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8言目 私、もしかして、ヤバい事してしまったかも?

さぁ前回で泣いていたリリィは今回、泣き止むことができるのでしょうか!?!?


 今の状況を整理しようと思います。

 



 まず、私。世恋ちゃんに抱きしめられています。ちょっと苦しい。


 次に、世恋ちゃん。絶対零度の無表情装備の静かなる怒髪天になっております。最初に見たあの健気で可憐な少女は一体何所にお出かけしたんでしょうか?


 最後に、リリィ。号泣です。もう、こっちの心が痛むほど号泣しております。もはや、やば(じょ)の影なんてものは見るも無惨に破壊され粉々になり存在しない。今は、ただの幼子になっております。



 なんて、状況を整理して考えてみたところで、現実というヤツは無情にも過ぎていく。それは、神も人も同じこと。










 はぁ~…。これって、どうにかしないとだよねぇ…。さすがに、リリィが世恋ちゃんに怯えて、大泣きしてるのを見続けるってのは、こぅおなんだか…。胸にくるものを感じると言いますか。

 

 というか、私、なんだかんだと段々、リリィに絆されてないか?やば女に?…幼子、だからか?

 

 ………。






 ま、…まぁ、とにかく、腹を括って、現状打破に挑みますか…。


 なんか、もう、色々と見てらんないし…。




 じゃぁ、まずは、


 「世恋ちゃん」


 世恋ちゃんを落ち着けるところから始めますかっ!



 



 ***



 「世恋ちゃん」


 私は、最初の一手として、世恋ちゃんの腕の中から脱出しなければならないと思い彼女に声を掛けた。







 その瞬間…。








 「何っ!透ちゃん!!!」


 

 彼女…、世恋ちゃんは光を超えるかのような速度。…、まぁ実際には出てはないんでしょうけど、それくらいの勢いでグリンッと私のほうに勢いよく振り向くと、リリィに向けている無表情とは、明らかに違う、柔らかで可憐な煌めく笑顔を浮かべ、キラキラと光輝く美しいエフェクトを撒いていたいた。

 

 エフェクトに、関しては幻覚なのだろが…。眩しいです。

 


 さらに、私を見つめる瞳は、私をまるで、()()()()()とでも思っているようなそんな瞳をしていた。


 水野透 高校1年生 15歳 8月25日生まれの乙女座 (括弧)人間擬態ヴァージョン設定(括弧とじ)

 世恋ちゃんの可愛さに、うっかりハートを射止められ、うっかり惚れてしまいそうになりました…。





 ………。






 …、。






 ……、やっべぇぇぇぇぇ

ぇ;;!!!!!!!!!!!


い、今のはマジで、やばかった!!マジで、惚れるところだった;;;!!!!!


 私は、神様っ!神様なのよっ!!幼子に惚れるだなんて、そんなっ、そんないけない事!!駄目よっ!!!幼子は愛でるもの!!!!性愛対象にしてなるものかっ!!イエス!!ロリショタ!!ノータッチ!!


 そんな事を心で思いっきり叫びまくって、頑張って常識を取り戻し、思い留まった。





 って、こんな精神修行している場合じゃねぇっ!!



 

 世恋ちゃんの笑顔に見惚れて、脳内が蕩けていた私だが、やるべき事…、世恋ちゃんの腕の中()からの脱出を思い出しハッとする。そして再び、彼女に声を掛けた。


  

 「世恋ちゃん」


 世恋ちゃんの顔を真っ直ぐに見て、真剣な表情で彼女の名前を呼ぶ私。

 それに、何かを感じ取ったのか、 

 

 「透ちゃん?」


 と、不思議そうな声が私の耳に届いた。


 

 はぇ〜、可愛い顔…。…、って、いかん、いかんまぁ〜た蕩けるところだったっ!美少女顔恐るべしっ!!

 なんて思ってから、要件を端的に伝えなければ、流されてしまうと感じた私は、要件を口にした。


 「離して」


 「えっ」

 

 早く言わないといけないと思い、少々冷たい声になってしまった様だが、この時、テンパっていた私は、その事を気にする余裕等はなかった。

 そうして、言葉を続ける。


 「離してください。世恋ちゃん」

 

 「えっ…、と、とおるちゃん?」


 「この腕を離して、私を今すぐ自由にして下さい」


 「透ちゃん!?」


 「いいから、は・な・し・て・く・だ・さ・いっ!!」


 「っ!!?!!!?!?」


 あれ?もしかして、ちょっとだけ強く言いすぎちゃったかな?

