二話
「おお雄斗。昨日はお疲れさまだ。
C+の【異形種】を単独で倒すとは、相変わらず見事な腕だな」
【陰陽連(おんみょうれん】支部の二階。支部長室で雄斗にそう声をかけたのは部屋の中にあるデスクに腰を掛けてノートPCを操作している四十代の男性だ。
彼は山岡優。【陰陽連】の支部長であり、今は亡き雄斗の父親と同期の魔術師だ。幼いころから現在まで、いろいろと世話になっている人でもある。
「お疲れ様です。ま、いつものことですよ。それよりも──」
「ああ、わかっている。昨日の緊急任務の手当てだろう。少し待ってくれ」
山岡はそう言いPCを捜査する手を止め、机の引き出しを開ける。そこから封筒を取り出すと雄斗に手渡す。
受け取った雄斗はその場で封を開け中身を確認する。緊急任務の手当に見合った高額な金額が表示されているのを見て小さく笑みを浮かべた。
「ありがとうございます。これで二月ほどは生活費に困ることはなさそうです。
愛理にトラオムの新作ケーキをお土産に買って帰れます」
「相変わらず姪を溺愛してるなお前は。たまに元気くんとどちらが実の父親かわからなくなる」
「ははは。ありがとうございます。ですがそれ兄貴や清美義姉さん、あと未来の前で言わないでくださいね。特に姉さんたち女性二人へは」
「わかっておるよ。結婚し母親となったとはいえ清美ちゃんの若いことの暴れっぷりはよく知っておるし、未来ちゃんもそれに似てきておるからな。わざわざ地雷を踏むような真似をしないのが長生きの秘訣だ」
にこやかに笑う山岡。用件も済んだ雄斗はそのまま立ち去ろうとしたが彼に呼び止められる。
再び渡される封筒。それを見て雄斗は眉を潜める。
その封筒は緊急手当てが入っていた量産品の封筒ではなく、綺麗な和紙で作られていた。しかも十二の星マークに包まれた太極図──【陰陽連】の紋章が中央にある。
「これは?」
「【陰陽連】本部からお前あてだ」
「……いつものやつですか」
ため息とともに封を開け中身を見る。予想した通りのそれに雄斗はうんざりとした顔になるも、
山岡から借りたペンで【拒否】の欄に〇をつけて支部長に手渡す。
「相変わらず速攻拒否か」
「本部に所属する気はないって何年も言っているんですけどね。なのに何度も送って来て全く、鬱陶しい」
「ま、【陰陽連】が何度も本部にお前さんを誘う理由はわからんでもないけどな。10歳という異例の若さで魔術師となり現在は武芸の秘奥である【心眼】、【閃電の太刀】を極めた天才。
お前さんなら所属するのと同時、元気くんと同じ【七星剣】となるのも不可能じゃないだろ。給与も今までとは比較にならんほど貰えるだろう」
「まぁ確かにそうですけどね。そうなったらなったで面倒ごとが一気に増えるでしょう。給与だって今の額で十分すぎます。
それに金をいくらもらっても代わりに暇な時間が無くなるんじゃ意味がない。俺は今の日常で満足していますし、可愛い可愛い愛理と遊び見守る時間は確実に減るわけです。デメリットしかない」
そこまで言って雄斗は視線を細め、手元にある封筒の紋章を睨む。
「それに【陰陽連】は、その上にいるカグヅチの野郎は兄貴を使い潰しましたからね。そんな組織の本部に所属するなんて御免です。下っ端で何よりです。
──さて、それじゃもう行きますね」
「ああ。元気くんたちによろしくな」
一礼して部屋を出る雄斗。すれ違う同僚たちに挨拶をしながら支部を出ると、乗ってきたバイクにまたがり商店街に向かう。
目的地である行きつけの洋菓子屋【トラオム】に入ると店内では人族と亜族たちが、ケーキが置かれているガラスケースの前で談笑したり、右手奥にある軽食スペースでは美味しそうに店のケーキや洋菓子を頬張っている。
「おお、雄斗か。いらっしゃい」
目当てのケーキに目星をつけ、あと数点ほど何か買って帰ろうかと思いながらガラスケースを眺めている雄斗に声をかけたのは、レジ前に姿を見せた二メートルを超えるドワーフの大男だ。
彼は洋菓子屋【トラオム】の店主であり、ガラスケースに置かれている煌びやかかつ食欲をそそる造形をしたケーキの作成者でもある。
「何だか今日は人が多いですね」
「今日からやってるキャンペーンのせいだろうな」
購入したケーキや菓子類が箱に入れられる中、店主はそういって後ろの壁を親指で差す。
その先には多元世界友好条約記念。全品30%オフの文字が書かれたポスターがある。
「多元世界友好条約記念か。そういえば今週末でしたね」
