木造家屋→湖/出発と危機
めんどくさいから今日はここまで。連続投稿は今回が特別ってだけだからね?
この話のタイトルを「木造家屋→湖のほとり」
にしようとしたけど、ほとりの意味を調べたら「海や川、沼などの水際」って出た……。
「準備完了、行くよ!」
『慎重にな!』
朝、ご飯を食べた後にあらかじめ食糧他色々詰め込んだバックを背負い山を下りようとしていた。
木々が生い茂り、魔物にとっては絶好の狩り場、私にとっては最悪の通行路になっている。
「取り敢えず斜面を下ればいいはず……」
そう、後は踏み出すだけ。
私はいける。
私は山をぬけられる。
だから、踏み出せ──!
「う、おおおぉぉぉ!!」
「うわああぁぁぁぁ!!」
大声出しながら下った結果、声に魔物が寄ってきました。絶体絶命です。
後ろから追いかけてくるのは、人と同じぐらい大きな虎のような生き物。
四足歩行の獣は私との距離をどんどん狭めてくる。
山道を走って下るなんて経験のない私は時折転びそうになり、その時を狙われ一気に距離を縮められていく。
焦る気持ちは足の回転を悪くし、転びかける回数が多くなり魔物との距離をなくしていく遠因へとなっていく。
「嫌ああぁぁぁ!」
魔物との距離は生きるか死ぬかの基準となり、生と死の境で死へと引きずり込まれていく。
──死ぬ。ここで、確実に。
あとわずかな隙間を飛びつくことで埋めてきた魔物を、避ける手段はない。
──死ぬ? こんなところで、何も遺せず?
迫る。終わりが迫る。魔物が飛びついてくる。死が迎えに来る。
いや、現在形ですらない。もう、過去形だ。
死はもう、私を迎えに来た。
体を捻って頭は魔物を向いたまま、全て諦めるように目を閉じ、全身の力を抜いた。
そして、私は死に連れ去られ──
☆
──た、はずなのだが、私は生きていた。
体中泥まみれだし、あちこちに傷があるが魔物に食べられてはいないらしい。
どうやらここは湖が広がっている場所のようだ。
「……どこここ」
まぁ、私が居るのはそこに建てられたテントの中、なのだが。
誰かに助けられたのは間違いないはずだ。それとも私には二重人格でもあるのだろうか?
取り敢えず、外に出てみた。
テントから見えていた湖、その他に見えるものは、相も変わらず木々がそこらかしこの地面から生えている山の風景と、湖で釣りをしている誰かの後ろ姿だけだった。
おっかなびっくり、その人に近付いてみた。
くすんだ茶色の長髪をゴム紐でまとめている、少し褐色の肌の──おそらく少女──人間が居た。
釣り竿を少し揺らしながらじっと待つその姿は、少しだけやって待つことができずにやらなくなってしまった私からしたら、かなり上手だと思うものだった。
声もかけられずにじっと少女を見つめていたら、少女は一匹魚を釣り上げた。
「おお……!」
思わず感嘆の声を漏らして、少女はそれを聞き振り返った。
「あ、起きたんだ」
何気なく言った少女の顔には、少し安堵の表情が浮かんでいた。