1.荒廃
お待たせしました!
ペースは落としますが、第2章から、再掲載を始めます!
新作も掲載を始めましたので、そちらもヨロシク!
ベルフェゴールを捜す――
その前に、やるべきことがあった。
……酷く荒廃した街並みを見て、乗りかかった船だからと、立て直しを優先することにした。
「カルフィナ。どこから手をつけるべきだと思う?」
「……炊き出しでもしてみる?
でも……食べ物を十分に調達できるかしら?」
確かに。
食うに困っている者は多そうだ。
……しかし。
困ったことに、食糧そのものはあっても、物凄く偏った在庫になっている。
「……食えれば、何でもいいだろうか?」
「いいんじゃない?」
まず、適当な空き地を見繕う。
木材は、実は念のためのストックがあるので、店はすぐに建てられた。
そして、商品は。
――ピザ。
だって!
予想以上の短期決戦であの時の決着がついたから、スゲー在庫余ってるんだよ!
代金は取らない。
代わりに、『寄付金箱』を備え付けた。
僕とカルフィナだけで回すから、酷い混雑にはなったが、順調に盛況に進めて行けた。
……1時間は。
「おいおい、誰に断って商売してやがるんだよ!?」
まず、因縁がつけられた。
荒くれ者が、十数名。
「商売はしていない。
寄付は受け付けているが、代金は貰っていない」
だが、今、マナが何の力も無い状況で、気持ち程度にはやや多すぎるマナを寄付していく者が多く、仕入れれば他の食べ物で炊き出しは出来そうだったんだが。
「……テメェ、生意気だな。ガキのクセに。
死にたくなければ金を払えよ。ブルーマナ5つだ!」
「……セコい悪党……」
思わず、本音を呟いてしまった。
「あン?
……死にたいと見えるな」
「そうだなぁ……。
『七鍵守護神』の噂を聞いたことはあるか?」
「……き、聞いたことはある」
「そこにいる彼女は、その一人だ」
一瞬の沈黙の後、盛大な笑い声が沸きあがった。
「お、面白ぇ冗談だ。
どれ。俺様が実力を試してやろうか?」
「カルフィナ。行けるよね?」
「え?……いいの?」
「封印、解いたから、素手で全員のして。殺さないようにね。元気がありそうだから、利用させてもらいたい」
チンッ!
勝負は3分で終わりました。
「情けない男たちねぇ、威勢だけ良くて」
「ま、マジで『七鍵守護神』なんですか……」
「さぁて、お前たちに聞きたいことがある」
地面に倒れる男の襟首を掴む。
「……ベルフェゴールの居場所を知らんか?」
「し……知らねぇ……」
「そうか。
じゃあ、死ぬほど働くのと、もっと死にそうな思いするのと、どっちがいい?」
「うわぁ……リューイ、その究極の二択、凄いね」
「さあ、選ばせてやるぞ。
どっちがいい?」
「て、テメェの力じゃねぇクセに……」
「そうか……もっと死にそうな思いをしたいのか……。
可哀そうに。もう、他人に近寄られることも耐えられなくなったぞ」
「……?
な、何を……ヒャァァァァァァ!!」
逆魅了の術式。中々、便利である。一時的なもので、数時間もすれば解けてしまうが、男は地面を這いずって逃げる。
「一人減ったなぁ……。
さて。次に聞こうか」
一人目が中々良い反応をしてくれたので、残りは大人しく従ってくれた。
炊き出しは一旦中止。
男たちには、街の掃除をしていただく。
「最後まで働いてくれた奴には、腹いっぱい食わせてやる!」
その言葉も効いた。
瓦礫の撤去が終わった後に、家を建てていく。木の補充に転移を繰り返しながら。
入居者はカルフィナに任せ、「もめる奴は追い出せ!」と言っておいた。
一日で百軒ほどを建てた。
夕方から炊き出しを再開し、働いてくれた奴らにも食わせてやる。
食糧も、ついでで調達しておいたので、焼いた肉なども提供する。
「ボス!!」
そして、次々と集まる、『街の再興を手伝いたい』という男女。
女には炊き出しを手伝わせる。
男は掃除だ。かなり重い瓦礫等もあるので、力仕事になる。
「とりあえず、今日は日も落ちた。
手伝うのは、明日からでいい。
女は、この二階で休んで良いが、布団も何も無い。
野郎は、別に凍死するほど寒くも無い。人様の家や女性用のここの二階、その他迷惑のかかるところでなければ、どこででも眠りやがれ!」
僕も、店の一階で眠る。寝袋ぐらいは取り出したが。一応、意識を失う前には防御結界も張っておく。
しかし――
僕は、この後、あんな『嵐』が訪れるとは、予想だにしていなかった。
コンテストの感想が届いたので、モチベーション上がり、『掲載しないと!』って状況です。
参ったな……今、あんまり書けない^^;
掲載また止まったら、ゴメンナサイ。