「これのおかげで俺も【ムンドゥス】に居られてこの若さで自分の店も持てた。まったく【七英雄】、【アルゴナウタエ】様様だな。
ああ、【アルゴナウタエ】といえば知っているか。なんとこの街にあの【輝水の女神】が来ているそうだぞ」
「本当ですか。……いったい何の用なんでしょうか」
ケーキが入った箱を受け取りながら雄斗は眉を顰める。【輝水の女神】とは【アルゴナウタエ】に所属する、若干14歳で女神の名と力を受け継いだ才女だと聞いている。
「さてな。とはいえお前さんが初耳ってことは任務や仕事で来ているってわけでもなさそうだ。……誰かさんをスカウトにでも来たのかね」
意味深な視線を向けてくる店主。雄斗は苦笑してそれに答えず、挨拶をして店を出る。
「スカウトねぇ。……まぁ、あり得ない話じゃないが、御免だな」
バイクのエンジンを入れながら雄斗はぼそりと呟く。
【アルゴナウタエ】から二年前に勧誘を受けた時も雄斗は断っている。理由は【陰陽連】と同じで、単純に故郷から離れ、忙しい日々を送りたくないからだ。
それに所属するのであれば【陰陽連】とは比較にならないほど危険な任務に携わらなくてはいけなくなる。何せ無数にある【多元世界】を股にかけて活動している組織なのだ。なんとしても関わり合いになるべきではない組織だろう。
とはいえ【陰陽連】ほど心配はしていない。かの組織は多元世界全体を股にかける最大にして最強の組織。雄斗如きに執着するはずがないのだから。
武家屋敷のような自宅前に到着しバイクを止める。排気音が収まると同時、隣にある道場から幾人もの門下生の声が響いてくる。兄が門下生に稽古をしているのだろう。
鳴神家は名家と言うほどではないが、約二百年は続くそこそこ名の知れた魔術師の家系だ。そして剣術道場も兼任しており見込みのある者たちは道場主である兄が警察や軍、【陰陽寮】などの組織に紹介していたりもする。
聞きなれた音を耳にしながら雄斗は玄関の引き戸を開けて中に入る。すると雄斗が帰ってきたのを察したのか、家の奥から元気な足音が響いてきた。
「ゆうにい、おかえりー」
「おう、ただいま愛理!」
走ってきた活発な幼女を見て雄斗は顔を綻ばせる。そして手にしていたケーキの箱をそっと横に置き、無邪気な体当たりを体で受け止める。
長い髪をリボンでまとめた可愛い可愛い天使のような幼女は鳴神愛理。雄斗の姪だ。
「おかえりなさい。ずいぶん早かったのね」
キッチンから顔を出した若々しい女性は鳴神清美。雄斗の義姉であり愛理の母親だ。
「珍しく支部に行くと言うから遅くなると思っていたけど」
「俺の用件は緊急任務の手当てを受け取るだけでしたからね。
ま、本部からいつものあれが来ていましたけど、速攻で断ってきましたし」
手洗いを済ませて居間に入り、義姉が淹れたお茶をすすりながら雄斗が言うと、義姉は少し困った顔で頷く。
何か言いたそうな顔であるそれを雄斗は無視。義姉もそれ以上突っ込む気はないのか、表情を元に戻す。
そして清美は雄斗のお土産を見て、微苦笑する。
「【トラオム】のケーキね。……全く、最近になってますます愛理に甘くなってない?」
「叔父が姪を可愛がるは当然です。それに可愛がりたくなるような可愛さなのですからしょうがないです」
その愛理だがテーブルに置かれたケーキを見て「ケーキ、ケーキ」と弾んだ声で言いながらジャンプしている。可愛い。
「その分私や元気がこの子をしっかり躾けなければいけないのだけれど。元気も自分より雄斗になつく愛理を見て複雑そうな顔をしているわよ」
「ははは大丈夫ですよ。──愛理、愛理はパパ好きだよなー」
「うん、好きー。ゆうにいのつぎに好きー」
「……」
「……。うん、まぁ、子供ですから。大丈夫ですよ。しっかりと兄貴の愛情は伝わっているはずです」
圧を感じる笑顔のを向けてくる義姉から視線をそらす雄斗。と、その先には一冊の絵本がある。
先程まで愛理が読んでいたのか、開きっぱなしとなっている。大きくひらがなで書かれた文字を見て雄斗は少し目を細める。
内容は雄斗もよく知っている。子供のころ、亡き両親によく読んでもらっていた。子供向けに簡略化されているが、本の内容は歴史だ。要約するとこういう内容だ。
──まだ西暦と言う暦だった半世紀前の世界。科学文明が世界に表立ち、雄斗たち魔術師が歴史の影に隠れていたころに大きな戦争が起きた
──今雄斗たちのいる世界を含め、別次元に存在する【多元世界】全てに大量の【異形種】が出現し起きた【異形種大戦】
──全ての世界とそこに生まう神々は力が手を合わせ、大戦は終結
