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視聴者一人

そうして始まった、初配信。開始直後から視聴者が一人。これはほぼ間違いなくお姉ちゃんだろう、見るっていってたし。要するに実質0人である。


ま、当然だよね。何せ全く宣伝してないから。


いや正確に言うと一応Twitterで初配信のツィートはしたんだけどさ。そのアカウント自体が全くフォローされていないわけで意味がないよね。"冬樹"が使っていたアカウントを使うわけには行かないしさ。そもそも"冬樹"のアカウント自体対した数字がないし。


お姉ちゃんが自分のアカウントとか知人とかに宣伝するっていってくれたんだけど、これも止めておいた。だって誰も知らない状態で宣伝なんかしたら間違いなく身内だと思われるし。その結果ある程度知名度が上がって来た時にお姉ちゃんの方に質問が集中しちゃう可能性がある。捕らぬ狸のなんとやらだけど、目指すものを考えれば避けておきたい部分だ。


というわけで、今僕はお姉ちゃん以外誰も見ていない状態で配信しているわけだ。


……


……


……


うん、暇だね。


とりあえず練習も兼ねて笑顔を作りながら配信を見ているだろうお姉ちゃんに手を振ってみる。


──秒でスマホが震えた。


カメラに入らない位置で確認してみたら、『可愛すぎて召されそう』というメッセージが送られてきていた。死なないで。というかお姉ちゃん、この格好試着した姿見せてるよね?


まったく、と思いつつPCを確認するが視聴者は変わらず一人。


別に気落ちはしない。全然想定内なので。


超美少女と化してる俺だけど、そもそも見る人がいなければ意味がないからなー。最悪今日は視聴者が一人も来ない事も覚悟している。


じゃあただ無為に過ごすかというとそのつもりもない。一応今後の方針も考えてるので、それに役立つ"絵"をついでに撮ってしまうつもりだ。とにかく露出を増やさないと話にならないので。本当は配信までにやるべきことだとは思うんだが。


能力を使って()()()()凄い映像や()()()()不思議な映像を撮れればいいんだけど、それをするのに必要なGPは当然まだ全然足りない。初期GPと集落のご老人のおかげで多少はあるけど、ALERTが鳴った時の事を考えると、使える量じゃないんだよな……ちなみにそれ以外での動画も撮ってなかったのは単純に時間がなかったからです。なんでとりあえずワンチャン来る可能性も考えて配信を行いつつ、人がこなければその時間を使ってとった映像を切り抜いて紹介動画を作る感じである。まさに一石二鳥。


……冷静に考えるとこの殺風景な和室で撮るより森の中とかで撮った方がそれっぽかったかなぁ。でもまだ外用の撮影機材ないしなぁ。カメラはスマホでいいかもしれないけど、外で使える風防マイクをまだ買ってないからな。明日indasで探して注文するか。


ま、それは後の話として、と。


僕はゆっくりと席を立って、部屋の真ん中に立つ──PCの配信画面みたらちょっと遠すぎた感じがしたので、もうちょい机の側に移動……うん、こんなもんか。


それから、ポーズをとる。足を少し開いて左手を腰に当て、人差し指を立てた右手をカメラの方に向ける。別に試行錯誤した訳でもない最近流行のアニメのキャラクターが良くするポーズだ。そのキャラクターが丁度今の僕と似たような格好しているからこれでいいかなとなった。


一つ咳払い。


「はじめまして、画面の向こうの皆!」


そこで、右手を下げて


「ボクの名前はユキ! 今日から配信者として活動する事になりました! よろしくお願いします!」


うん、恥ずかしいね? カメラに向かってポーズを決めて喋るのもそうだけど、何より誰も見ていない(いやお姉ちゃんは見てるけど)のにこんなことやってるのとか。恥ずかしいというか、何をやっているんだろうという気分になるというか……今後配信者、場合によっては更にその先を目指す事を考えたらこの程度で照れやら何やら感じてられないと思うけど。配信なんてやるにはある程度羞恥心を投げ捨てていかないと……まぁいずれ慣れるか。


さて、紹介動画にするとしても、さすがに挨拶だけだと話にならないし次の紹介も進めていこう。えっと、次は今後の活動方針か。これは現時点では固定するつもりはないけど、一応方針ははっきりしているからそれを説明する。


とりあえずずっとポーズとったままなのもあれなので、席に戻って、と。


「えっと……活動方針だけど、ボクは運動が得意なのでそっち方面を見せていきたいかな。後住んでるところがド田舎だから、キャンプ的な奴とかも見せられると……ん?」


喋っている途中で配信画面の変化に気づいて、ボクが言葉を止めた。


……視聴者数が二人に増えてる!?









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