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あの日から
それから、父親と会話をパッタリやめた。
徐々に避けるようになり、父親と出かけることを拒むようになった。
その頃は、不倫のことは自分自身しか知らないと思っていた。
母親は知らないと思い、相談できずにいた。
日に日に不安が募っていく。
もし私がこの状況に耐えきれなくなり、無意識に自殺を図ったり、母親に相談したらどうなるか。
自殺をしたら、『家族内の問題』という風には扱われないだろうと思った。
母親に相談したら…
何が起こるか予測不能だ。
泣き崩れて病気になるかもしれない。
それとも、自殺もするのだろうか。
ともかく、今は誰にも相談できない状態だ。
親友の真弓には、家庭内のことを相談しても所詮は小学生だ。
家庭内の問題なんて尚更だ。
真弓の父親は仕事の関係で単身赴任なのだ。
こんなこと早く忘れて、楽しい生活を送りたい。
あいつが不倫なんてしなければ、私はこんなに苦しまないで済んだのに。