モシドクジマダッタラ
「領主殿,ところで地面は毒に侵されてないんですか?」
「今のところはな...サーチで地面の中をチェックしたときもそんな様子はなかったぞ」
「毒沼の中の島がもし毒島だったらさすがのウズラでもどうにもできなかっただろうからなーーー!!よかったよかった!!」
「ハチヨウ,確かに毒島を住める土地に変えるのはキツイけど,なんとでもなると思うぞ。最悪,聖水ばら撒きもいいと思うし...」
「そ...そうか。もはやウズラに住めない場所はないんだな...」
「さすがに宇宙は厳しいと思うぞ」
「...そ...そうか......」
予想外の返答にハチヨウは空いた口が塞がらなくなってしまった。
そんなハチヨウを気にもせず、アサリは自分の疑問をウズラにぶつけた。
「ところで領主殿,聖水ってそんなに大量に手に入りませんよね?帝都の教会ですごい値段で売られてますよ」
「あぁ,あんな紛い物の聖水じゃなくて,ちゃんとした聖水を聖竜から貰ってるから大丈夫だぞ」
「なるほど...聖竜から...」
「「聖竜!!!!」」
アサリとハチヨウが大声を上げた。
今度は二人で口を大きく開けている。
「うるさいですうるさいです」
とともにサンダが寝言を言いながら苦無を投げてきた。
"パシッ"
それをウズラは掴んだ。
「アサリはともかく,ハチヨウ...お前は避けろよ...」
二人は棒立ちして動かず,苦無が当たりそうになった。
「領主殿,いつ聖竜にあったんですか?」
「ウズラ,お前いつ聖竜なんかと知り合ったんだよ!!」
「あぁ,あれは植物がすぐ枯れてしまう不毛の大地を開拓したときだな...」
こうして,二人に聖竜と出会ったときの話をすることとなった。
「ウズラって本当にヤバい奴なんだな...ちょっと認識を改めとこ...」
「聖竜に同情します...」
「お前ら,てかアサリ何で泣いてるんだよ...」
心外だと思いつつ,土地の調査をしっかり進めていくウズラであった。