 



 私が、ちょっとだけ強く言ってしまったかな?と思っていると、


 「そ、そんな…、とおるっちゃん…。」


 と言って、世恋ちゃんは、愕然とした表情をしてから両腕の力が抜けたのかだらんと垂らして私を離してくれた。


 ふぅ…、まずは、ファーストミッションクリアだぜっ!!

 

 じゃぁ次は…、


 私は、いまだに大泣きしている、リリィの方を向いてから、深呼吸をしてから覚悟を決めて、彼女に近づき声を掛けた。


 「うわーーーーーーーんっっ;;;;;」


 「あ、あのぅ…、」


 「うえーーーーーーーんんんっっ;;;;」


 「…、お、おーいっ」


 「ぎゃぁーーーーーーーーーんんんんっっ;;;;」


 「……。」


 だ、だめだ…。なんも、泣き叫んで聞いちゃいねぇ…。この、幼子…。

 

 

 ………。はぁ〜、仕方ない…。泣いてる幼子には、これが一番、ですよね?


 





 私は、



 泣いているリリィ(幼子)に向かって、


 

 手を伸ばし、


 

 彼女の頭を、



 胸に抱いた。



 「…うえっ?」


 驚いたのだろう、一旦、リリィの泣き声が途絶えていた。

 抱きしめた、腕の中にあるリリィの頭を優しく、優しく、小さな生まれたての赤子を扱うように撫でながら、


 「大丈夫ですよ。大丈夫。怖いものなんて、此処には、なぁーんにも無いですよ?」


 「…、ひっく、ひっく」


 「大丈夫。大丈夫。落ち着いて」


 「…うぅーっ」


 「そんなに泣いてたら、綺麗なお目目が、溶けちゃいますよ?」


 「っピャッ」


 「ぁ、あー、うそ、嘘っ、嘘ですよ?大丈夫っ!お目目溶けたりなんてしませんよ?」


 「ふぇ…」


 「うーん、だけど、ほんと、そろそろ泣き止んで、私にその可愛らしい顔を見せて下さいな?ねっ?リリィ」


 「ほぇ?」


 「あっ!やっと、涙…、止まりましたね」


 リリィの頭を撫でながら、彼女が泣き止むように、色々と声を掛け続ける事数分。やっとこさ、リリィは泣き止み、私の胸の中から、顔を見上げて私の方を見た。

 

 その顔を見て、私は、セカンドミッションクリアっ!!!


 と、心の中で叫んでやった。

 うっしゃっ!!おらっ!!みたかっコノヤロー!!!!


 

 涙の跡が残るリリィの頬を撫でていると、


 「ぁ、ぁのう…」


 リリィが細い声で私に声を掛けてきた。…、あれ?なんだか、頬が赤いような…、??

 

 「あ、あなたっ様は…、セ、セレン様とご一緒にっ、ぐずっ。い、一緒に、召喚された…」


 「あぁ…、私の名前は、みずっ…、じゃなく、トオル。トオル・ミズノと言います。まぁ、ミズノと呼んでください」


 「トオル・ミズノ…。」


 「はい」


 「……、ト、オル…」


 「はい?」


 「ト、オル…さま…」


 「いや、だから、ミズノ…、」


 「トオル様」


 「あのぉ…、リリィ?」


 「トオル様っ!!!」


 「…あっ、もういいです。トオル様で」


 リリィは、私の名前を叫びながら、抱きついて私の胸に顔を埋めてきた。


 「この私、リリティアンヌ・トゥワイドっ!!あなた様に一生ついていきますわっ!!」


 「は、はいっ!?!?」


 「よろしくお願いしますねっト・オ・ル・さ・ま♡」


 

 何だか、リリィが世恋ちゃんみたいに見えてくる。


 私、もしかして、ヤバい事してしまったかも?

やったねっトオル!!リリィヤンデレルートの条件解放だよっ!!…、どうして、こうなったのだろう。作者わかんない。

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