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木造家屋/出発準備

 この世界は錬金術の評価低め。最初から分かってたかも知れないけどね?

 回復薬系統の説明は後で。

「……材料が、ない」

『当然だろ。素材がやってくる訳でもないしな』

 今現在、私の錬金術師としての人生が終わろうとしていた。

『転生者なんだ。どうせ高い身体能力やら、戦える魔法やらあるんだろ? 自分で調達しに行きゃ──』

「錬金、わたしの特典」

『……いっそのこと魔物だらけの山を駆け下りるか?』

「嫌だああぁぁぁぁ死んじゃうぅぅう!」

 例え女に染まってしまったとしても、「俺」には元の体に戻らねばならないのだ。だからそんな自殺行為などできるものか。

『今の叫び声、ちょっとイイな。もう一回──』

「その容器地面に叩きつけられたいの!?」

 なぜこの緑色の全裸男は人の叫び声で興奮しているんだ。

『いや、すまないな。うん。ほら、ちゃんと考えてやるから』

 って言われても打開策はないし、色々と情報が不足している。ここは原住民の知恵を借りるとしよう。

 さて、確認すべきことは──


                  timelimit30


>──魔物を追い払う方法

>──魔物に見つからず山を降りる方法

>──ここは街とどのくらい離れているか


……三番目に決まっている。そこを知らなければ一番目も二番目も意味がない。その場凌ぎでなんとかできても、それでどうにも出来ない程距離があったら万事休す、だ。慎重にやっていかなければいけないのだ。

「『ここは街とどのくらい離れてる』の?」

『ん? ここは辺境の村近くだから……傭兵がいる都市からは近くて五十キロ、遠くて八十はあるな』

……歩いては無理かな。途中で休めれば問題ないけど、泊まる場所も、宿屋で払う金もないし。

『……これは、食糧調達もまずいかもな』

 え、なにそれ聞いてない。

「ど、どういう事!?」

「そりゃ、お前は人間だから食うもの食わねぇといけないし、食ったら無くなるだろ?』

「これは、由々しき事態……!」

『……どうするんだ?』

「……ええい! 賭けです賭け! できるだけの準備整えて山を下るよ! ポーション売っても良いぐらい作って、食べ物飲み物バックに詰め込んで、終わったら寝てご飯食べた後に下山です!」

『案外冷静だなお前!? ならさっさと準備進めてこい!』


 準備中の描写は抜かして、準備し終わった私は書斎っぽいような、錬金部屋に見えなくもないような、いつもの部屋でぐったりしていた。

『五十本……作りすぎだ』

「自分の分が十本、売る分が二十五本、宣伝用が十本、人助け用が五本。正直少なすぎると思うけど』

『出来が良いし、売るのは途中の村だからそこまで人は居ない。売れないぞ』

「売れそうだけど?」

『商売は分からんが……癒し属性の魔法使いが一人いたらその時点で終わりだぞ』

「うぐ……。で、でもその人が村から離れたら?」

『それでも、人が少なくてろくに買ってくれる奴は居ないだろ』

「出来が良いって言ってたし多く買ってくれるかも──」

『むしろ回復薬系統は出来が良いと少ない量しか使わなくても良いから、比例的に買ってくれる数も少なくなる』

……むぅ。知識にないとはいえ、いきなりやらかした?

『もう今は寝ておけ。旅立ちは明日だぞ』

「……分かった」

 しょんぼりしながら、パンを食べて地べたで寝た。

 回復薬系統の説明。

※回復薬系統は出来が良いと買ってくれる数が少なくなる。

 これは、出来が悪い回復薬でビン丸々一つ使わないといけない怪我でも、出来が良い回復薬はビンの中にある回復薬の三分の一で回復するなら、出来の悪い回復薬を多く買うより、出来の良い回復薬を少ない数買う方が良い、と言う勝手な考え。

 首都から離れた村だから金もあまりないので、今必要な分買えば良いだろう、と。そしてそれを一個買って使えば半分で済んだ。となれば当然残り半分も使えるので、普通ならもう一つ分買ってもらえた回復薬が買われなくなる。

※回復薬の分類

 上級、中級、下級で分けられる。

 主な判断基準は「50ml(ビン一つ丸々)使ったとき、どれほど大きな傷がどれほどの範囲、どれほど早く治るか」である。

 下級は「浅い打撲傷や裂傷、他に魔物に付けられた多少の出血をともなうぐらいの傷を、その傷が付いた場所だけ一時間で治す」。

 中級は「骨折や喉の火傷、他に魔物に付けられた多大な出血をともなうぐらいの傷を、傷が付いた部位まとめて三十分で治す」。

 上級は「生死に関わる傷を、全身まとめて一分で治す」

 ただし、これら回復薬は鎮痛薬の効力と自然治癒力の超強化の効力を混ぜた物なので反動もあり、無闇に効力の強い回復薬を使えば肉体が稼働しすぎて老化が早まり、結果寿命が縮まる。

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