表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
53/55

00053 : 報連相は、大事だよねぇ。

研究所にて会議を行った次の日、俺は麗輝様と一緒に帝室御用達のリムジンへ乗り込み暮の町へと。

海軍基地へと辿り着いた後、即座に転移ターミナルにて帝都へと飛ぶ。


あちらへは既に連絡がなされており出迎えが来ていたよ。

帝都でも同型リムジンへとね。


宮殿までの道には車の姿は無い。

あらかじめ軍と警察により道路が封鎖されているため、一般車が入り込む隙など無いんだ。

まぁ、大半が帝室専用道路だから、元々他の車が立ち入ることは無いんだけどね。


信号で止められることも無く、結構な速度でリムジンは進む。

っても、振動が全く感じられず、内装が部屋と変わらないため、車で移動している感じではないんだよ。

何時もながら、とんでもない車だよなぁ。


ああ、そうそう。

このリムジンだけど国産車だよ。

以前は輸入車だったんだけどさ、うちの研究所にて研究が進み、今では諸外国が製造する自動車よりも性能が良い車が造れるようになってるからねぇ。


他国から来られた貴賓客が帝室御用達のリムジンへ乗って仰天したのだとか。

その方は帰る前に車を注文して帰り自国で受け取った訳なのだが…それが機転で諸外国から自動車の輸出要望がね。


今までは自動車を始め、家電や電話などの技術が必要な工業製品の大半は輸入品だったんだよ。

陽元としての輸出主力は食材となる畜産物や農作物で、一番の収入源は真那の実から造られる真那燃料だったんだ。

それがね、今では工業製品も輸出品として需要が出始めているってさ。

良いことだよね。


っかさぁ、ベースとなる車が1ヵ月過ぎると違うメーカーになっているみたいなんだよね。

技術開発競争が白熱しているんだけど、技術公開したメーカーには新たな技術が公開されたりするんだよなぁ。

技術秘匿を有利とするか、技術公開して公開された技術を得るか…実に悩ましいとのこと。

まっ、技術公開っても無条件ではなく、帝室経由での公開でな、帝室が許可しないと公開された技術と言えど閲覧は出来ないんだ。


当然、技術秘匿して技術公開しない企業へは技術は公開されないぞっと。

だからさ、自社開発にて得た技術を秘匿している企業は、他社が技術交流して技術を高めるというメリットを捨てることにね。

それでも自社技術が優れていると、頑なに技術を秘匿している企業が数社ほど存在するんだが…既に技術的に取り残されて立ち遅れていることに気付いてないみたいなんだよ。

ちょっと、哀れだよね。


そもそも基本技術の出が帝室からであり、その技術情報を得てからのスタート。

そこから数年で自社技術を磨き、優れた自社技術を得たと考えて新たな技術を秘匿している訳なんだけど…そもそも研究所からの御下がり技術が元なので、かなり古臭い技術なんだよなぁ。

そんな技術を秘匿しても、己の首を絞めるだけなんだけど…困ったもんだねぇ。


このリムジンもベースは企業から納車された物だけど、基本的に研究所技術にて改造されている。

企業を育てる手段の1つとして納車コンペを行い、技術競争の促進を行っているに等しいのだけど…知らぬが仏とは、このことだよね。


そんなことを考えたり、麗輝様とお話したりしている間に宮殿へと着いたようだ。

麗輝様が乗車されておられることもあり、すんなりと宮殿へと。

いやね、今では俺だけでもフリーパス状態だけどさ、それでも帝族の麗輝様に比べれば、多少の検閲は免れないので、今回は楽ができたよ。


リムジンから降りると、出迎えの執事がエスコートしてくれ天帝様の元へと。

あらかじめ謁見を申し出ていたから時間を割いてくださったみたいなんだ。


今日は執務室では無くて談話室へと通されたよ。

軽食が用意されており、天帝様は紅茶を嗜みつつ読書中のようだ。

俺の来訪を執事が告げると、本から目を離して俺を見て仰られる。


「今週は先日来たばかりなのに参内するとは、何かあったのかね?」っと。

したらね、俺が口を開く前に麗輝様がさ。

「お兄様、世紀の大発見ですのよ。

 凄いのです。

 私も使いたいのに、慶が許してくれないの。

 酷いと思いませんこと」って…いやいや、待ってくださいやぁっ!


「ふうむぅ…麗輝。

 それでは、何が何やら分からぬのだが…

 何があったと言うのだね?」

天帝様が困惑顔でね。


「それは、私にて説明させていただきます。

 実は、以前から有用であると知れているスライムなのですが、新たな活用方法が見付かりまして」ったらさ、天帝様が呆れたようにね。


「ふぅ、またスライムかね?

 慶のスライム好きには困ったものだ。

 確かに有益な生き物であるとは認めよう。

 だが…あの姿は人を選ぶ、これは間違いのないことだ、分かるね?」っと諭すように。


「あら、お兄様。

 スライムは素晴らしいですわよ。

 天の恵みと言っても過言ではございませんわっ!」

嫌に力んで告げる麗輝様に天帝様が引いているな。


視線で何があった?っと咎めるように俺を見られる天帝様へ。俺が告げる。

「実は、私も想定外のことが起こりまして」

そう告げると、頷くだけで促される。


「スライムの浄化作用は周知の通りだと思います」

告げると、頷かれる。

それを見て続けてね。

「そのことで研究所員の女性へ冗談を言ったんですよ。

 スライムの風呂へ入ったら肌が綺麗になりそうだっと。

 すると、本当にスライム風呂へ入ってましてねぇ」


天帝様が驚愕顔に。

そらスライム風呂へ入るような勇者が現れるとは、思わんわさ。


「でっ、結果は…美肌だけでなく髪も滑やかに、体の脂肪が溶け去りダイエット効果もありました。

 更には患っていた内疾患と極度の近眼が根治したのだとか。

 結果があまりにも有用なので、ご報告に参ったのですが、正直扱いに困っております」

俺が告げると同時に麗輝様がな。

「美容効果にダイエット効果、病を癒す癒し効果がみこまれますの。

 ですから、私もスライム風呂をいただこうと申しましたら慶が止めるのですのよ。

 酷いと思いません?」


天帝様がさぁ、信じられないように麗輝様を見ているけど…だよねぇ~

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