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聖女の真似事

こちらの世界から元の世界に戻る場合、前回みたいに全部の力を使い切らなくても戻りたいと思えばいつでも戻る事ができる。


ただ、消費しなかった力を、GPに戻すことはできない。じゃあどうなるかというと、俺がこの世界から消えたら普通に拡散して消失する。


ストレートに行ってしまえば、無駄になるということだ。


GPが潤沢にあるのであれば、別段気にする事ではないんだろうけど。現状カツカツどころか全く足りていない状況なのに、限りあるポイントを無駄にはしたくない。まぁそれを出来るだけ防ぐための今回の検証ではあるんだけど。だけどどれだけ検証してもギリギリ設定はできないからどうしたって余りが出るからなぁ。


なので、有効活用方法を考えてみた。この力はこの世界では神の力なので、いろんな事ができる。その中の一つに目星をつけていたので、それを試してみるつもりだ。


「ええっと、確かこっちの方だったよな……」


こちらに降臨する前に確認したこの近辺のマップを思い出しつつ、歩みを進める。事前に「試し」を行う場所の目星はつけてあった。目分量ではあるが、恐らく10数分程あるけば辿り着くはず……この体だと飛んでいく事も可能っぽいけど、今回は試験の方に回したいのでやめておく。いずれ力に余裕が出てきたら、空を自由に飛び回ってみたいねぇ。


ま、大分先になりそうだけど。


そんな他愛のない事を考えてくると、景色が変わった。森──その跡地だ。以前は緑が生い茂っていたであろうこの場所は、今は立ち枯れ、腐りはてたその残骸しか存在していない。


これは、歪獣の影響によるものだ。連中が侵入し暴れ回った場所は"世界としての"力を失い、生命が存在できない場所になる。先ほど私が降臨した場所などは、放っておけば未来永劫草も生える事がないだろう。


この場所はそういった場所と、"生きている場所"の境界線に近い場所にあった。しかも、元が森だ。俺がやりたいことにはおあつらえ向きの場所である。


俺はその場所の端に膝をつくと、地面にゆっくり触れる。


そして"綺麗になれ""元に戻れ"と望みながら、力を籠める。


──ただそれだけで、この場所に溜まっていた歪みの力、この世界に本来あるべきではない力が浄化され、消えていく事がわかる。目に見える変化ではないが、感じ取れるのだ。


「……とりあえず、こんな所かな」


残っていた力の半分くらいまで使ったかな? といったところで、力を籠めるのをやめる。今回やりたいことは浄化だけではないので。今度は別の事を考えて、改めて力を籠める。


イメージしたのは"元気になれ"だ。いや実際はもう少しちゃんと考えているけど。


「おお……」


先ほどの"浄化"は見た目的な変化はなかったけど、今度は目に見える変化があった。緑色のものが、土を押しのけてぴょこんと顔を出したのだ。


いや、イメージした通りの展開ではあるんだけど、こんなにあっさりと生えてくると思わなかったな。さすが神の力。というか、この草どこから生えて来たんだろ、この辺りの土地は完全に死んでいたハズだし。枯れて土の中で眠っていたのが再生したのか、あるいは神パワーで新たに生み出されたのか……まぁ結果は同じだしどっちでもいいか。


それにしてもこの光景、まるでファンタジー世界に出てくる聖女にでもなったみたいだな。本当の所はその聖女に力を与える神の方になっているんだけど。まともに力を行使できるようになったら、俺も聖女とか生み出すのな。


……あ、そろそろ力が切れそう。


見た目上透けているとかそういう訳ではないんだけど、自身の存在が希薄になっていることを感じる。後十数秒も経過したら戻る事になりそうかな。


残りモノの力による土地の回復だったけど、思ったよりはうまく行った感じ? まぁこの世界全体を考えれば焼石に水な行為ではあるだろうけど、やらないよりはマシだろう。本格的な回復はもっと力つけてからになるだろうけど。


さて、これで消えるかな──


「……貴女は!」


へ?


突然耳に届いた女の声。その声に反応してそちらを振り向いた瞬間──



力切れで、俺はこの世界から消失した。

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― 新着の感想 ―
滅びゆく世界を癒す精霊伝説とかそんな感じかな?
更新ありがとうございます。^_^ 目撃者再び?同じ人かは分かりませんが、これは噂になりますね。女神降臨祭開催!
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