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東方冥遊喜譚  作者: 負人
桜譚
3/5

大掃除

夏休みは甘酸っぱいイベントとかとは無縁の自由気ままな(自堕落とも言う)生活を送っていた負人です。

この前発売されたジョジョASBが発売されましたな!!

もちろん買いましたさぁ、プロですから。

PS3は家に無いんですがね

ブチャラティと仗助を使いたいでござる。

天が与えてくれたほんのちょっぴりの偶然に感謝しつつ第参話いってみよー!!

 「幽々子~そっちの部屋の掃除はどう?」

 「私が埃まみれ~!」

 「上の階の掃除は終わりましたー!」

 「りょかいっす妖夢さん!下の方を手伝ってくだせぇ!!」

 「は~いわかりましたー!!」


 12月28日

 幽々子、妖夢、地鉄の3人は少し早い気もするが白玉楼の大掃除の真っ最中であった。

 大掃除、とは言うものの普段から妖夢がせっせと掃除などをしてくれるため、主に掃除をする場所は【玄関】【縁側】【お手洗い】【台所】【風呂場】【洗面所】【応接室】等よく使うがせいぜい1,2ヶ月に一度掃除するぐらいの所、に加え普段使用していない部屋を重点的に掃除することに決めたのだが……


 「なんでこんな部屋が多いん!?ここって!」


 白玉楼の圧倒的部屋数の多さにうがぁぁぁあああ!!とその場で頭を抱えて七転八倒する地鉄、しまいには服を脱ぎだし「俺は紳士をやめるぞ!妖夢ゥゥゥゥゥ!!!」と叫びだす始末。


 「アホなことやってないで、さっさと掃除してください地鉄さん」

 「はい」


 近くを通った妖夢に言外に「服を着てください」と言われショボーンとしながら服を着、掃除を再開する地鉄。

 しかし……


 「これはこれでいいもんだな」


 上半身裸で掃除を再開していた。



 「あぁ……炬燵の中でゴロゴロしたい……」


 幽々子は今朝の事を思い出していた。



 『幽々子』

 『な~に?地鉄』

 『大掃除するぞ手伝え』

 『え?』

 『ハイこれ箒とゴミ袋』

 『え、あ、うん……』

 『んじゃ応接室からよろしくねぇー、俺縁側掃除してくるから』

 『あ、はい……』

 『妖夢は2階を掃除するって言って上行ったから』

 『…………』



 「……まいっか」


 相変わらず主としてはゆるゆるな幽々子である。


 ゴトン、コトン……


 「?何かしら、これ」


 部屋の掃除中上の方から何かが落ちてき、気になったのでヒョイと拾い上げてみると


 「まぁ……綺麗な石ねぇ」


 血のように真紅に染まり真ん中に十字架の様な模様の入った逆三角形の角を丸くした手のひらサイズの石だった。

 幽々子はその美しさにしばし見とれていた


 (後で二人にも見せてあげよっと)


 その石を袖にしまい掃除を再開することにした。

 幽々子は、もう一つ落ちてきたものがあったのだが、探しても見つからなく落ちた拍子に何処かへ行ってしまったようで少し気になったが諦めることにした。

 その頃の妖夢と、地鉄はというと……



 「………………」

 「どうしましたか?地鉄さん珍しくお悩みのようで」


 腕を組み、眉間にしわを寄せう~~んと唸っている地鉄をもの珍しそうに眺めている妖夢。

 普段であれば地鉄のその奇怪な行動に眉間にしわを寄せるのは妖夢なのだが……


 「改めて認識したわ」

 「何をです?」


 地鉄は目の前の埃っぽい廊下を見ながら一言


 「白玉楼はやっぱり魔窟だなー、とさ」

 「ここに何百年もすんでいますので、はぁ、としか言いようがないんですが」

 「まぁもういいや、次行こう、次」

 「あ、はい」


 この廊下は何でも幽霊の中でもなかなかに力をもった者たちが宿としている所らしく、年に一度こうして掃除をするのだが、部屋の中に人(幽霊?)がいたりいなかったりするので慣れてしまえば問題ないとは妖夢談なのだが、ここにきて4ヶ月程度の地鉄にはツッコミが追いつかないほどの混沌とした魔窟になっており、名状しがたい何かになっているそうだ。


 「はぁ、次はこの部屋か……」

 「もういいじゃないいですか、さっきのは事故ってことで」

 「いやでもね?開けた瞬間、アーミーナイフ片手にこっちに突っ込んでくるセーラー服の青髪ロングの美少女ってなにさ……障子を閉めたらおとなしくなったけどさ……」


 グチグチと言いながらガララっと次の部屋の障子を開けるとそこには……


 「限定奥義……『斬刀……』」

 ピシャァァァン!!


