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滅茶苦茶シリーズ

滅茶苦茶学園高等部―卒業遠足、そして卒業式ー

作者: 滅茶苦茶仮面☆

また、雨か…」

仁美は窓の外を見て、ため息をつきました。しぶしぶと制服に着替え、学校へ向いました。


今日は滅茶苦茶学園高等部3年は、卒業遠足の予定でした。場所は県内の遊園地、コスモスワールド。2月1日の予定が雨で、予備日の2月5日に延期。2月5日も雨になり、延期日は未定。

滅茶苦茶学園の3年生は60名、教職員入れると65名が卒業遠足に参加することになります。雨で延期が続くと、他の団体でいっぱいになり、なかなか次の予約が取れません。コスモスワールドはあまり大きな遊園地ではない為、団体は1日1組限定で予約が必要です。

遠足が行われないまま、ついに3月、翌日の卒業式の為の予行練習が体育館で行われています。先生と卒業生が参加しています。

「次は、校長先生よりお祝いの言葉をいただきたいと思います。校長先生お願いします」

ここで校長先生がステージに上がるはずが、校長先生が見当たりません。どうしたどうしたの戸惑う先生方。と、その時、体育館の後ろの扉を激しく開ける音がしました。校長先生が息を切らせています。足早に生徒席を抜け、壇上に上がり話し始めました。

「いよいよ、明後日は卒業式です。残念ながら、雨の為実施できなかった卒業遠足でしたが、明後日卒業式と同時に遠足を行う事になりました」

ざわめく生徒、先生。卒業式と遠足が同時に行うとは。

「だって、私も遊園地行きたかったし、卒業式の日しか予約取れなかったし」

校長がつぶやきます。


 卒業式の内容が大幅に変更されます。先ずは学園の校庭に集合して、校歌を歌い出発、卒業生代表、総務部部長、総田仁美の答辞。在校生代表の送辞は校庭で慌ただしく行われることになった。在校生は校庭で見送り遠足に出発。

 卒業生の保護者は、遠足に付いていくも良し、視聴覚室に移動し、遠足の様子の生中継をスクリーンで見るも良しとなりました。

 

「卒業証書授与 3年1組 総田 仁美 高校の課程を(以下略)」

まさか、こんな高い所で、卒業証書を受けるとは。いくら滅茶苦茶学園といえども此れにはどう反応してよいのやら、仁美は別の意味で緊張しながら生徒代表で卒業証書を受け取りました。予行では証書を受け取ったら、一歩下がって礼をして席に戻るのですが、下がるスペースがここにはありません。別の生徒が校長先生の前に出て、卒業証書を受け取ります。

「時間がなくなるので手早く行きましょう。もう大分下がってきていますから」

校長先生はそう言って、手早く証書を授与しました。

「じゃあ、降りてください。では次の生徒さん、保護者の方もどうぞ。一度に7名までです」降りた先では、先生が並んでいる生徒を誘導しています。


 卒業証書授与は、観覧車の中で。


「遊園地は観覧車が一番だ、ずっと乗っていられて最高」

校長先生は3クラスの生徒の証書授与が終わるまで、ずっと観覧車に乗っていたのでした。


おまけ インタビュー

新聞部「総田さん、ご卒業おめでとうございます。今のお気持ちを」

総田仁美「高いところ苦手だから足がガクガクしています」

新聞部「卒業後はどうされるのですか?」

仁美「滅茶苦茶学園大学の教育学部に進学します。小学校の先生になりたいと思います」

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