カクレテイタダケデ
咆哮が消された。
その事実を水竜は冷静に受け止め,獲物であったウズラを敵と認定した。
「ぐぁあ!!!」
無差別な咆哮とは違い,明確な殺意を持って激しい水流がウズラを襲う。
その激流を結界で防ぐ。
何回も水流を放ってくるが止まる気配がない。
さすがは竜である。
「魔力を奪っても大量の水は脅威だもんな...」
避けるわけにはいかない。
後ろには部下がいるのだ。
「ん...」
後ろを見るとハチヨウが手を振っていた。
「ハチヨウがいればこんな攻撃は何とでもなるか」
そう思い,ウズラは水竜の攻撃を避けた。
「竜の魔法を何回も受け止める結界って...さすがウズラだな」
「普通,一発でもきついですよ」
「さすですさすです」
「てかウズラのやつ,俺らが後ろにいるから避けられないんだよな...この絨毯を上に上げられればいいんだが...」
そう思い,ハチヨウはウズラに絨毯を上げてくれと合図を出した。
その直後,激しい水流が襲ってきた。
「なに避けてんのーーー!!!」
そう言いながらもハチヨウは刀を抜き,斬撃を放つ。
斬撃と水流がぶつかり大爆発を起こした。
大爆発によってハチヨウ達はかなり吹き飛ばされた。
しかし,そのおかげでウズラと水竜の戦闘域から外れたのだった。
「だれも絨毯から落ちてないか...」
「落ちてないです,ハチヨウの兄貴」
「無事です無事です」
「きゅぴー...」
「ブウラック,よくアサリを捕まえとってくれた。ってかウズラのやつ何考えてんだ!!!こっちには結界を使える奴がいないってわかってんだろあいつは!!!」
ウズラが水竜の攻撃を避けたことに激怒したハチヨウだった。
「ハチヨウの兄貴,さすがです。水竜の攻撃が来たときは終わったと思いました」
「さすですさすです」
「竜の一撃を防いだだけでなにを言ってんだ,お前ら...」
「「は?」」
ウズラのヤバさが目立って,隠れていただけで,ハチヨウも十分化け物であると思ったブウラックとサンダであった。
【オネガイ】
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【カンシャ】
第二十二話をお読みいただきありがとうございました。
これからも毒沼をよろしくお願いします。