50 俺がドリル
50話目! 皆さんのお陰でなんとか続きました!
<ゴァァァアアアアーー!!>
丸みのある巨大な砂の塊から、メリハリのついたシャープな体となり、数十メートルの長さの首をぐるりと振り回しながら獣のように吠え猛るデザートドラゴン!
「でぇりゃぁぁあ!」
吠え終わりを待つまでもなく、空を蹴り突撃! スコップを構えて青い光の刃で首の根元に斬りつける!
ギャリリリン!!
硬い!!
光の刃が明らかに密度の上がった砂の鱗の表面を削りながら滑って行く!
鱗に斬りつけ速度の落ちた所を、デザートドラゴンが素早くバックステップ! 電柱程の長さの、四本の爪が凄まじい風切り音と共に横から襲いかかってきた!
「くっ!!」
凄まじい速さで襲い来る、巨大な爪と爪の間をギリギリですり抜ける! 腰ミノからラワ草がいくらかちぎれ飛ぶ!
「げ、」
くぐり抜けたあと前を見ると、もう片方の腕の爪がすかさず襲いかかってきていた! 連撃かよ! 今度はすり抜ける隙間がねぇ!
「『安全靴!』」
とっさに安全靴のスキルを目一杯発動!
ゴンッ!
ガボン!!
いってぇ!!
デザートドラゴンの爪と衝突し、ピンボールのように斜め下に撃ち落とされて地面にめり込んだ!
ドゴン! ドゴゴゴゴゴゴ!!
ぐぉ、、地面にめり込んだ俺の上から後ろ足で踏みつけ、そのあとひたすらストンピングをかますデザートドラゴン!
ドゴゴゴゴゴゴゴゴゴ!!
「ぬぐぐぐぐ、、」
ゴゴン! ゴン!
「こんのぉ!! 調子にのんなぁ!!」
ストンピングの間隔が落ちた所を狙い、スコップを上に構えて地面の中から垂直に飛び上がる!!
<ギギャァァアアア!!>
左足の甲を下から貫かれたデザートドラゴンが叫び声を上げる。デザートドラゴンの頭上へと飛び上がると、ボロボロになって転がって行く神田君と尾崎君の姿が見えた。よく見ると、尾崎君は黒いマントを球形にして、誰かを抱えて転がっている。
「神田君! 尾崎君!」
「タロー君! 良かった! 無事だったか!」
「田中君はやっぱりこの程度ではやられませんよねえ」
「いや、でも助かった。あいつのストンピングが緩んだのは神田君達が気を引いてくれたんだんだね」
「いや、それは勇者ユミが、、」
見ると、尾崎君はマントと両手で柳田を抱えていた。装備は大半が吹き飛んで、ぐったりとしている、、気を失っているようだ。
そうか、柳田が、、
「ありがとうな、柳田、、」
ズガガガァン!!
突如、デザートドラゴンの背中で爆破が起こる。
「照夫達の援護射撃だ」
「そっか、みんな、、、」
こちらに向かおうとしていたデザートドラゴンは後ろを振り返り、口笛を吹くように口をすぼめて何かを吐き出す!
吹き飛ぶ大地、あっという間に地面に直径十メートルほどの大穴が空く!
「っ!」
「ブレスですか!」
「大丈夫だ、あいつら撃ったら全力ですぐに移動しているはずだよ、そういう作戦になってる」
神田君が教えてくれたので少し安堵する。
みんな死力を尽くしてんだ、、
出し惜しみ、、
してらんねーな、、
「『ハツリ』発動!!」
ヒュルルルル、ドバン!! ドッドッドッドッドドドドドドドド!!!
「うぐっ!!」
俺の体の中に、破裂するような勢いでエネルギーが満ちて行く! 青龍様から力を授かった状態で『ハツリ』を使うのは初めてだ。気を抜くと体の内側から暴発しそうな程の力を力ずくで抑え込む。
視界の隅に60秒のカウントダウンが始まった。
−57
「タ、タロー君、その力は、、、」
「…ぐっ、、神田君、本気で行ぐがら、、巻ぎ込まれないよう気をづげで、、」
ドンッ!! と空を蹴りデザートドラゴンへ突っ込む!!
早く放出しないと、体が破裂しそうだ!
空を駆けながら体勢を入れ替え、つま先を向けると俺の足先がスコップ同様、青白い炎を吹き出した!
「喰らえ! 削岩脚!!」
−45
雷をまとい、青白い光の尾を引きながら飛んで行く数本の杭!
ドバババガァァァアアン!!
<ギャガァァアアアアア!!>
デザートドラゴンの肩口より入った光の杭は、肩から体内に入り左腕を粉砕して吹き飛ばす!!
たまらず悲鳴をあげるデザートドラゴン! そして耐えきれずつんのめるように前に倒れる。左へと倒れ込んだ状態から首をあげ、空に向かって口を大きく開く! 喉の奥に赤黒い光が見えたかと思ったら、、
さっきのブレスか! 口を広げているからか範囲が広い!!
−41
「でやぁぁあああ!」
空中で逆さまになり、『安全帯』で体を固定、スコップを真下に構えて気力を振り絞る!
勝負だコンニャロ!
「うぉぉぉおお!」
力の奔流の中を、スコップの先端で切り開く! ブレスの中に閉じ込められ照らされて熱い! 一瞬が何分にも何時間にも感じられる!
やがて、ブレスは弱まり、、
「だぁりゃぁぁあああ!!」
下へと蹴り出しブレスを突き抜ける!!
−37
「『ドリル』セット!!」
スコップを先頭に、青い光をまとって螺旋を描きながら突撃!
くらえ!! 俺のドリル!
いや! 俺がドリル!!
デザートドラゴンの右肩から入った特大のドリルは、胸と胴体を吹き飛ばした。
−32
ズゥゥゥウン、、
デザートドラゴンの首が支えきれず、地面へと倒れた。頭と首と、崩れかけた左腕だけになったデザートドラゴンは、わずかに頭をうごかす。
そして最後に、左右に大きく口を開いたかと思うと、、
<ゴバァッ!!>
赤黒い光を地面に沿って吐き出して崩れ去った、、
マズイ! そっちは!
ブレスを防ごうと空中を走るが間に合わない!
「雫!!!」
後方にいた勇者たちを広範囲で襲う赤黒い光! その中には雫もいる!
集団の先頭に構えて立つ黒いメイド服、間違いない、雫だ!
雫が両手を体の前でクルクルっとまわすと、、
「は?」
雫の数メートル手前に透明な金色の壁が現れ、それに当たったブレスが霧散した、それも幅百メートル程もあったのが全部、、
「さ、さすが雫、俺の嫁、、」
廻し受け、最強説!
お読みいただきありがとうございます。




