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お月様は見ている  作者: 坂本瞳子
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ジン・トニック

「ジン・トニック。」


メニューないし、これしか思い出せなかった。

ちゃんと聞こえてたのかな?とりあえずなんか作ってくれてるけど。

「いらっしゃませ」もなきゃ、ニコリもせず、こっちを見るでもない。

なんか、話しかけてもいいんだろうか。


独りだし、居心地悪いな。


トン。


冷え冷えのグラスがカウンターテーブルに置かれた。

ねぇさんはこっち見てない。

水面に浮かびたがってる半月切りのライムを、大き過ぎないゴロっとした氷たちが押さえつけてる。


ジュディ・デンチみたいに一気に飲み干して、帰っちゃおうかな。


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