 「一ついいか?」

 「何でしょうか?」


 「俺は無刀の剣士じゃないとです……」



 「次はここですね」

 「もう驚かないぞ、俺は……もう絶対に驚いたりしねぇぜぇ?」

 「引きつった笑顔で何言ってんですか?」


 今度は妖夢がガララっと障子を開けると……



 「頂点に立つものとはどのようなものかわかるか?」

 ガララララ……ピシャン


 「『ちっぽけな恐怖を持たぬもの』ですね解ります、つか何であの人がいるんだ?ビビったわwww時止めたりしてないよな?あの人」

 「私は鎮魂歌とか使えません」

 「お前の持っている剣はあれか?銀戦車と神様か?」


 その後も赤ジャケの大泥棒とICPOの敏腕刑事がいたりと(主に地鉄)が驚いたり興奮したり笑ったりと、最初のけだるげな表情は消えいつもの元気しかない明るいテンションに戻っていた。



 「さてここが最後なんだが……」

 

 地鉄は何とも言い知れぬ危機感を抱いた。

 最後の部屋から漂うなんて言うのだろうか……そう例えるなら【兄貴臭】というような言葉では言いようのない(比喩的な)臭いが漂っていた。


 「妖夢さん妖夢さん」

 「なんですか地鉄さん、お尻の穴なんか抑えちゃってどうかしましたか?」

 「(貞操がヤバいという意味で)ここはなんかだめだ……さっき開けたヤンデレ部屋よりももっと危険な」

 「いや、あれはむしろ女性である私の方がダメージを負ったのですが」

 「ナイスボート、で中には誰かいましたよ、こういう事ですね?」

 「いや、そういう事じゃなくて包丁で腹掻っ捌くってなんでああなったんですか?私気になります」

 「古典部やめんか、それと妖夢目をキラキラさせてるつもりかもしれんが……」

 「……なんでしょう」

 「……目のハイライトが消えて、さっきの部屋の包丁持ってた人みたいになってるから」

 「おっとうっかり」

 「わざとらしすぎる……」


 ダラダラと長話してこの部屋の点検をうやむやにしようとしたがそうもいかなかった。

 ジッと障子の隙間からネットリとこちら(主に地鉄)を舐めまわすように見つめる何かがいた。

 冷や汗をかく地鉄、「計画通り」みたいな顔をする妖夢……そして隙間から見つめる何かは一言呟いた。




 「やらないか」





 ダッ!と自分の持てる最高速度でこの廊下から逃げる地鉄、後ろを振り返りたいがホラーもので後ろを振り向くは死亡フラグなのでぐっとこらえて走り抜ける。

 魔窟廊下(地鉄命名)から(ある意味)命からがら抜け出した、が!!その拍子に足がもつれて転がってしまう!!

 ガッ!ゴロゴロゴロゴシャ!!

 「カハッ…………!!」

 突き当りで背中を打ち付け肺から空気が絞り出される。

 引っくり返ったことで上下さかさまになった地鉄が目にしたのは、


 「俺はいつだって待っているZE」


 ブルーベリー色のつなぎを着たイイ兄貴の姿と、


 「スカートの下から下着を覗こうとしましたね?残念今日は動きやすいズボンです」


 地鉄の(下心しかない)男としての(変態)紳士としての期待を裏切った妖夢のしたり顔が目に入った。





 晩御飯は外で食べようと幽々子が発言する。

 外で食べたいのか確認をとる妖夢。

 今日は外、つまり人里でご飯を食べたいのだと幽々子が再度発言をする。

 地鉄のジャッジ


 「だが断る」




 「……って言ったんだけどなぁー」

 「その発言をするときにはもう外へ出かける準備が出来てた人が何を言いますか」

 「すいませ~ん!注文いいですか~!!」


 冥界をPONと抜け出し人里に訪れた三人は幽々子が説明するところの「亡霊センサー」(頭のアホ毛の事である)を使わずぶらりぶらりとあそこがいいとかあっちが良いとかで幽々子と妖夢が喧嘩し反魂蝶と刀を抜きいつでも喧嘩する準備を整えていたが……


