表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

31/38

タゴンムヨウ

【シャザイ】

忙しくて,気が付いたら一週間以上更新できませんでした。

すみません。

 ウズラとハチヨウは朝ごはんを食べた後のんびりと過ごしていた。


「ウズラー!!地図を作らなくていいってヤバいな!!ほぼやることないじゃん」


 調査は地図の作成,生体系の確認が第一段階,そのあと,街が作れそうなところで地盤の調査をするというものであった。

 一番大変なのが地図の作成なので,自動マッピングのおかげでほぼやることが無くなったのだ。


「これならブウラックとサンダもローテ組んで回してもいいかもな...ずっと夜ってのもつらいだろ」


「そうだな...」


 こんな会話をしながら,島を突き進んだ。






 島の外周を行くウズラ一行...


「おい,ウズラ...あれ良くないか?」


 開けた平坦な土地が見えた。


「川もあるし...川...サーチ!!なんだ...竜じゃないのか...」


「そんな簡単に竜がいてたまるか!!」


「最初の川,竜だったんですけど...」


「竜だったんですけどー!!」"パタパタ"


 何故かイヨちゃんが羽ばたきだした。




「いったん降りるか!!」


 住めそうなところを見つけたウズラは広い草原に降りたった。


「ウズラ,ちょうどいい時間だし,お昼ごはんにしようぜ」


「いいね」


「ごはんごはん~」"パタパタ"


「イヨちゃん,昨日食べたばっかりじゃない...食べるの」


「イヨちゃんも食べるのーーー!!」


 竜は魔力を食べる。

 昨日で三カ月分は与えたはずだが,イヨちゃんは今日も食べると言い張り...


 "バシャ"


 ウズラはびしょ濡れになった。




 そんなことをしていたら


「ウズラの旦那」


 絨毯(じゅうたん)の中からブウラックが出てきた。

 ブウラックはびしょ濡れなことに驚いていた。


「旦那,なんでびしょ濡れなんだ?」


「もちろんイヨちゃんのせいでだよ...」


「イヨちゃんだよーーー!!」"パタパタパタ"


 俺は怒ってるのにイヨちゃんは楽しそうだ...

 まぁ楽しそうならいいか...


「ところでハチヨウどうしたんだ?」


「いや,アサリが起きたんだけど」


「そうか。良かった良かった」


「それが...」


 アサリが起きたというのにブウラックの顔色は優れなかった。


「どうかしたのか?」


 何か起こってるんだろうなと思いつつ質問をしたら...


記憶喪失(きおくそうしつ)になってるんだ...」


「「記憶喪失!!?」」


 予想以上のことが起こっていて,ウズラとハチヨウは少しフリーズしてしまった。






 絨毯の中,アサリの部屋にて...


「あなたは誰ですか?」


「アサリ,俺が分からないのか?」


 どうやらアサリは仲間の顔も名前も忘れてしまったようだ。


「というか何で全身びしょ濡れなの?」


 しかも,イヨちゃんのせいでびしょ濡れなウズラに困惑している。


「イヨちゃんだよーーー!!!」"パタパタパタ"


「竜!!?」


 アサリはイヨちゃんのことも忘れてしまっているため,竜がいることにも大変驚いている。


「竜じゃなくてイヨちゃん!!」"パタパタパタ"


「イヨちゃんはちょっと黙っとこうな」


 そういってハチヨウがイヨちゃんを連れて,部屋の外に出た。

 話がややこしくなりそうだったので,これはハチヨウのナイスプレーである。


「今の竜は???」


「あの竜はアサリ,お前と契約しているんだぞ」


「えっ!!!私,竜と契約しているんですか!!!」


 契約まで忘れるのは重症である。


「...マジか...ブウラック,サンダ,アサリはずっとこの状態か?」


「あぁ...」

「そうですそうです...」


「はぁ...使うか...アサリ,今からお前の記憶を戻そうと思う」


「記憶を戻す?その前にあなたは誰で,私との関係性を教えてください!!」


「俺はウズラ。お前は俺の大切な...」"ドバドバ"


 ウズラは虹色の液体をアサリに掛けた。




「急に何をするんですか,領主殿!!あれ??記憶が!!え???」


 虹色の液体をかけた瞬間,アサリの記憶は戻ったのである。


「だ...旦那,今のは...」


「エリクサーですです!!初めて見たです見たです!!」


「あんまり,使いたくないんだけどな...作るの大変だし...」


「エリクサーを!!!」


「アサリ嬢のリアクションですね」

「元のアサリですです」


 ブウラックとサンダが冷静にアサリを観察をしていると...


「イヨちゃんを忘れたなんて許さないーーー!!!」


 イヨちゃんが戻ってきた。


「あっ!!イヨちゃん!!」


「契約破...イヨちゃんのこと,分かるの?」"ウルウル"


 忘れられたことが悲しかったのか,思い出されたのが嬉しかったからなのか,イヨちゃんの瞳はキラキラと光出していた。


「もちろんだよ,イヨちゃん」


「ようやく思い出したか...小娘...イヨちゃんのことを忘れるなんて...」"ぐちぐちぐち"


「ごめんね,イヨちゃん」


「ごめんで済むなら,警察はいらないわ!!小娘!!」"バタバタバタ"


 イヨちゃんは部屋を飛び出していった。

 騒がしいやつだ...




