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81 断罪

 メシャ、バギャ、ボギギ、、、

 額を貫かれ、抵抗する力を失ったシュルマイアーの体が、幹宏の大剣の前に破壊されていく、、、


「ダァラァアアアア!!!」

 幹宏が最後に大樹の様な剣を斜め上に振り上げると、手足があらぬ方向へ曲がり、紐の切れたマリオネットのようになったシュルマイアーの肉体が魔槍と共に飛んでいった。意思を失った肉体は、何度も地面に叩きつけられて弾み、その度に鎧の破片や帯刀していた剣をばら撒きながら飛んでいき、最後にゴロゴロと地面を転がって止まった。



「はぁーーーーっ、はぁーーーーっ!

 ごボッ、ゴボボ、、、

 アドリアさん、メイリさん、ルイーセ、ドロシー、、、

 うぐっ、、

 仇は、、とったぞ、、」

 そう言って幹宏はえぐられた脇腹を右手で押さえ、血を吐きながら前へと倒れこむ。


 大樹の様な剣は幹宏の手を離れると、その枝のように生えた刃が消え去り、元の人の背丈ほどの剣に戻った。



◇◆◇◆◇


「ば、ばかな!!」

「シュルマイアー殿下が敗れただと!!!」

 サウザーラ軍に動揺が走る。



「で、殿下ぁ! おのれぇ! 行くぞ! あいつを生かしておくな!!」

「「「「「ウォォォオオオオオ!!!」」」」」

 シュルマイアーの親衛隊100騎が赤い髪の騎士を先頭にサウザーラ軍の陣を飛び出して行く!

 それとは別に、老騎士が2騎を引き連れて、吹き飛ばされたシュルマイアーの体の元へと走っていった。



 ドガガガガガガ、、


 倒れた幹宏へ向けて土煙を上げ、まっすぐに突撃する騎馬の一団、

 だがその騎士団の進路を妨げるように、空からサッと舞い降りる影があった!

 青く輝く龍鱗で覆われた剣スコを右手に持ち、白く輝く毛皮の袴を風になびかせ、金の象嵌が所々に入った漆黒の鎧を着た男

 その男はさらに『通せんぼ』をするように、赤を基調とした極彩色の翼を横に大きく開く!


「!! 踏み潰せ!」

「「「ウォオオオオ!!」」」


◇◆◇◆◇


 幹宏がシュルマイアーを倒した途端にこいつら飛び出して来やがった。

 まあ俺も次鋒戦では乱入したが、、

 お前らなんかに幹宏はやらせんよ!

 朱雀の翼で飛び上がり、倒れた幹宏と突撃してくる騎馬たちの間に降り立つ!


 赤い髪の騎士を先頭に突撃してくる騎馬兵にスコップを向ける。そして右側から地面の表面を削るようにスナップを利かせてヒュルッと回す!


「は?」「え?」

 一瞬で幅20m、長さ100mほどの土地が薄く削り取られてチューブ状に回転し、その上を走っていた騎馬隊ごと天地が逆さまになった!


 空中を逆さまになって走る騎馬達は、足元にある10cm程しかない草の生えた地面を蹴ろうとして蹄で突き破り、地面を蹴った感触がいきなり消えたことに戸惑いながら空中をもがくような動きで背中の騎士を下にして落ちて行く!!


 ドガガガシャァァァアアアア!!!

 ボギ、ゴキン、パキャ、メシャ、


 突撃速度のまま逆さまになって落ち、凄まじい衝突音の中で、騎馬と地面にすり潰される100名の兵達のなにかが折れる音、潰れる音が聞こえた。

「う、、」「あ、、、が、、」「な、にが?」


「ぐ、、あ、貴様かぁ!!!」

 先頭にいた赤毛の騎士が立ち上がり、剣を抜いて切りかかってくる!

 先頭にいたせいか、こいつだけ集団の中で押しつぶされず、落馬しただけのようだ。


「うぉぉおお!!」

 ガギン!!

 俺は赤毛の騎士が斜めに斬りつけてきた剣を、左手で受け止めた。


「なっ! 俺の剣を素手で! 貴様何者だ!」

 ふむ、確かに高そうな剣だ、、

「タロウタナカ、ラフェリアの主人だよ」

「っ! 貴様が!」

「質問に答えたんだ。次はこっちの質問に答えろ」

「何だ!」


「メイリさんを立ったまま串刺しにした騎馬隊はお前たちか?」

 目一杯威圧をかけて質問をした。


「あ、、ど、奴隷を、逃げる奴隷を処刑してなにが悪い!!」


 ザグッ


 右手に握ったスコップの剣先で赤毛の騎士のみぞおちを突き刺す。分厚い鎧は貫かれクッキーのように割れていた。


「あ、が、」

「ああ、悪いかどうかとか、問答はする気はさらさら無いんだ。犯人なのか知りたかっただけなんだ」

 そう言って、スコップに気を込める。


 パリッ、バリバリッ!

「あ、ば、がががっ!」


 剣スコが雷を帯び、騎士の体がビクビクと痙攣する。


「素直に答えてくれてありがとう。じゃあ、」


 ギュオンギュオンギュオンギュオン!


 剣スコに溜まっていくエネルギーを直接受けている騎士の体からは、いたるところから煙が立ち、口からは吹きこぼれた鍋のように泡を吐き出し始めた。


「死ね」


 ドウッ!!


 一瞬、スコップとそれを握る右手の周りに青い龍の顔が現れたように見えた。スコップから放たれた青白い光線は、倒れている騎馬隊を一瞬にして眩い光の筒で包みこむ!


 光が消え、目が慣れると、、そこに先ほどまでいた100騎は消え去り、数百メートル先まで半円状にえぐれた地面には、所々に焼け焦げた鎧の部品や溶けた何かが落ちていた。



お読みいただきありがとうございます。

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よろしければこちらもどぞ  すっぴん召喚のヤマナさん
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