40 Noと言えるのは大事なことです
「スキル『ハツリ』発動!!(3回目)」
デザートドラゴンの上まで来た俺は、奴と熾烈な空対地戦闘を行っていた。
「この! 『削岩脚』!!」
ヒュドドドドドドドオ!!
俺が削岩脚で赤い鉄杭を雨あられと降らせれば、
<グゥォォォーーム! グゥォーム!>
ヒュババババババババババ!!
デザートドラゴンの背中に次々と砂岩のトゲが作られ高射砲のように打ち返してくる!
アチっ! 何発か、かすった! 『安全靴』で守っていても、皮膚が赤くなる! HPも一発につき数十ずつ減ってる!
直撃すると流石にやばいぞ!!
空中をジグザグに飛びながら避ける!
あ、この野郎! 俺の進行方向を弾幕で埋め尽くしやがった! 予測射撃まで入れ始めてる!
「『削岩脚』!!」
ヒュドドドドドドドオ!!
<グゥォーム!>
くそ、まただ! 最初効いているかと思ったが、鉄杭は砂の体を貫通して地面に穴を開けているだけだ! ダメージを与えた感はないが、その間だけ奴の攻撃が止む分には助かっている。
そりゃ削岩機で砂を突いても意味はないか。
次々に打ち上げられる砂岩のトゲの弾幕をかわしながら懐に入り込む!
「うらぁ!! ハンマーブルォオオ!!」
目一杯力を込めた拳でデザートドラゴンの横っ腹をぶん殴る! 砂岩で出来た鱗を叩き割り、奴の体内に衝撃波が通る!
ドバァァァアアア!!
デザートドラゴンの体の反対側から爆発したように砂が飛び散った!
よし! やっ、、
「げ、、」
殴った横から首が生えてきて目が合い背筋がゾクリとした、、
砂でできた亀の顔のような顔に奥の見えない暗い空洞が2つ、その中に浮かぶ赤い瞳が
『この虫けら絶対殺す!!』
と語っていた。
首の周りに砂が集まり、渦を巻いて長い円錐を形どって8本の特大の槍が形成された!! その槍に込められたエネルギー、こいつぁやばい!!
だぁぁぁああ! 離脱! 離脱!
ドンッ!
撃ちやがった!
空中を駆け上がって走る、そこで横っ飛び!
え? ウソ、、追尾してきやがる!!
だぁぁぁああ! 空中大回転ループ!!
ジェットコースターのダブルループのように走る、が、着いてきやがる!!
しつけぇっ!!
急降下! 地面スレスレで、、横になって目一杯かべをけるようにして方向転換!
ズガァガァーン!!
うお! なんつー威力だ!
でも助かっ、、てねぇーー!
まだ5、6発追いかけてくる!!!
俺より小回りが効かないため、鋭角に回るとコーナーをオーバーしたように膨れて離れるが、また俺を目標に定めて突っ込んでくる!!
鋭角にかわしながら、奴の進行方向とは逆の東へ、東へと逃げる!
ズン、ズン、と追いかけてくるデザートドラゴン、くそ、俺が死ぬのを見届けるつもりか!!
空中を、地上を、走り、かわしつづける!
「ん? あの岩山、、」
岩山の陰に入る、ここなら!
「『ネコ』!! 頼む!」
追いかけてくる砂岩の槍の前に、スコップから次々と巨大な岩を出す!!
ズガン! ズガガァーン! ズガァーン!!
危ねぇ、、ありったけ出しておいて良かった、、砕かれた岩は盾にならず、次弾が次々と貫通してきた、、
辺りにはいくつもクレーターができており、爆発の凄まじさを物語っている。
ズン、ズン、ズン、
デザートドラゴンが岩山の反対までわざわざ回ってきた。着弾の跡を確認しにきたのだろう。鈍重なくせにご苦労なこった。
<グゥフォォーン!>
野郎、殺ったと思って笑ってやがるな、、、チキショウ、、
デザートドラゴンは爆発の跡を確認したのち、その場にうずくまって砂の山になり、再び眠りについた。
現状で対応策のない俺は、撤収することにした。
◇◆◇◆◇
「いやー、まいった、まいった、何やっても効かねー、
っておいおい、撤退しろって言ったろが」
戻ってきたら、花蓮達も王様もみんな残っていた。
「え、いや、、太郎君が戦っているのに逃げるわけには」
「まぁ、本音は、タローが本気で戦っているところ見たかったんだよねー、みんな」
「ああ、、田中君と私達ではこれほど次元が違うとは、、」
「すげーぜ、どうやったらあんな戦いが出来るようになるんだ? 太郎」
「お、ま、えに、だけは教えられんな、幹宏」
「そんなぁ」
「そうだね、バカ幹宏に機動力着いたら、迷惑度合いが跳ね上がるからね」
「タロウ殿、我が国のご無礼、深くお詫び申し上げる」
「「「陛下!!」」」
王様だ、あのアリシアとクソウルミの親父か、、馬を降りて頭を下げる王様を周りの騎士達が諌めようとする。
「良いのだ、私は国の代表として彼を無能扱いして放逐した事を誤らなければいけないのだ。私の謝罪を受け取ってはもらえぬか?」
「保留で」
一瞬場が凍りつく。
「貴様ぁ! 何を訳の分からん事を言っておる!」「陛下への無礼、もう我慢ならん!」「その首今すぐ叩っ斬ってやる」「いや、俺が突き殺す!」
うっせーなー、お前らのなまくらな腕で俺の『安全靴』突破できるわけねーだろ?
