか。

しかし俺にはここまでの情報で、ゾッとしたことが1つあった。





「爺さん、アルベルトは...俺はもしかしてこの子の人生を奪い転生してきたのか?」



当然考えられずにはいられなかった。

もし、このアルベルトという少年のここまでの人生を奪い俺が転生してしまったとしたら?

この温かそうな両親の宝を奪ってしまったのだとしたら?

自分も親であった事がある為か、心配せずには居られない。



「ほほう?お主は見事に早くも他人の人生を騙し取った!そういう言ったところかの?」



鈍器で腹を押しつぶされた感覚だ。

胃のあたりがぎゅーっと痛くなるのを感じた。



「そんな...」








すると老人は眉をあげ



「安心せい。世の理とは例外なく変えられるものではない。アルベルトの人生はお主が転生されるべくして誕生したものじゃよ。お主の世界ではCPU?そう言ったかの?そんな感じじゃ。」



よく分からなかったが、一先ずは安心した。



「あと、この国の手紙はこのような形じゃ。本人限定郵便にするとこのように他へ内容が漏れることもない。さらにこのようにオプション料金を払うと、同時にテレパシー式で念話も可能じゃ。あ、さらば予約の時間がの、ホホホ」



いきなりブツっ!

という音と共に母親の目の前に戻った。

あの老人の事だ。

神の世界にも()()()()お店があるのだろうかとしなくて良い想像をしてしまった。



「おかえりなさい。今日も長かったけどもまた釣りの話でもしてたのかしら?」



ニコリと笑う母親と、自分の目の前には

コッペパンらしきものとスープと果実が丁寧に並べられていた。


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