 「またお前らか!?……いい加減に、しろぉ!!」


 ガァン!ガァン!と頭突きにしては異常な音が夜の人里(現在夜7:00)に響き渡る。

 道行く人は「あぁ、またか」とそれぞれの日常に戻っていき、幽々子と妖夢は地に伏せていた。


 「相変わらず頭突きとは思えない音量を叩きだしてくれますね……上白沢さん」

 「お前たちも相変わらずにぎやかだな地鉄」


 人里の守護者・知識と歴史の半獣・キング・クリm……

 上白沢かみしわさわ慧音けいねが呆れた顔でそこにいた。




 「こんな時間に何を騒いでいるんだお前たちは……まぁまた下らんことで騒いでいるんだろ?」

 「なんでそんな疲れた顔でこっち見るのさ?今回は犯人は俺じゃあねえぜ?」


 先月地鉄、妖夢、幽々子の三人で人里に来たときは地鉄&幽々子の周りを巻き込んで展開するはた迷惑な漫談を繰り広げ、規模は小さいが【異変】とまで言われかけた前科があり、自分とは全く関係ないことである意味危険人物扱いの認定を受けてしまった幽々子たち御一行。

 そんなプチ異変(?)は碧銀のきれいな長髪とグラマラスな肢体を持つ女教師・独身女性の上白沢さんの手(というよりも頭突き)によってあっけなく終わったのだった。


 「普段は仲がいい二人なんですけどね、どうしてこうなったのか」

 「確かに……いったい何があったんだ?」


 わざとらしく大きくため息をつき、手を横に挙げ首を振る地鉄。

 その様子をみてもう一発コイツにも(頭突き)を喰らわせたほうがいいんじゃないか?と心の中でひっそりと呟く上白沢であった。


 ~変態説明中~


 「なるほどな、じゃあうちに来るか?」


 その一言に目を回していた幽々子と妖夢がガバッ!と起き上がりギュオッ!!という効果音でも入りそうな勢いで上白沢に近づき、


 「「いいんですか!?」」


 飛びついた比喩とかじゃなく物理的に……幽々子が。

 幽々子が飛びついた衝撃で上白沢ともつれながらドシンっと倒れこむ。


 「あいたたたたた……大丈夫か?西行寺?」

 「あ、うん大丈夫だよ慧音ちゃん」


 それより慧音ちゃんこそ私の下になっちゃってと幽々子が上白沢の上になりながら問いかける。

 その様子を見ていた地鉄は大きな声で、


 「慧音ちゃん?何それ可愛い……か?……ん?」

 「まぁ私も四六時中ずっと幽々子様のおそばにいるわけではないので、たまたま人里をふらついていた時に偶然上白沢さんと出会い意気投合した……多分きっとオチはこんなんでしょう」

 「へぇ~多分そうかもなぁ……それよりもだ」

 「?」

 「何かあの周辺……白いユリの花が咲き乱れているような気がするのは俺の気のせいなのか?」

 「あっはっはーそんなバカな話があるわけないじゃないですかー……すいません目薬持ってませんか?疲れているのでしょうか幽々子様と上白沢さんの背景バックイラストに白い花が咲き乱れているのですが……」


 路上で美女二人がくんずほぐれつ絡み合っている……そんな場の空気にあてられた男が一人。


 「ゆゆけいか……それもありだな、いやけいゆゆか?」

 「君が何を言っているのかまるで訳が分からないです」




 そんなユリユリしいシーンのあと誘われるがままホイホイとついて行った冥界三人衆は、上白沢の自宅で晩御飯をごちそうしてもらうことになった―――


 「すいませ~ん!注文いいですか~!!」

 「直訳すると『おかわりください』」

 「幽々子様……」


 額に手を置き平常運転の二人を見て(間違ってるのは自分の方なのだろうか……)と考え始めてしまった、妖夢。

 その様子を見かねて上白沢は、


 「はははっ、気にしないでくれいつもは一人で食べるか【妹紅もこう】と一緒に食べるかなんでな、こうして大人数で食べるのは久しぶりなんだ……だから遠慮せずに食べてくれ」