──そして全ての世界と人々は手を取り合い、全ての世界は平和になりました
「おしまい……」
誰にも聞こえないような声で雄斗は呟き、開いていた絵本を閉じる。事実とはかなり内容は違うが大筋は間違っていない。
そして元気に騒ぐ姪とケーキを用意している義姉に視線を向けた時だ、玄関のチャイム音が部屋に響く。
玄関に向かおうとする清美を制し、「見てきます」と言って雄斗は玄関に向かう。そして後ろからも愛理の元気に走る音が聞こえてくる。
「はい、どちらまですかー」
殺意も敵意も感じられなかったので無造作に引き戸を開ける。
そして大きく目を見開く。なぜならばそこには女神がいたからだ。
彫刻のように整った美貌。淡く輝く腰まで伸びた長い黄金の髪。包み込むような温かさを秘めた緑色の眼。直立する体はハッキリとした凹凸があり身体的調和も文句なしのスタイル抜群。特に胸元はパッと見てサイズEぐらいはある。
女神。絶世の美女と誰からも称されるであろうその姿はしかし、香り立つ色香と同時に清涼さ、親しみやすさも漂わせている。それはこちらへ向けている柔らかい微笑みによるものだろう。一目見た誰も安心させるような優しさと温かさがそこにはある。
だが雄斗は彼女を見て温かい気持ちには微塵もならなかった。何故なら目の前にいたのは先程【トラオム】の店主と話した【輝水の女神】その人だからだ。
「初めまして。【アルゴナウタエ】に所属するマリア・プリマヴェーラ・アナーヒターと申します。
鳴神雄斗さん。今日はあなたに話があって訪問しました。少しだけお時間、よろしいでしょうか?」
◆
「まずは謝罪を。一報も入れず突然訪問したことは申し訳ありません」
居間のソファーに腰を下ろしたマリアはそう言い、頭を下げる。
対面する彼女は金色の意匠が縫われた白のスーツを身にまとっている。そして左胸元には船と剣が交差する紋章──【アルゴナウタエ】のエンブレムがある。
「いえ、お気になさらず。話を通さず訪問したのは我が愚弟の人柄を聞いていたからでしょう?
これは【陰陽連】を始めとするさまざまな組織の上役と顔を会わせることを嫌っておりますから、先に話を通しますと何かと理由をつけて合うのを避けたがるのです。幾度も直せと申しているのですが……」
頭を下げるマリアへそう言うのは雄斗の隣に座る胴着姿の落ち着いた風貌の男性だ。
真面目な顔になった雄斗がそのまま大人になったような真摯な雰囲気の彼は鳴神元気。雄斗の兄であり鳴神流剣術道場主だ。
「それで、俺に話ってなんでしょうか。あいにく俺も何かと忙しいので、早く済ませてもらえないでしょうか」
「雄斗」
兄が咎めの声を発するが雄斗は態度を変えない。言葉遣いこそ問題はないがその顔に笑みはない。体からも客人に向けるべきではない空気を放っている。
彼女には悪いが【陰陽連】などの組織の上役が直接来た時、そのどれもが危険で厄介な話ばかりだった。中には断れないような話や、脅迫じみた話をする輩もいた。マリアがそのような話をするかどうかわからないが歓迎はできない。
「では率直に申しあげます。──鳴神雄斗さん、【アルゴナウタエ】に所属する気はありませんか」
「ない。欠片もありません」
全く間を置かず返事をする雄斗。これはさすがに予想外だったのか、マリアは緑色の瞳を丸くする。そして隣の元気が頭を抱えている。
「二年前の勧誘を受けた時も断ったはずです。それから全くの音沙汰なしだったのに、何故今になって勧誘しに来たのですか」
「前回の勧誘者はまだ年若いということもあって様子を見ることにしたそうです。そして二年もの間観察した結果、改めて今日勧誘に来ました」
「俺の剣が達人であることは認めますが【アルゴナウタエ】に所属できるほどとは微塵も思いません。
各神話世界──いえ多元世界の神々の末裔や後継者、あらゆる組織の未来の幹部候補たちのみで構成された【アルゴナウタエ】に所属してもせいぜい雑用係になるのが──」
「その年齢で【心眼】、そして【閃電の太刀】を修めた稀代の神童。そして当代の素戔嗚尊様と勝負し引き分けるほどの剣碗を持ちながら、ずいぶんと自分を過小評価していますね」
笑顔で言うマリアに雄斗は眉をしかめる。どうやらこちらの情報は全て網羅している様子だ。
半年前のことだ。多元世界の一つ、【高天原】と若手限定の武芸交流試合が行われた。雄斗はそれに参加し、当代の素戔嗚尊と剣を交えたのだ。