「ところでウズラよ...」


「なんだ,ハチヨウ」


「エリクサーをそんなに簡単に使うなよ。前につかったときは貴族とか,豪商が凄かったんだから...お前らもウズラがエリクサーを持ってるのは他言無用な」


「旦那!!エリクサーをいくつも持ってるんですか?」


「そんなに使えるんですか?領主殿」


「そんなわけないだろ...一時期,世界樹の栽培にハマってて,在庫が1000本くらいあるってだけだ」


「領主殿,エリクサー1000本って!!!!」


「旦那,世界樹の育成を成功させたんですか!!!!」


「ヤバいですヤバいです」


 ハチヨウ以外の三人が口を大きく開けて驚いている。

 リアクションが大変大きい。


「その昔,俺が死にそうになったとき,ウズラがエリクサーを使って...それを見ていた人が噂を広めて,終いには皇族まで動きだすって大事件があったんだから」


「旦那ってどのエピソードも強すぎじゃないですか?」

「自伝でも出したらいいですいいです」

「もう驚き疲れました...」


 三人のリアクションが薄くなった。


「しかも,当時,ウズラが一本しか持っていなかったって嘘ついたから,エリクサーを使われた俺は逆恨みにあって,酷い目にあったし...」


「ハチヨウ殿,それって私も貴族に目を付けられるってことじゃ!!!」


 アサリがちょっと慌てている。


「だから俺たちは黙ってないといけないってことだ。毒沼の中には俺たちしかいないからな。まぁ,なんにせよ,アサリの記憶が戻ってよかったよ。さぁ,昼飯にしよう!!ウズラ!!!」


 みんなをまとめてくれる姿にハチヨウは仲間の中でお兄さん的立場なのかもしれないなとウズラは思った。


「あと,ウズラ!!食べちゃいけないものは食べちゃいけないってちゃんと注意しろよ」


 前言撤回(ぜんげんてっかい)

 ハチヨウはまとめているように見えて,楽しんでいるだけだ...

 ハチヨウは意見をするという形をとって,アサリを揶揄(からか)っているだけだった。


「ハチヨウ殿!!」


「竜の餌を食べる人が現れるかもしれないしな...」

「危険です危険です」


 サンダとブウラックまでハチヨウに追随した。


「ブウラック殿とサンダ殿まで!!」


「じゃあ,俺らは外に行くから」


 ハチヨウが部屋を出ていき,それに従うようにサンダとブウラックも部屋を出ていく。

 逃げるんなら揶揄(からか)わなければいいのに...

 ハチヨウはお兄さん的立場にあるのではなく,悪戯(いたずら)好きの末っ子タイプなんだなぁと思ったウズラであった。


「逃げるな!!もぅ...」


「ははははは」


「領主殿も笑わないでください!!」


「ごめんごめん」


 俺は可笑しくて笑ってしまい,アサリに(にら)まれた...

 こういうときのアサリは怖いから,俺は話題を()らした。


「アサリはお昼ご飯何がいい?」


「話を逸らさないでください!!」


 すぐバレた...


「ところで領主殿,私にエリクサーを使ったときに,「お前は俺の大切な」って行ってくれましたけど,そのあと何て言おうとしていたんですか...」


 急にアサリがそんなことを言い出した。


「もしかして,こ...こい...」


「そんなの大切な仲間に決まってんだろ」


「そこは恋人って言ってくれてもいいじゃないですか!!」


「はいはい,恋人です」




 アサリが黙ってしまった。

 恥ずかしがるなら求めなければいいのに...


「昼飯にするから,外にこいよ」


 なにかこちらまで気恥ずかしいなと思ったウズラは部屋から離脱した。






 外にて...


「お熱いことで」


「ハチヨウ...聞いてたのか」


「えっ?何かあったんですか?()()()()


 どうやらハチヨウに鎌をかけられたようだ。

 しかも()()()()とか言って(あお)ってきた。

 悪戯(いたずら)好きすぎる...


「何があったんだい?()()()()??」


 こういうときのハチヨウはネチっこく,本当にムカつくので...


「ハチヨウはキムチご飯な!!」


「ちょ...キムチはやめてくれーーー!!」


 ウズラはハチヨウが大嫌いなキムチで対抗した。




「俺は辛いのが苦手なんだよーーー!!!」

【オネガイ】

よろしければ「ブックマーク」や広告の下にある「評価」を押していただけると幸いです。

また,感想等もお待ちしております。感想を頂けると大変うれしいです。


【カンシャ】

皆様,お読みいただきありがとうございます。

これからも毒沼をよろしくお願いします。


【オイワイ】

今日は成人の日ですね。

二十歳の方,おめでとうございます。

大人の仲間入りですが,気張らずに行きましょう!!

飲みすぎにはご注意を!!

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