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23 解放

 奴隷として捕まっていた人たちは、それぞれ後ろ手に縛られて、片足に足かせをはめられ、それを一本の長いチェーンに50cm間隔で繋がれていた。さて、どうやって外そうかと考えていたら、

「白い城のあるじ殿、、足かせの鍵は団長の盾の裏にあります」

 一人の冒険者が教えてくれた。


「どれ、お、あった、ありがとう、情報料として君の身の安全は保証しよう」

「!! ありがとうございます!」


 まずはターニャのお母さんを解放する。

「ターニャとシウバは無事だよ、今俺んちにいるから、安心して」

「よかった、、本当にありがとうございます、タロウ様」

 白いまつ毛を伏せて頭を下げるターニャのお母さん、美人なんだよなぁ、グラマーだし、冒険者が誘惑に負けるのもわかる気が、、


「じゃあ、お母さんには鍵を渡すからみんなの足かせを外してあげて。他の人は、自由になった人から、後ろ手に縛ったロープを解くのを手伝って欲しい」

 そう言って50名あまりの人たちを解放していく。


 次に奴隷狩りをしていた冒険者達の剣や杖、盾と鎧などの武器と防具をすべて取り上げて一台の馬車に放り込み、スコップで持ち上げて馬車ごとネコに収納した。


「な! しゅ、収納魔法まで!!」

「しかも馬車一台をまるまる!」

 驚く冒険者たち、


「さて、奴隷狩りの報復はするかい?」

 捕まっていた人たちにそう問いかける。


「復讐とか、、そんなの、いいです…」

「ワシら、ただみんなで幸せに暮らしたいだけなんじゃ、」

「人を叩くのは、、イヤにゃ、、」


「だとよ、どっちが人として理性的なのかよく考えるんだな。俺にはあんた達の方が人の皮を被った魔獣にしか見えないね。

 怪我人連れてさっさとサウザーラまで帰んな、ちなみにこの後俺たちの周りをうろつくようなら、、」

 30mほど先にあった、一軒家ほどの大きさの岩の前に一瞬で移動して全力の右フック!!


 バッガァァァアアアン!!


 大岩は粉々に砕け散り、跡形もなくなった。


「俺が今まであんたら相手に、目一杯手加減していたの、理解してくれた?」

 またもや一瞬で目の前に戻ってきた俺の言葉に、ブンブンと高速で首を縦に振る冒険者達、その後彼らは肩を貸し合い、動けないものを背負って、サウザーラへの道を歩き始めた。

 その助け合いの心が、なんでこの人たちへも向かなかったのか、、解放された人たちを見て心から思った。




「さて、皆さんは解放されたわけだが、、これからどうしますか? あ、犬人の皆さんは別のところで安全を確保した長たちと合流してもらいますが」

「よかった、、長たち、無事なんだ、、」「ありがとうございます、タロウ様」


「タロウ様、エルフの長老、グリューンと申します、発言の許可を、、」

「いや、許可なんていらないけど、どうぞ」

「はい、この度は我らを助けて頂き誠にありがとうございます。我ら、叶いますならば、タロウ様の庇護下に置いて頂きたく、お近くに住まわせてはいただけないでしょうか?」

「いいよ、ていうか、うちの城に来なよ。いま人手足りなくて募集中だし」

「!! おお、なんと寛大なお方、我ら一族、身を賭してお仕えさせて頂きます!」

 そして、俺に向かってザザッと膝をつき、まったく同じ体勢で頭を下げるエルフさんたち一同、、大げさだなぁ、、どうでもいいけど、10才にも満たない子供達にまで頭を下げられるのはなんか罪悪感があるんだよなぁ、、

「わかったから頭上げて、じゃあエルフさんたちはうちに来るって事で」


「ドワーフのディンガンドと申す、今回のお助け、誠に感謝する、ドワーフ族を代表してお礼申し上げる。我ら一族もタロウ殿の庇護下に入りたいのだが、、我らは鉱山が無いと生計を立てられぬ、、」

「じゃあうちの近くで鉱脈探してみる? 近ければ通えばいいし」

「しかし鉱脈なぞそう簡単には、、」

「えーと、サンプル出すからちょっと待ってて、」

 そう言って、あちこちで採取した土や石を『ネコ』から出す。


「どう? なんかいいものある?」

「こ、これは、、ありますとも! 特にこの石など!!」

 あ、第2拠点で取れた石だ、これ


「あーわかった、それも俺んちで取れた石だ。まあ、別荘みたいなもんだが、、ちなみにそこからは『輝石』ってやつがジャラジャラ取れたぞ、ほら」

 そう言って数百個の『輝石』を出してみせる。


「……国が買えますぞ、、この量」

「そうなのか? 魔力込めたら明るいから、便利だと思ってたんだけどな」

 そう言って一個、拳大の輝石に魔力を込めてみると、眩しいぐらいに真っ赤に光った。


「赤輝石!! 早くおしまいくだされ!」

「??」

「過去にはそれを巡って数カ国を巻き込んだ戦争が起きたこともありますのじゃ!!」

「あ、ああ、わかった」

「まったく、、とんでもないお方じゃ、、ともあれタロウ殿、我々ドワーフも連れて行ってくだされ、鉱山仕事に金属加工や建築、石工などが我らの得意とするところですのじゃ」

 そう言って頭を下げるディンガンド

「もちろんさ、歓迎するよ」


「あのー、」

 おや、ネコミミ少女だ

「ミーシャと言うにゃん、、助けてくれてありがとうにゃん、、私達、猫獣人たちもタロウ様に連れて行って欲しいにゃん」

 ぐ、なんだこの上目遣いと語尾の破壊力は!

「ああ、もちろんいいとも、でも大人達がいないようだが、、まだ戦っているなら俺が助けに、」

 よく見ると、ネコミミは子供達が10名ほどしかいない

「猫獣人族は、、大人達はみんな戦って死んだにゃん、、どの種族より凶暴だって言われて、、、一番最初にアイツら全員で攻めてきたにゃあ、、」

 そう言って大粒の涙をポロポロ流しながら話し始めたミーシャ、、


「ふにゃあぁー、おかあさーん」

「にぃちゃー、ねぇちゃー! ふみゃあぁー!」

 堰を切ったかのように一斉に泣き出す子供達、今まで我慢していたんだろう、、


「悪かった、悪かったよ、、辛いこと思い出させてゴメン、君ら全員俺が守るから、、よく頑張った、、」

 俺には、、、泣きじゃくる子供達の頭を撫でてやることしかできなかった、、



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