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00009 : 1歳です、お出掛けです。

今日は1歳の誕生日なのです。

親父が土曜日の半ドンにて、それに合わせて町で合流。

そしてバスにて親父の里へとね。


木造1階建ての暮駅前の停留所にて、巡回して来たバスへと。

ボンネットバスと言うタイプにて、車体中央のドアを添乗員さんが開けてくれる。

その添乗員さんへお金を払ってから乗り込む訳だ。


行き先で値段が変わるから行き先を告げてから添乗員さんから切符を購入ってね。

俺の年齢では運賃が掛からないため、両親だけ支払ってんな。


添乗員のお姉さんがさ、俺の年齢に疑問を持ったようでね、お袋さんが母子手帳を見せてたよ。

まぁ…1歳には見えんわな、普通に歩いてっし、さらに体格が1歳児のものではないからなぁ~


なんとか納得して貰ってから車内へと。

う~ん、スカスカっすね。

座れるから良いんだけどさ、儲かってんのかねぇ。


発車までしばらく待っていると、ぼちぼちとお客さんが増えて来た。

立ち客は居ないが、そこそこ席は埋まったみたいだな。


添乗員のお姉さんが出発を告げてドアを閉める。

そして出発だな。


エンジン音は聞こえない、静かなものだ。

真那(まな)の実から造った燃料で動いているんだが、原理的には電気自動種に近い。

真那のエネルギーにてモーターを回し、それが動力としているため、実にエコだ。


馬力も結構なもので、トラックなどは積載量を気にしなければガソリン車が重量オーバーで動かないレベルを軽く凌駕して動かすことが可能なんだよ。

まぁ、この世界にはガソリン車は無いからアカシックレコードから得た情報を元にしてるがな。


ああ、そうそう、アカシックレコードなんだがな、あれって、この世界専用って訳ではないんだ。

対象世界を知っていることが前提なんだが、アクセスする者が知っていれば、他世界情報でも引き出すことが可能なんだよ。

つまりはだ、令和時代の地球情報もね。


まぁ、引き出した情報を理解できるかは、アクセス者しだいだからさ、猫に小判ってことも有り得るけどな。

でもな、産まれた体のスペックが高かったのか、産まれて間もない頃から脳内認識を行ったお陰か分からないが、前世の俺よりは遥かに頭が良いんだよね。

理解力が上がって記憶力マシマシってね。


この能力にて生活環境を激変させる機器を発明して普及させたいものだ。

いやね、テレビやパソコン、スマホなどが無い世界だろ。

実に不便でねぇ…


エアコンが無いのは正直、辛かったんだが…今では関係なくなっている。

魔術にて自分周辺の気温と湿度を調整してっからさ、何時でも実に快適な訳よ。

まぁ、一般の方々には必要かもしれないから考えるけど、令和時代のエアコンは却下です。


この自然溢れる世界へヒートアイランド現象を招き入れる愚策は侵さないかんね。

まぁ、魔術を意識した符術や陣術を駆使すれば可能っしょ。


そんなことを思いながら走るバスの窓から外を見ている。

だってぇ…暇なんだもん。


途中の停留所でさ、お客さんを乗せつつバスは進む訳なんだけど、川沿いの道へ出てからは停まることはなくなったよ。

そして山を登り始める訳なんだけど、渓谷下へ流れる川を望みつつ進んで行くよ。

いやぁ~温泉街へ向かっているような景色なんだけど…この先に人里が在るのか不安になる景色でもある。


ってもさ、俺は脳内認識にて、既にこの道を何度も調べてるんだ。

だからさ、何処へ通じているかも知っているし、この先へ人里が存在することも分かっている。

さらにはだ、山を切り崩して造られた団地が既に存在し、新たに団地を造成中ってこともね。


だってさ、親父が買った土地が、この先に造られている団地内に在るんでね。

俺も色々と下調べしましたよ、ええ。


実はさ、この辺りにも猛獣の類は居座ってたんだよ。

バスを狙ってた個体もいたんだけど、危ないからさ、早々に狩っておきましたよ、ええ。

今では猪ていどの獣しか居なくなってるから安全だ。


俺が渓谷を見ていると、親父がね。

「この辺りは変わらんなぁ。

 子供の頃は、この辺りまで来て魚を獲ったものだ。

 兎なども出てな、捕らえて帰ったりもしたなぁ~」

そんなことをね。


「あなたは、この辺りで遊んでいたのね。

 私は母が結核を患ったから祖父宅へ預けられていましたからねぇ…

 子供の頃は島暮らしだったから、ここら辺では遊んでないわ」

お袋さんが、そんなことをね。


母方の祖父はバスを使えば住まいから遠く無い場所へ住んでいる。

自転車店を営んでおり、店休日に何度か家へ遊びに来ているぞ。

まぁ、俺が幼いってことで、お爺ちゃん宅へは行ったことは無いけどね。


親父さんとお袋さんが昔話に花を咲かせている間にもバスは進む訳で…

トンネルを抜けると…そこには新たに造成された団地が左右に広がっていた。


ここが新たに造られている町の入り口だ。

親父達が買った土地は、ここから更に奥となる。


バスからは住宅が建築中の団地が見える。

道は山と山との谷間を縫うように造られており、団地は道から伺える山を切り崩し造られているんだ。

そんな団地を横目にバスは進む、途中で橋を渡り、右に見えていた川が左側へと。


親父が買った土地を含む団地入口を過ぎ、さらにバスは進む。

途中で何人かお客さんが下車して行くよ。


昔からここら辺へ住んでいる方々なんだろうね。

っかさ、お客さんが結構減ったんですけど…


そう思っていたこともありました。

途中から逆に乗り込むお客さんが…まぁ、この先に昔から栄えている町が在るかんね。

皆さんは、そこを目指している訳で…爺ちゃん家は、そこから更に奥となる。


実際に来てみると…遠いわっ!

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