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00047 : この侭では過労で倒れますよ。

あれから1か月が経ちました。

ゴールデンウイークは宮殿へ召喚されたり、道場でしごかれたり、研究所で意見を聞かれたり、亜空間で色々と研究開発したり…

ちっとも休まらんかったわっ!


天帝様下知により急ピッチに作られている高速道路。

生前のカーブばかりで危ない高速道路ではございません。

アウトバーン張りの広く真っ直ぐな道路が着々と造られております。


そんな高速道路も一部開通いたしましてね。

早速、無茶して事故るバカがさ。

それも、彼方此方で…精霊さんネットワークで陽元国中で事件・事故が発生したら知らせが入るようになっている。

俺の脳内知覚では限界があるんだよっ!


そして急報が入ると、遠い場合は俺が転移して現場近くへとね。

そこから脳内知覚にて事件の解決や事故処理と怪我人の治療を行い帰るって訳。


対処は一瞬なんだけどさ、多重発生したりしたら天手古舞(てんてこまい)ってね。

なので、転移後に時間高速化空間へ入り、そこから対処したりしてますです、はい。


それでも俺の姿が消えると騒ぎになるため、俺のダミー依り代へ宿った精霊さんへ身代わりを頼んでるよ。

結構な頻度で入れ替わって貰ってるんで、彼も慣れたものです。


けどなぁ~いい加減、遣り方を変えないと、仕舞いには倒れるな、こりゃ。

今考えているのはトイプードル様から聞いた中央部へ存在する真那結晶と法陣を駆使して、真那コンピューターの構築だな。


真那結晶は、真那濃度が一定以上を超えると真那が結晶化して生み出される代物なのだとか。

本来は結晶化するのに悠久の時が必要となるのだが、真那濃度が濃いければ濃いほどに結晶化が進むのが早いらしい。

滅んだ古代人の城跡は異様に真那濃度が高く、真那が結晶化し易いらしい。


トイプードル様も幾つか持っておられ、それを1つ頂いたんだよ。

それを根源とし法陣と護符の術式を駆使し人工知能的なシステムの構築を試みている。

これが、なかなかに難しい。


なにせ令和時代でも人と変わらぬ思考が可能なAIなど存在していなかった訳で…

つまりは、転生前時代の知識では実現不可能っと言うことなんだよ。


概念的には生前のコンピューターを元に研究しているんだけど、行き詰まってるのが現状だ。

パソコンと同じレベルならば実現可能なんだけど…う~ん。


『これ慶、何を悩んでおるのじゃ?』っとトイプードル様がね。

『あ、お疲れ様です。

 解放して貰えたんですね』


精霊様の間でのトイプードル様ブームは、未だに下火となってなかったはずだ。

『何時までも付き合っておれんでのぅ。

 時間を区切って、その間だけとしたわい』

そんなことをね。

『それって、良いんです?』

嫌がっていたと思ったんだけど…意外と気に入ってた?


『良くは無いのじゃが…食い物を報酬にされては、のぅ…

 ここの飯は格別じゃてな。

 知ってしもうては、最早中央へは戻りとう無いぞえ』


ああ、確かにねぇ…

家の料理人が作る料理も、宮殿で供される料理も、確かに美味い。

だが、ここの料理はレベルが違い過ぎるんだよ。


まずは食材が違う。

元々精霊さん達が丹精込めて育てた食材だ。


しかも、この空間には世界各地の食材が、それぞれの食材へ最も適した環境を創り出し育てられているんだ。

家畜も穀物に野菜もだが、香辛料や茶葉に至るまで様々な代物がね。

それをな、世界各地の料理レシピを元に研究開発した料理が、日々生み出されているんだよ。


そんな料理が不味い筈もなく…絶品れす。

そら、トイプードル様も虜になるわさ。


『ああ、料理を報酬とされては…それは、仕方ありませんねぇ』

『うむ、アレは癖になるでな。

 最早、ここの飯なしでは生きて行けぬわい』

そこまでかよっ!


『まぁ、精霊さん達の好きにさせている理由は分かりました。

 そうそう、私が何を悩んでいるかでしたっけ?』

『ほうじゃ。

 先程から(えろ)うこと悩んでおったであろうが』


そう尋ねられたので、悩んでいたことをね。

『ふむふむ、変わったことを考えるものじゃて』

『変わったこと、ですか?』

なにがだろね?


『要は人手が足りぬで、お主の代わりとなる代物を創り出したいと言うことじゃろ?

 それは、依り代へ宿った精霊ではダメなのじゃろか?

 無為に面倒なことを考える必要は、無いと思うのじゃがの』


言われて気付いたよ。

何故かロボットみたいな代物を造り対処しようと考えていたけど…そうか、精霊さん達に助力願えば良いじゃんか。


現在も情報収集と言う観点では精霊さん達に助力願っている。

対価は真那だけど、俺が操り収束できる真那量は多いから苦にはなっていない。


そして、依り代へ宿って対処する精霊さん達には、ここの料理を対価とすれば…

うん、出来そうだな。


まずは、各地の精霊さん達との交渉だね。

上手く協力して貰えたら、各地で精霊さんに対処して貰って、難しかったら俺が出向くことにさ。

そうすれば、今までみたいに多忙とはならないだろう。


依り代へも色々な能力を付与しておけば、宿った精霊さん達が対処できる幅も広がるだろう。

そうなると、専用の依り代が必要かな?


考えが纏まったので、陽元各地で事件・事故などを対処して貰う精霊さん達が宿るための依り代を設計し始めることに。

さて、頑張るぞいっ。

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