爽やかではない目覚め
目が覚めたら幼女になっていた。意味がわからない。
……いや、外見的には中学生か発育のいい小学生高学年くらいだから幼女というのは言い過ぎか。
──俺が今の状況に気づいたのは、目を覚ましてすぐの事だった。
スマホに設定した聞きなれたアラームの音にたたき起こされ、目を覚ます。
ゆっくりと体を起こすと体の向きを変え、ベッドから足を降ろし立ち上がり、ひとまず洗面所で顔でも洗おうかと足を踏み出そうとしたところで、足に何かが引っかかって躓いた。
「うわぁ!?」
聞きなれない高い声の悲鳴と共に、なんとか前に手を突き出して床に叩きつけられそうになった体を支える。その反応はギリギリまにあって、全身を床にたたきつけるのは回避できた。床はフローリングではなく畳だけどガード間に合わなかったら顔面から行ってた可能性もあるわけで、間に合って良かった。朝っぱらから畳に対して目覚めのキスとかしたくない。
しかし、何に足が引っかかったんだろう? 部屋の中はちゃんと掃除してるし、引っかかるようなものなんてないはずだけど……
そう思って足元を見たら、ギンガムチェック柄の布が足首の辺りに引っかかっていた。見覚えがある柄である。うん、昨日風呂から出た後に穿いたトランクスだな?
それがずり落ちて足に引っかかたらしい。ゴムでも切れたか。俺は寝る時は冬場じゃない限りはゆったりとしたシャツにパンイチで寝てるので、そのまま落ちたんだな。股間がスースーしてるし間違いないだろう。
と、そう思ったところで違和感を感じた。
すね毛がない。更にいえばどうみても自分の足と思えない程細くなってるし、肌の色も白い気がする。曲がりなりにも元サッカー部だ、引退したとはいえ足にはきっちり筋肉がついているし、そもそも肌の色ももっと濃い。
更にだ。着ているシャツの方も明らかにずり落ちている。確かにだぶついたシャツは着ているが、それでも肩からずり落ちて二の腕の途中あたりまで落ちるほどぶかぶかじゃない。
なんだ、寝てる間にエステでも受けたのか? それで脱毛された上にめっちゃやせたのか? 一晩でここまでやせるならダイエット中の女性陣は借金してでも通うのでは?
などという頭の悪い事を考えつつ自らの体に視線を落とすと。
大きく膨らんだ胸元がずり落ちたシャツから胸の谷間がさらけ出されているのと、ギリギリ隠されている膨らんだ胸の頂点にある突起がシャツを押し上げているのが見えた。
……
……
たっぷり10秒以上思考が停止した後。
大声で悲鳴を上げるのをギリギリ耐えきったのは、割とファインプレイだったと思う。