結果は相手がやや優勢の引き分け。さすが剣神、軍神と言う見事な剣技であり雄斗よりも上だった。もっとも勝てないと思うほどの差は感じなかったが。
「先日の【異形種】討伐も拝見させてもらいました。ランクC+の【異形種】を単独で撃破。疑似神具もなく、しかも無傷で。
あのような真似【アルゴナウタエ】の若手たちでも非常に難しい。神々と同等の武芸を持つというだけでも、あなたを【アルゴナウタエ】に迎えるには十分な理由になります」
「武芸というか剣技だけしか能がありませんよ俺は。知っているとは思いまずが魔術はさっぱりですから」
「一つでも優れた点があるのでしたら問題はありません。その使いどころはあなたが所属するであろう部隊の長が決めればいですし、ほかに未熟なところがあるのでしたら【アルゴナウタエ】で鍛え上げればいいだけです。
少なくとも強くなるという環境では【アルゴナウタエ】は数多の【多元世界】の組織の中でも最上位だと思いますし、あなたはわたしと同じ17歳。本格的に成長すれば、あなたの剣は大勢の人たちを、世界を守る力の一つにきっとなれます」
柔らかくも熱を帯びたマリアの声。普通ならその美声と込められた声の熱に血迷って頷いてしまうのだろうが──
「マリア・プリマヴェーラ・アナーヒター様」
「マリアで構いませんよ。敬語も公式の場ではありませんし結構です」
「マリア・プリマヴェーラ・アナーヒター様。俺の返答は変わりません。そしてその理由も二年前と同じです」
「……自分の家族を守りたい、ですか」
頷く雄斗。彼女の緑色の瞳を見据え、言う。
「あなたが言う通り俺は【心眼】と【閃電の太刀】を会得しています。まぁ自分で言うのもなんですが剣だけなら天才と言ってもいいでしょう。軍神と勝負して引き分けましたし。
ですが俺は俺の剣の使い方をもう決めています。俺はこの剣で家族を、そして手に届くであろう人たちを守れればそれでいんです。俺の剣が至高の領域にあるのは確かですが、それでもたかが一本の剣です。世界だの見知らぬ大勢を守るなんて大役は務まりはしませんよ。
そんな仕事は各世界の神々の名と力を受け継いだあなた達がやるべきことだ。剣しか取り柄のない俺のような小物がすべきことじゃない」
こちらの眼差しを真っ向から見つめるマリア。
だがこちらは一歩も引く気がないとわかったのか、顔を伏せる。
「……わかりました。お時間を取らせてしまい、申し訳ありませんでした」
笑顔を浮かべながらも落胆した様子を見せるマリア。憂い顔も少しばかり前言を撤回したくなるような美しさだが、雄斗は鉄の意志でそれをこらえる。
彼女を見送った後、隣に立つ兄がこちらに振り返る。
「雄斗」
「兄貴、悪いが用事があるんだ。話はまたあとでな」
「雄斗!」
呼び止める兄の声を無視して家を出ていく雄斗。早歩きから疾走に代わり、町中を移動すること十数分、町はずれの公園にたどり着く。
公園内にある遊具場や小さな湖を通り奥に進む。すると周りの桜の木々に比べひときわ大きく太い桜の巨木が綺麗な紅色の花を咲かせている。さながら臣下を従わせる王様のような巨木は樹齢数百年と言われており、この公園のメインスポットと言うべき存在だ。
その太い幹に背を預け、腰を下ろす雄斗。咲き誇る桜の花と、ゆらゆらと地面に向かって降りる花弁をしばし何も考えず眺める。
(人々を、世界を守る剣。そんなものになる気は、ないんだよ)
亡き両親はマリアが言うような世界や人々のために戦っていた立派な人だった。だが二人は十年前、傷ついた仲間を守るため強力な【異形種】と戦い、戦死した。
両親の志に文句を言う気は、今はない。だが二人がいなくなった後、自分や元気は苦労を強いられた。もちろん祖父や父の仲間や友人の支援はあったがそれでも補えない部分はあった。
未来は時折両親がいないことに泣き、雄斗は時折胸に沸いて出る両親がいない寂しさを剣を振るって紛らわしていた。兄は自分や妹を育てるため無理をして【陰陽連】にこき使われ、戦士として致命的な怪我を負い、壊れてしまった。剣技以外のあらゆる点で雄斗より格段に優れていたというのに。
(俺は親父や母さんみたいにならない。兄貴を、清美さんを、愛理を。そして未来と天空を守れればそれでいい)
誰に何を言われようと──たとえ兄たちに拒絶されようと、この思いを変えることはない。
未来や自分、兄のような目にあわせないために、大切な人がそばにいない孤独を味わせないために、兄たちに、家族に降りかかるあらゆる危機を切り払う。
雄斗の剣は、そのために使うと決めているのだから。