60/63
投げ込んだ
あたしはビールをハイヒールに注いだ。並々に注いだ。
「ハハ。」
カウンターの向こう側でおねぇさんが笑った。
あたしは構わずビールを注ぎ続けた。
倒れていた左側のハイヒールも立ててビールを注いだ。
ウォン・カーアイもびっくりするぐらい。
泡も消えて、どう見たって美味しくなさそうなビール入りの青いハイヒールを、あたしは冷めた目で眺めていたんだろう。
おねぇさんは左右のヒールをそれぞれ片手でガッと掴むと、流し台にビールを流した。
大きな水色のくすんだポリバケツのフタを荒々しく開けて、ヒールを投げ込んだ。
バケツのフタが閉じられるときにはボカッと音がした。




