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お月様は見ている  作者: 坂本瞳子
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ごくり

とりあえずグラスを手にして口に運んで一口。


ガラッとガラスの引き戸があいた。


あれ?

あ、青いハイヒール。


あちらもこちらに気づいた。

目、反らしちゃった。だって、なんていったらいいか分からないし。


カウンター向こうのお姉さんは腰かけたままで挨拶もしない。


「シンガポールスリング」


蚊の鳴くような声で、青いハイヒールの女が注文した。

カウンター向こうのお姉さんは返事もせずに、作り始めた。


アタシは、ジン・トニックをもう一口、ごくりと喉に流し込んだ。

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