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突然すぎる意味のわからない異変

「マジでなんなんだろーなぁ、これ」


鏡に映る自分の姿を見て、そう独り言ちる。


鏡の中には、艶やかな黒髪の少女が映っていた。年のころは……発育のいい小学生か中学生くらい? ただ外見から感じる幼さに比べて、胸は立派に育っているようだ。大人の目から見れば決して巨乳というわけではないが、外見から感じる幼さと比較すれば間違いなく大きい。思春期の男の子達の視線を集めて、あるいは何かに目覚めさせてしまうタイプのボディだ。


いや、胸がなくてもこの外見なら人目は引くかもしれない。


鏡に映る少女の姿は──まるで映像から飛び出してきたように整っていた。それも現実ではなく創作の映像からだ。ある意味現実感が感じられないくらいに整っており愛らしい。造形は日本人なのに、日本人離れをした雰囲気を感じさせる少女だった。


そんな少女の姿を見ながら俺は右手を挙げてみた。鏡の中の少女は右手を上げた。


今度は左手を上げてみる。鏡の中の少女は左手を上げた。


両手で膨らんだ胸を持ち上げてみる。鏡の中の少女が胸を持ち上げた。


……これまで何度も確認した事だが、間違いない。今の俺の外見は完全に幼い少女のモノになっていた。


いや、外見だけじゃない。独り言ちるその声も透き通った涼やかなものになっている。俺は男にしては若干高めの声ではあったが、それはあくまでテノール程度であってこんなソプラノではない。


というか、最初に気づいた時大声をあげなかったのはマジでファインプレイだったな。俺の借りているアパートは防音は比較的ちゃんとしているほうだけど、それでも大声を上げれば隣の家には聞こえるだろう。

そして隣人はこの部屋に住んでいるのが若い男一人と知っているわけで……そんな部屋から若い女の悲鳴が聞こえたら、事件性を疑われますよね。そして誰かが訪ねてきたとしても状況の説明なんてできない。だって俺自身が状況わかってないもの。


ちなみにこんな意味不明な状況になっている割には比較的落ち着いているように見えるかもしれないが、単純にあれから2時間程立っている。その2時間の間はたっぷりパニクっていた。スマホで「TS 戻し方」とか「TSF 何故」とか検索したりとか。当然役に立つ情報はなかった。


そんな混乱状態だったが、あるタイミングで時計が目に入った時会社の始業時間が間近になっている事に気づいたところで少し落ち着いた、というかとりあわずそっちを何とかしないととか、こんな状況なのに社会人の意識が出てしまった。その後とりあえず会社には体調不良で休む旨のメールを入れた上で、その後は床に座り込んでぼうっとしている。


……うん、まだちょっとパニクっているかもしれない。


だって本当に意味がわからない。昨日の夜も普段通りに過ごして寝ただけだ。そして俺の身内にはこういったキャラクターの出てくる漫画に登場する怪しげな薬を作るマッドサイエンティストはいないし、人語を離す謎の生物等と遭遇したこともない。なんの前触れも無しにこの状態である。


あまりにひどい。


自身に起きてるのはそれこそゲームとか漫画のような事としかいえない状態な訳ではあるが、漫画とかゲームなら気づいた後に説明役が現れたりメッセージがあるだろう。だが現状俺は2時間以上完全放置である。


マジで誰か状況を説明してくれっ……!


じゃないと一切身動きが取れない。


俺の体は元の体格から大きく縮んでおり、服のサイズが全く合わなくなっているから着る服がなくて外に出られない。


誰か知り合いに連絡しようにも、声が変わっているからあらぬ疑いをかけられる可能性がある。メッセージで送る事はできるが、「朝起きたら女になってたんだけどどうすればいい?」などと送っても頭がおかしいと思われてスルーされるだけだろう。


その結果変わり果てた自身の姿を眺めつつ、呆けているわけだ。


呆けていても何一つ解決しないっていうのは気づいてはいるんだが……


鏡に映る姿を見ながら百面相をする。うん、やっぱり思った通り動く。ただ変わり果てた姿の上にその外見が高レベルの美少女なため、全く自分という感じがしない。どちらかというと自由自在に動くゲームのキャラみたいな感じがする。あるいはVRSNSのアバターか。


ただマジで可愛いな。俺がロリコンだったら間違いなく惚れてはいただろう。幸いロリコンではないのであくまで可愛いと思うだけだが。


そのまましばらく百面相を続けていたが、もうすでにこの姿になってから3時間以上たっている。いつまでも現実逃避を続けていないかと思い俺は立ち上がると、


「ユアスクでも見よ」


別の方法で現実逃避をすることにした。


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