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00006 : 爺ちゃん、こんにちはでちゅ

家購入のドタバタは続いているんだが…交渉の場へ乳母車にて同行された俺は初めて爺様(じっさま)と顔を合わせることに。


「ほぅ、この子が孫の慶かいな。

 産まれた時に病院でみたが…ちと、育ち過ぎておらぬかえ?」


思わず顔を背けましたよ、ええ。

生後9か月にして2歳児というより3歳児に近い体格となっております。


実際に3歳児並みに動き回ることも可能です。

離乳食では足らず、脳内知覚を使用した魔術にて食糧調達などをね。


お肉屋さんのコロッケ…ウマウマです。

最近になって空間干渉魔術も使えるようになったので、店で拝借して貰っているんです。

もちろん、対価はキチンと値段通りに置いて来てますよ。


この時代にはレジスターなんぞ普及していないからね。

お金は笊へ放り込んでいたりするんだわ。

そこへ受け取った代金を放り込み、お釣りもそこから取って渡すのさ。


おおらかな時代だよねぇ。

だから、俺が黙って代金を支払っての購入も可能ってね。

これが令和の時代なら詰んでたよ…


っうことで、持ち帰り用の品々を個人店で拝借購入しつつね。

えっ!お金ですか?そらさぁ、色々と悪さしていた方々を改心させた際の手数料をね。

当然でしょ、慈善事業レベルの代金で人生の遣り直し支援をしてあげたんだからさ。


アフターケアで体の紋々も除去してあげて、欠落していた小指も生やしてあげてさ。

さらには不摂生にて病んでいた体も健全にさ、余分な贅肉を筋肉へ転換してあげたからさ、皆さん皆が皆、細マッチョとなっておられましたよ。

まぁ…ヤ□ザ顔の方々の怖い顔は治りませんが、そこまでは…ねぇ。


っう訳で、現在の俺は小金持ちな訳ですわ。

えっ?何処へ保管?そらアータ、空間干渉魔術にて干渉した空間の狭間…亜空間?へとさ。

っか、今、時間干渉魔術と空間干渉魔術を融合させた時空干渉魔術が熱いんっす。


時間停止もだが、時間を進めたりもね。

肉の熟成や発酵食品の発酵促進もね。


そしてだね、時間停止中に指定した物を空間内にて動かすと…指定外の物が除去されることが判明。

いやね、肉を時間停止中に動かす時に肉のみ移動と軽くね。


したらさ、血や不純物に寄生虫とか菌などなど、肉へ付随していた不要物が分離したんだよ。

いや、どう言う理屈?

超安全な肉となったので生で食べても安全な代物レベルへと。


指定した代物だけを簡単に抽出可能にね。

寄生虫なんぞは不要物だから亜空間内で焼却処分したりしたんだけど…それが良い肥料にね。

まだ町1つ分の空間だけどさ、火魔術を流用した疑似太陽などなど、地水火風を使用して亜空間内農業を試みてます。


でっさ、先先史文明遺跡の解析にて判明したのは治癒回復の魔術だけではなかったりする。

この世界には空間に真那(まな)が溢れてる訳だが、それから生まれた存在、精霊が存在するそうな。

この精霊を操り様々な仕事を行わせていた時代、それが先先史文明だった訳だ。


それでな、この時代に国と国との争いがあり、その戦いは人と人が行うのでは無く、人が治癒魔術の応用にて創り出した獣たちがな。

そう、大陸の奥へ跋扈する変異体は、この時代に創り出された生き物なんだよ。


そしてだね、制御できていた個体だけでは決着が付かないってことで、さらに強い個体を。

え~っとぉ、ドラゴン、龍、リヴァイアサン、ベヒモスなどなど…阿呆ですか?


制御しきれず都を襲われ文明が崩壊?

都から噴き出した真那にて大陸中央部っか、各大陸を支配していた王家が座す王都が高濃度真那にて汚染され…それを浴びた最強生物達は、その場を住処としたのだとか。

いや、リヴァイアサンなどの海の生物は?


あや、海中都市も存在したんですかいな、そうですかいな。

ああ、そこが根城な訳やね、分かりたく無いけどさ、分かりましたよ、はい。


なんつー迷惑な…でも、世界大戦が勃発しない訳だ。

この世界の武力は人に向けてでは無く、時たま現れる厄災レベルの最強生物を追い払うためなんだと。

退治じゃないぞ、追い払う、だっ。

倒せる訳ねぇじゃんね。


まぁ、真那が薄過ぎるからさ、大陸中央部や深海から離れるのは稀らしいのが救いかな。


この大陸中央の濃縮真那の影響を受けた大精霊なども産まれているそうな。

えっ?何処情報?アカシックレコードじゃないよ。

アレは何を知りたいかを具体的に意識しないと情報を拾えないからさ。

まぁ、何れは、制約なしに情報を拾いたいものだよ、うん。


では、どうやって情報を得たか…ぶっちゃけ精霊情報っす。

先先史文明から得た情報で精霊との接触に成功。

色々と教えて貰ったり協力して貰ってますよ、はい。


亜空間農場開拓や管理も手伝っていただいてますからね。

精霊の助力にて大分楽になりましたよ、ええ。


っかさぁ…考え事して意識を外してんだから、そろそろ俺の顔をジィィィっと見るのを止めてよ、爺ちゃん。

観察するように、何か疑うように…


「お主…言葉を理解しておろう?」


あぅ、思わずビクッってしてしまいました…

そぉ~っと、爺ちゃんを見てみると、ニヤリって…ゲッ!


「我が一族は奥地にて獣を狩り、奥へと追い払う家業をしとるでな。

 偶に成長の早い赤子が生まれるのじゃ。

 百数十年振りじゃが…伝承通りであろうのぅ。

 じゃろ、慶よ」


あや、どないしましょうかねぇ…

親父さんやお袋さんが困惑したように見てますけど…誤魔化せ…爺ちゃんの顔見て、無理と悟りましたよ、ええ。

はぁ~

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