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プロローグ
なんでこんなに虚しいんだろう。自分の性的嗜好が全て揃っている相手と穴を塞ぎ合ってもこの心の穴は埋まる気配がしない。
あの時までは。
世の中に疑問を持っていた。なぜ世界はこんなに輝いているのに、人は輝いていないのだろうか。なぜ宇宙から地球を見るとこんなに青く輝いているのに、人の心はどす黒く暗いのだろうか。なぜ人は利益を貪ろうとするのか。心の飢えを埋めようとする姿は正直哀れだった。こんな世の中に希望はない。このまま定められたつまらない人生を歩むのだろうと思っていた。
けど君は俯いた僕にスポットライトを当ててくれたんだ。