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00008 : 料亭で食べて、みた。

料亭では仲居さんの先導にて料亭廊下を移動。

木の床が艶々と光沢を放っており、欄間には見事な彫刻がさ。

障子には日本絵画っか水墨画かな?


ガラス窓から見える中庭は日本庭園れすね。

池には錦鯉なんぞが放たれているようですよ。


先方は既に来られて居られるようでね、茶を飲みつつ、俺達の到着を待っておられるのだとか。

暇なのかね?


部屋へと至ると…爺ちゃんがさ、ギョッとしてんだが…

いやいや爺ちゃん?なんでアンタが驚いてんだよ。

会合相手との顔合わせっうか、何度も会ってんだろにさ。


したらね。

「伊井幕僚長殿…何故、貴方様が?」って…え゛っ!?


「この度は安芸領から猛獣の類の気配が消えたと聞きましてな。

 ここは海軍基地もある地ゆえ、現地の状況を直にお尋ねできたらと」


いや、良いんだけどね。

それなら爺ちゃんとだけで行って欲しいものである。

なんで家族含めて呼ばれてんだよっ!


「それと…最近話題の赤子も見てみたくてですな。

 今日、お連れになられると聞き及んでおりましたが…はて?」

幕僚長の前には俺の姿も在る訳だが…どうも赤ん坊枠には含まれて無いようやね。


ってもさ、生後9か月の赤子が3歳児並みに歩いて現れるとは、流石に思わんわなぁ。


「おお、そうですか。

 我が孫とお会いにと!

 それは、誠に光栄の至り!


 ここに居ります慶、生後9か月となりますわい」っと、俺の背を軽く押す。


少し押し出されつつ、俺も挨拶をば。

「今年産まれました慶と申します。

 生後9か月の若輩者にてお目汚しではございますが、お会いできて光栄であります」

そう告げて、ピョコリっとお辞儀をね。


見られて無い時にさ、安芸領に滞在している武闘家達の型稽古を真似たりしているんだ。

そのせいか体幹が上がってるからさ、お辞儀で前へ倒れるなんてぇことにはならないぞっと。


俺が挨拶するとね、役人さん達と幕僚長殿がポッカァーンってね。

どったの?


「そ、それは…本当なのかね?」って驚いたように。


「流石に幕僚長殿に嘘や冗談など申しませぬわい。

 我が一族では、偶に成長の早い赤子が産まれまする。

 別の一族ですがのぅ、数年前に大陸北東部に住まう狩人一族で発育が早い赤子が産まれておりますわい。

 その者は、既に狩人として獲物を狩っておるそうですぞ」


爺ちゃんが告げると、幕僚長殿が思い出したようにさ。

「おお、そう言えば…颯太(そうた)君も早熟であったな。

 彼にも会ったことはあるが…ここまで早熟ではなかったはず。

 これは、驚きましたな」


「我が一族の伝承では、百数十年ほど前にも発育が良い赤子の話がありましてな。

 先祖から受け継がれた血なのでしょうか、このような赤子が産まれることがありますのじゃ。

 そして、そのような者達は何れも偉業を成しておりましてな。

 慶の将来も楽しみにしておるのですじゃ」っと、そんなことをね。


をいをぃ爺ちゃん…偉業って、俺に何をさせる気だよ。

まぁ、現時点でも色々と遣らかしている俺が言うことではないような気もするが…

俺は平穏に過ごしたいんだよっ!


前世がブラック職場にてパワハラとのダブル過労死だかんなぁ~

もう、あんな目にあうのは御免さね。


その後は色々と歓談しつつ食事をね。

暮町は海の幸、山の幸が豊富でな、牧農も盛んだから食材が新鮮で豊富。

しかも料理人の腕が良いのだろう、実に美味でしたよ、ええ。


刺身もだけどさぁ、馴れ寿司とかも、うまうまでしたぁ~

最後は和菓子でしたけど生練り菓子が上品な甘さでねぇ。

これって、絶対に和三盆を使ってるよね。


チャクラを回しまくって身体能力、特に消化吸収を促進したからさ、大人顔負けに完食れす。

皆が呆れてたけどさ…まだまだイケるぜっ!ってね。


食事を終えた後は帰宅な訳なのだけど…

「このような早熟な子供を育てるのは、なかなかに厳しかろう。

 どうじゃ、慶を儂に預けてみぬか?」

そう爺ちゃんがね。


したらお袋さんがね。

「とんでもない!

 慶は、私が腹を痛めて産んだ子です!

 私達が親なのです!

 私達が育てなくて、どうするのですか!」って。


「親父よ、俺は、俺を育てくれた親父を尊敬しているし感謝している。

 だが、それとこれは別だ。

 親父が俺を育ててくれたように、慶を育てるのは俺達夫婦の義務。

 いや、違う、俺達の大事な息子なんだよ。

 だから、俺達が育てる、育てたいんだ」

親父が爺ちゃんへね。


早熟な俺に戸惑っていた親父だけど、お袋さんの言葉に腹を括ったようだね。

ごめんよぉ~、こんな息子で…


「ふむ、愛情を持って育てられるならば良かろう。

 じゃが、無理そうじゃったら言うが()え。

 いつでも儂が引き取ってやるでな」


「あら御義父様、そうはなりませんわ」ってから「ほほほほほっ」っと笑う。


「ふむ、そうならば良いのぅ」ってから「がはははは」ってね。


いや、いや、笑ってんのにさ、なんだか恐いんっすけど…

その後は爺ちゃんと別れてバスで自宅へと。

爺ちゃんは町の宿に泊まってから明日帰るそうな。


月に1、2回は町へ降りて来て会合を行うんだって。

その時は何時も泊まりで、泊まるのに決まった定宿があるそうな。

その宿にて泊まるってたよ。


しかし…こちらで色々と活動しつつ脳内認識で別のことをするのは疲れるねぇ。

今日は事故での怪我人が出たりしたからさ、救出や怪我の治療などで大変でしたよ、ええ。

まぁ…姿が見えない者に助けられ、即死レベルの怪我が癒されると言う奇跡が…


うん、大騒ぎとなりましたが、暮町から離れた地での話なので、流石に(さと)られないでしょう。

覚られない、よね?

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