 「あ、はい、ありがとうございます」


 上白沢に対して丁寧にお礼を返す妖夢、地鉄は幽々子と雑談に興じていた。


 「なぁ幽々子おでんの具で一番食べにくいのってさ大根だよな」

 「アフアフ……ングングング……ゴクン、え?どうして食べにくいの?」

 「大根ってさ、おでんやその他もろもろの煮物系の食べ物で作り終わったものよりも数日寝かしておいた大根のほうが味が染みてるでしょ?アグ……」

 「あぁー確かに……モグモグモグ……ゴックン……ズズズ……プフゥー、出来立てのものをいただくのが一番なんだけどもちょっと後になってから食べた方がおでんの出汁がしみ込んでてもっとおいしいわね、モム……モキュモキュ……」

 「で逆に一番食べやすいのは、モグモグモグ……んっく、今幽々子の食べてるこんにゃくかもな」

 「どうしてかしら?」

 「味が最初っから大体ついているのと出汁が染みにくいから……かもしれない」

 「そこまで言っておいて最後疑問形にしてブン投げたわねぇ……アグ、ミチリッ、モグモグモグ……ンクッ……何でおでんにタコが入っているのかしらね?そういえば」

 「そういや気になるなおでんの具って、さっきの『大根』……『こんにゃく』……『鳥腿』……『はんぺん』『卵』に」

 「『もちきんちゃく』♪……はむ、ムニョーン……んぐんぐ……ゴクン、ほぅ出汁がしみ込んでて熱いわね」

 「あーわかるわーそれ……うまいんだけどなぁー油断してヒョイッと口に入れると大火傷だもんなぁ」

 「これはきっともちきんちゃくを包んでいる油揚げが悪いのよ、そうだ油揚げをもちきんちゃくから取り外せば全ては丸く収まるわよね?」

 「まてまてまて、それは『もちきんちゃく』じゃない、それはただの『餅』だ、油揚げあってこそのもちきんなのにそのアイデンティティーを奪うとは何事か、お前は油揚げに何か恨みでもあるのか!?」

 「ん~ん、特にないよ」

 「せやろなぁ!」


 あっはっはっはっはっは!!と笑いながら楽しく和やかにむちゃくちゃな会話を広げ倒していく幽々子と地鉄。

 途中から妖夢と上白沢も加わり『おでんの具で一番は何か?』という恐らくゴールのない会話を続けながら食事を楽しんだ。




 「ごちそうさまでした上白沢さん、白玉楼の主として代表してあいさつさせていただきますありがとうございました」

 「いいっていいって!?そんなかしこまらなくても……」

 「あら?そう、じゃあ晩御飯ごちそうさまでした、また来るかもしれないわね」

 「晩御飯ごちそうさまでした上白沢さん、おでんとても美味しかったです」

 「ごっそうさんでした!今度は白玉楼に来てくださいよ腕も足も頭もふるって料理を用意しますのでぜひぜひ~」


 三者三様のあいさつをし、白玉楼へ帰ろうとする幽々子たち、最後にもう一度振り返り上白沢に向かって―――


 「「「よい、おとしを~!!!」」」

いつからここが後書きだと錯覚していた?

負人だす~

今回はゲスト出演で上白沢せんせーに来てもらいました

( 罪)<おかーさーん!!

裏話をしよう

今回は白玉楼の家の中を描きたいなぁと思ったのさぁ!

まぁ冥界なんでね某刀なんちゃらに登場する銀何とかさんや、世界を一巡させた人の友達をね出してみたりできるんじゃね?と考えて書いたらごらんのありさま。

もう何も言うまい。

てなわけで次回!俺のそばに近寄るなぁぁぁぁ!!でお会いしましょう。

では、レリーズ!!

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