「どうかな、タロウ殿、考え直さないか? 今なら返答を変えることも可能であるはずだ、陛下の謝罪を受け取るのであろう、な?」
ガイストスだ、確か騎士たちの中で一番偉かったはずだな。相変わらず上から目線だ。
「じゃあ受け取り拒否で」
「ku@ワ$€_$フ@G_fuj1(0ェ√ピー!!」
「k1s@m@_^^0u-¥uru$@^!!」
あー、もう騎士さん達の方こそ何言ってっかわかんねーよ、、
「うわぁ、、タローえげつなー、騎士さんフジコしてるし」
「ひぇぇぇ、王様にNoと言っちゃったよぉ」
「さすがは田中君だな、、」
「え? 咲夜、そこ、太郎を褒めるとこかぁ?」
唖然としている王様に対して話しかける。
「王様さぁ、エオリアが俺と春野さんに何やったか、わかってなくって謝ってるでしょ? 王様に恨みとかはないけど、せめて自分たちのやったこと理解した上でないと、謝罪、受けられないよ。
まあいいや、その事はスタンピードとやらが終わるまで一時休戦という事でいい? 俺、勇者一同とはスタンピードに関する共闘を結んでいるから、今エオリアと戦うのは上手くないんだ」
「貴様ぁ! 陛下に何という口のきき、」
「やめんか! バカモノ!!」
叫んだ騎士を王様が一喝した。
「タロウ殿、申し出感謝する、一時休戦ありがたく受け入れさせていただく。。
では、今回、我らの窮地をお助け頂いた事のお礼だけでもさせていただけないだろうか? この私の宝剣を、、」
そう言って宝石が散りばめられた高そうな腰の剣を出してきたが、、
「うーん、剣は使えないしなぁ、いらない」
「で、では物資の中からなにか、、」
「何があるの?」
「携帯食、酒、水、毛布、その他各種工具や資材と言ったところかの、大したものがなくて申し訳ないが、」
酒、酒かあ、、玄武様の口に合うかな?
毛布は、、うちの連中喜ぶかも、、
「じゃあ今回のお礼はそれ全部で」
「ぜ、全部じゃと?」
「うん、そこの荷車だよね、ええと、5台か、良いよね?」
「構わんが、どうやって運、、」
スコップを素早く動かし、荷車ごとすくい上げるようにして全部『ネコ』に収納する。物を運べる出来のいい荷車もいくつか欲しかったんだー、うちの連中喜ぶぞー
「き、消えた!!」
「これで今回の助力の報酬は頂いたという事で、サインとか受領書いる?」
「い、いや構わんが」
「じゃあ、咲夜さん、照夫と一緒にエオリアまで送っていくよ」
「あ、ありがとう、田中君」
「他のみんなは王様守りながら撤収で良い? さっきのでこの辺の魔獣あらかた片付けたから大分危険度は下がったと思うよ」
「「「了解!!」」」
「た、田中君、」
「何? 咲夜さん?」
咲夜さんと気絶したままの照夫をスコップに乗せて、エオリアへとゆっくりと飛ぶ中で咲夜さんが話しかけて来た。
「助けに来てくれて、、ありがとう、」
「うん、、助けられてよかった、咲夜さんこそ照夫を探し続けてくれてありがとう。おかげで照夫を見つける事が出来たよ」
「私は、、田中君が追い出される時、何もしなかった、、」
「気にすんなよ」
「ごめん、なさい、、」
「だから咲夜さんのせいじゃないって」
「勇者でないのにあれだけ強いんだ、、田中君は想像を絶する苦労をしたんだろうな、、きっと、」
「まあ、死にかけたのは2回ってところかな? あとは順調にレベル上げただけだよ」
「そうか、、」
「エオリアの南に見える、白いお城、わかる?」
「あ、ああ、ある日突然現れた遺跡と呼ばれる城だな、冒険者ギルドが探索に失敗した」
「俺の城なんだ」
「えっ?」
「照夫が元気になって、スタンピードが終わったら、2人で遊びにおいでよ。春野さんもいるよ。柳田なんてこないだ、やりたい放題はしゃぎまわって帰っていったよ」
「そうか、、雫もいるのか。ぜひ遊びに行かせてもらうよ」
「2人でね」
そう言ったら咲夜さんは俯いた、照れ隠しかな?
「お、エオリアが見えてきた、俺、めんどくさいのやだから、咲夜さん達下ろしたらすぐ帰るね。ドラゴン対策も考えなきゃいけないし。照夫の事と、神田君たちへの報告は任せたよ」
「あ、ああ、任された!」
ふう、ようやく帰れる。朝帰りになっちまったなぁ、、
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