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廃工場にて

作者: クロカワあこあこ

何回も、言いますが この小説は、フィクションです。

実際の人物や団体とは、一切関係ありません。

今回は、ガチで関係ないので この話のようなことが実際には行われていないし。

ただただ作者の脳内で展開された、恥ずい妄想です。

妄想と現実ははっきりと分けましょう。

でも、ちょっとこうだったら良いなぁ なんてね。

雨が降り建物を叩く音が微かに室内に届く

この工場ができた頃は割と大きい建築物の一つだったが

今では何倍もの大きさの建物がゴロゴロそこらじゅうに建っている


静まりかえった作業場を歩き奥の階段を登る

『相変わらず見えにくい階段だなぁ』


眼鏡をかけた

綺麗な声の

美しい女性がポツリとぼやく

お盆の上にティーカップが2つ

湯気がたつ飲み物をこぼさぬよう慎重に登る


2階に上がると一階を見渡せることが出来る細い展覧路に出る

さらに奥に進むと

またもや登りずらそうな階段が

『誰だよ、こんな設計にしたやつ』

またぼやく

心を落ち着けさせるために

わざと独り言を言っている自覚はある

ゆっくり階段を登り上まで上がると

下の階とは打って変わって明るい部屋にでる


壁は本棚で埋まり

ボードゲーム用のテーブルが何台か並ぶ

観葉植物なんかも瑞々しく飾ってある


やっぱりここか…

少女が1人一番奥のテーブル席に座り俯いていた

『やあ』

歩きながら声をかける


彼女はビクリと肩を震わせ

まるで濡れた猫のよに震えていた


その様子に少々

いや、かなりショックを受けたが

まぁ仕方がない事かと言い聞かせ冷静に言葉を選ぶ


『紅茶、あったかいよ』

差し出したカップにチラッと目線を移した彼女を見て

『隣のケーキ屋でナントカコーディネーターが入れたやつ』

もう一つのカップをテーブルに置き自分も座る

『なんか、あーでもない、こーでもない言いながらやってたんだけど早くしろってんだよな』

声が女性なのに口調が男性的な喋りで

『だいたい、ブレンドがどーで、香りがなんだで、いちいちそれを私に説明させようとするんだから覚えきれねーつーの』


そんな、たわいもない一方的な会話をしていたら

彼女はボソリと

『ごめんなさい』

鳴く蚊も真っ青になるような小さな声で謝った

正直、本当にそう言ったのかも怪しいレベルだ


『別に謝る事じゃないよ、ここはモ…君のために作られた場所なんだから』

そう言うと彼女は涙で

ぐちょぐちょになった顔で

勢いよくこちらを見た

『だって、私はもう!私じゃないから!先生だってわかってるくせに!』

感情的に大きな声をあげる


くそっ、そんな顔で見るなよ

絶対、冷静に話さなきゃって思ってるのに

目頭が熱くなるのを堪えて

落ち着いて話す

『確かにもう、君は皆んなの知っている君ではないけれど。だからと言ってこの場所は無くならないし絶対に無くさせない』

『なんでぇ…』

『だって、いま君がここにいるから』


彼女は再び俯いて

再び肩を震わせた


眼鏡を外してカップの横に置く

『僕らが君のために作り、君を思って作ったものだ。』

声が女性のものではなく

やさしい男性の声に変わる

『たとえ、誰がなんと言おうとも必ず守ってみせるよ』


泣きながら彼女はこちらを見た

『僕は、この世界の管理者で責任者だからね』

うまく笑えているだろうか


彼女は、泣き笑いながら

『先生は責任者では、あっても管理できてないじゃないですか』

と答えた


あ〜よかった、笑ってくれた

『余計なお世話だよ』

お互い笑い合った


『ありがとう先生』

『どういたしまして』


『先生』

『はい』

『また遊びに来ていい?』

『勿論。っと言っても流石に目が無いとこでね』

『へへへ、ありがと』

『皆んなも会いたがってたし、正直やることが多すぎて手伝って欲しい』

『え〜またですか〜』

『全部、熊が悪いんだよ』

『人のせいにして』


しばらく笑い

『先生、もうそろそろ行くね』

『じゃぁ、また』

『うん、今日は本当にありがとうございました』

『いいよ、またおいで』


『ありがとう先生』

彼女が、フッと消える


誰も居なくなった部屋で

冷めた紅茶を一口で飲み干し

一息入れる


彼女がアウトしたのが伝わったのだろう

社員から通信が入る

『社長、もういいですか?』

『何が?』

『雨、上げて』

『そっちかよ!』


すかさず違う社員が

『社長、ちゃんと紅茶の説明してくれましたか!?』

まったく、うるさいなぁ


『あれ、もしかして…また泣いてるんですかぁ』

『うちの社長は泣き虫だな〜』

『やれやれ、これだから年寄りは』

こいつら…ほんとに…


眼鏡をかけ直し息を吸う

『君たちは、いいから仕事をしなさい仕事を!』

女性の声で一喝する


社員たちは、それを面白がるようにワイワイ言いながら仕事に戻っていく

『まったく』

工場から出ると雨は上がり空には虹が掛かっていた

『お〜すげ、こんなことも出来るのかよ』

素直に驚き

空を眺めた


『さて、やりますか』


女性は仲間の元へと飛んでいった





僕らの見えないところでも良いから彼女に、避難場所があれば良いなぁって思い書きました。

すみません、ただの妄想なので、許してください。

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