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7言目 お父様が生まれたのって、もしかしてこんな感じの状況からなのだろうか?

話を大幅に進めたいと希望します。あくまで、希望です。


 世恋ちゃんは、あさっりとこの世界セルファルーナを救うことを決断した。








 …、うそやん







 世恋ちゃん…あなた、さっきまで、泣いて拒否してませんでしたっけ?






 


 


 


 世恋ちゃんから、了承の言葉を受け取ったリリィは『ありがとうございます!!』と、言いながら勢い良く頭を下げていた。


 そんな、リリィを見つめる世恋ちゃんの視線は相も変わらず温度がマイナスに振り切っている。


 世恋ちゃん…、ここまで来ると、さすがの私でも、リリィが哀れに思えてくるよ…。



 などと思いながら、リリィを哀れんでいると、







 

 「で、リリィさん」

 

 冷たく、凍り付くような、無機質な声がリリィを貫いた。

 




 「っ;;!?!??」

 貫かれた瞬間、リリィは、バッと勢い礼を述べる為に下げていた頭をもとの定位置に戻し、すぐさま世恋ちゃんの表情かおを見て、声なき悲鳴を叫び青ざめる。



 「空気って呼吸するだけじゃ無くて、読むことも出来るんですよ?知ってますか?」


 そう、リリィに対して教えを説いていた世恋ちゃんの顔は、うっすらと笑みを浮かべ微笑んでいたのだが、目はマイナスを振り切ったままだった。



 

 ……、よしっ!!決めた!!!世恋ちゃんだけは怒らせない神生(かみせい)を歩もうっ!!!



 

 「さっきから、何なんですか?リリィさん?そんなに、私と透ちゃんの邪魔がしたいんですか??」


 「ひょおっ?!?!」


 「…、さっき、わたしに、『()()()()()()()()()()()()()』って言ってましたけど、私に信用してほしいなら、透ちゃんとのいちゃいちゃタイムを邪魔しないでもらえますか?」


 「えっえっと…」


 「それにさっきのだって、謝るタイミングが違いません?色々と、私が落ち着いた時を見計らってから、謝罪したほうが良いと思いますけど?謝罪して、怒っていない私を怒らせるって…、あなた何がしたいんですか?」


 「だ、だって…、泣いてたから、傷つけたこと早く、あ、謝らないっとて…」


 「泣いてた?…、あぁ、あれですか」









 「当たり前でしょ?あの状況で、私が聖女だと確定したら、私、()()()()()()()()()()()()()()()()




 はいぃ???私に、嫌われる????どういう事かいな?????

 

 世恋ちゃんの回答に私の中で新たな疑問が誕生した瞬間だった。

 


 「だから、泣くなんて当り前ですよ?」

 薄ら笑いを浮かべながら、『当然でしょ?そんな事も理解できないの?』みたいな感じで、若干リリィをなめた口草で言い放った世恋ちゃん。


 


 …世恋ちゃん、リリィは、世恋ちゃんより一応年上だと思うよ、たぶん…。




 世恋ちゃんの驚くべき回答に、リリィは言葉もなく固まっていた。

 その様子はまるで、ネット回線が遅い電子機器のようであった。

 

 しばらく固まり、沈黙していたリリィであったが、回線がやっと繋がり、ボソッと


 「…えっ?そんな理由で、あんなに泣けるんですか?」


 要らん事を呟いた。 






 「はいぃ???」


 そして、

 

 その要らん呟きは、


 世恋ちゃんの


 逆鱗に触れた。









 …リリィ。…あんた、ほんとに、ええ加減にせいよっ!!!!




 「リリィさん、今、あなた、何と言いました?」

 先ほどよりも、温度がない声色で、静かに問い質す、世恋ちゃん。

 薄ら笑いなど、もうどこにも見当たらない。再びの無表情。


 美形の無表情ほど、怖いものはないと、世界の真実を目の当たりにした今日この頃。

 

 そんな真実、気づきたくなかった…。



 「い”ぃ”っ;;」

 そんな世恋ちゃんの変化を目の前にいるリリィは気づかない筈はなく。

 いかに自分が、世恋ちゃんの地雷を踏みぬいたのか理解したのか、青を通り越して紫に顔色を変化させていた。

 今、彼女の顔に触ろうものなら、恐らくだが、死人のような冷たさをしている事だろう。

 それほどに、彼女の顔は青ざめていた。



 「あなた、まさかとは思いますけど、透ちゃんに嫌われる事を、()()()()だなんて、言ってないですよね???」


 「ひっ;;」


 「リリィさん??」


 「…、ぃ、いい、いっ言ってましぇんっ!!そんな、こと、言ってませんっ!!!!」


 よっぽど、世恋ちゃんが、恐ろしいのだろう、所々か見ながら、青ざめた顔に涙目を浮かべ、必死に弁明をするその姿は、肉食獣相手に、生殺与奪の権利を握られた、か弱い野兎が、必死に命乞いをする哀れな姿のようだった。


 いやホント、さっきから、リリィが、なんか、可愛く見えてしまう…。


 最初は、あんなに、やば(じょ)だったのに…。

 

 



 「そうですよねっ!」

 リリィの答えに満足したのか、満面の笑みを浮かべ嬉しそうに言葉を発した。





 

 しかし、


 「良かったです。リリィさんっ!!」








 その瞳は、


 「もし、そんな事、言われていたら」







 絶対零度の


 「暴走している、神様と、結託して」






 ままだった。


 「この世界滅ぼそうかなって思っちゃいましたよ?」








 発言をしながら、笑顔が段々と消えていく恐怖。そして、温度のなくなっていく声色に絶望。極めつけは、絶対零度の瞳。役満のフルコンボ…。


 とうとう、リリィ耐えきれなくなり、


 「ぴぁーーーーーーーーーーーっ;;;;」


 と、いう声と共に泣き出してしまった。





 「リリィさん?何、泣いてるんですか?うるさいですよ?」


 怒り心頭の世恋ちゃんは滂沱の涙を流すリリィを見ても、声色と瞳に温度は戻る事などありえないというような態度で声をかけていた。






 



 …、な、何?この状況。


 方や、怒りのあまり、人間の心を失った無表情の美少女。

 方や、恐怖のあまり、情緒が不安定なった大泣きの美女。


 そして、ぼへっとしている、私…。



 もう一度言います。

 何?この状況???






 お父様が生まれたのって、もしかしてこんな感じの状況からなのだろうか?


希望道理にならず。まだまだ、続きます。というか、リリィ泣いちゃった…。

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