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お月様は見ている  作者: 坂本瞳子
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さあ

私はただ、青いハイヒールの女を直視した。

恐らく、他の人からは私の感情を読み取れなかっただろう。

なんの感情も表に出さなかった。


杉崎さんは私の方をチラと見ただけで、あちらへと歩き始めた。


青いハイヒールの女は私になにか言おうとしていたのに、歩き始めた杉崎さんに気づいた。

「杉崎さん、行ってらっしゃい!」


杉崎さんは振り返りもせずに右手を軽く上げた。

左手は鞄を抱えたまま。指輪は光っていなかった。

残り香もなく、足早に去って行った。


さぁ、私も行こう。

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