41 勇者諸君
前回のエオリア騎士団入団試験問題、解答例
問題1
「クアワセドゥルファトジィフジコエルピー!!」
問題2
「キサマ モウユルサン!!」
「ふわぁぁあああ、疲れた、、」
咲夜さん達をエオリアまで送った後、城に帰った頃にはもうすぐ夜が開けようとしていた。
「お帰りなさい、太郎さん」
「ただいまぁ、起きてたの? 雫」
この呼び方、春野さんから言い出して来たんだけど、、2人でいる時に『春野さん』とか『雫さん』とか呼ぶと、
「つーん」
とか言って、言い直すまで答えてくれなくなるのだ。そのくせ、俺の事は『太郎さん』とさん付けで呼んでくる。
なんか納得いかん、、、
「由美ちゃんたち大丈夫だった?」
「うーん、あんまり大丈夫じゃなかったよ」
「え?」
「スタンピードの親玉みたいのが出て来て、照夫がやられた。だから『救命』のスキルで生き返らせて来たよ」
「そう、、良かった、、」
「それでその親玉だけど倒しきれんかった。というかむしろボコられた」
「え? 太郎さんでも倒せないって、、」
「デザートドラゴンってランクEXの魔獣さ、ほっとくとエオリアは壊滅するな」
「そんな、、」
「エオリアの次はうちに来るかもしれない、だから倒すさ、倒し方は起きてから考える。お昼になったら起こして。おやすみ、雫」
「お疲れ様、、おやすみなさい、太郎さん」
◇◆◇◆◇
スタンピードから人々を守り通してその避難を助け、王都エオリアへと帰還したオーリ8世は『愚鈍なる王』から一転『英雄王』として民衆から迎えられた。しかし、玉座に座った彼の顔は暗かった。
「今の話は確かなのだな、、アリシアよ」
「はい、、お父様」
「タロウ殿とシズク殿にこのような事をしておいて口頭での謝罪で許してもらおうなどと、、ワシは今ほど自分の発した言葉を取り戻したいと思ったことはないぞ、、」
「申し訳ありません、お父様」
玉座の前で伏して謝るアリシア。
「タロウ殿との和解は何としても成し遂げなければならぬ、だが、今はドラゴンの対策が先じゃ。
カレン殿、サクヤ殿、勇者の方々はタロウ殿のように戦えるのか?」
「タローとおんなじように? それ無理無理、王様も見たでしょ? タローとドラゴンの常識外れの戦い」
「私達ではあのドラゴンの相手は、、
一撃当たっただけでも即死な上に回避も難しいです。雨あられと降り注ぐあの攻撃を避ける事が出来るのは田中君か、、あるいは、、」
そう言って神田俊介の方を見る咲夜、
「僕のスキルか、」
「でも、、神田君一人ではどうにもならないと思う、勇者全員が神田君をバックアップするような形なら、、それこそ囮になるとか、、」
「だめだ、バックアップはともかく、みんなを囮にして死なせながらなんて戦い方は出来ない。だったら僕が囮になる。攻撃は、、ユミ、タク、頼めるか?」
「いいよシュン、私がタクと組むってことはあの手だね」
「しょうがないですねぇ、、さっきの話は腹立たしい事この上ないのですが、」
「報告します!」
そこへ王軍の伝令が駆け込んでくる。
「デザートドラゴンは、、まっすぐこのエオリアを目指して歩いております!!
歩みは遅く、到着は明後日の昼頃になると予測されます!」
「何だと!」
「お、お父様、、」
「ランクEXであの巨体と圧倒的な攻撃力、、エオリアは、、壊滅する、、」
「そ、そんな、、」
「エオリアから避難するにしても行く先がない、、それに今から民を避難させるにしても、王都から出る時間すらない!」
「やるしかないって事だな」
「シュン様!!」
「勇者諸君!! 俺たちの存在意義を思い出せ! 準備をしろ、4時間後に出発する!」
「「「「オウッ!!」」」」
「照夫、もう体は大丈夫か? お前は残ってもいいんだぞ」
「おいおい、確かにあのドラゴンとまた会うのは嫌だけどな、俺は咲夜と一緒に戦えない方が嫌だ」
「照夫、、」
「ずっと聞こえていた、咲夜が俺を呼んでくれているのが、、だから帰ってこれたんだと思う
咲夜、ありがとう」
「ううん、照夫も守ってくれてありがとう」
そう言って寄り添う二人、そこへ
「生き帰ったのは太郎のスキルじゃ、、」
スパーン! 花蓮がすかさずジャンプして幹宏の頭を平手で叩く!
「いいムードに水を指すような事言うんじゃない!」
そう言って幹宏の耳を引っ張って二人から離す。
「あだだ! ちょ、花蓮! 耳引っ張んなよ! あだだだ!」
4時間後、王都エオリアの中心にある王城の正門前広場には多くの群衆が集まっていた。一段高くなった台の上に、オーリ8世が姿を現わすと、民衆達は口々に自分達の王を称え始める。
「「「オーリ8世陛下バンザーイ!!」」」
「「英雄王バンザーイ!」」
「我がエオリアの民よ!」
王が口を開く。その声は数カ所に配置された拡声の魔道具で王都中に響き渡る。
「まずはこのエオリアへ皆が避難出来たこと嬉しく思っておる。だが、今新たな脅威が迫っておる! それはスタンピードの元凶たる魔獣の出現、そしてその魔獣がここエオリアへ迫っているということじゃ!」
新しい脅威を知らされ、ざわめく民衆。
「だが安心せよ! それを迎え撃つは、、真なる英雄、ここに居る26名の勇者達だ!!」
ザッザッ、と靴音を立てて壇上に上がる26名の勇者達
「やべえ、ちょー緊張して来た、、」
「しっ、幹宏君、私語はまずいよ、」
「『聖剣の勇者』シュンよ!」
「はっ!!」
「アリシアと共に勇者を率いて出陣し、魔獣『デザートドラゴン』を討伐せよ!!」
「ははっ!!」
神田俊介はオーリ8世へ一礼した後、民衆へ向かって聖剣を高く掲げた。聖剣『エターナルブレシンガー』の周りに色とりどりの光が渦を巻いて集まってきたかと思うと、その刀身からまばゆい7色の光が辺りに放たれる!
「王命により、魔獣、デザートドラゴンを討つ!! 勇者諸君! 我に続け!」
「「「オウッ!!」」」
「「勇者様ー!」」「シュン様〜!」「勝ってくだせぇ」「勇者バンザーイ!」
こうしてエオリア王国の誇る勇者26名が民衆の声援を背に、デザートドラゴンを討伐すべく出陣していった。
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