00045 : 隔離教室?特別教室らしいのです。
新しい教室、特別教室らしいのですけれど、どう見ても隔離教室ですね、ありがとうございます。
隔離教室と決まってから割り当てられた教室を皆で確認してから帰宅。
そして次の日となった今日、教室へと来た訳なんだけど…俺達の担任って誰がなるんだろね?
職員会議で揉めてたと聞いたし、教育委員会から職員が派遣されて来たとも。
まだ決まってない、なんてことは無い、よね?
しかし、明らかに小学校の生徒っと言うか、生徒や学生が使用する机や椅子では無い。
何処ぞの大企業社長や会長が愛用するような品なんですけど。
いやね、座り心地は非常に良いし、それぞれへ専用の卓上ライトが誂えてあり書き物をするにもノンストレスってね。
明らかに高級家具だし、ライトはLEDライトで指定箇所をスポット的に照らす最新式。
いや最新式っか世に出して無い秘蔵品なんだが…天帝様からの下知なんだろーねぇ、ふぅ。
俺は自宅の机が同タイプっか上のグレイドなので使い心地としては慣れている。
けど、他の子達は戸惑ってたね。
まぁ、椅子の高さ調節にて使うのには問題ないけど、身の丈に合わないサイズの机だからなぁ。
しかし、ここは何処ぞの会社オフィスですか?
予鈴が鳴ると先生が入って来られた。
白髪頭で長い髭を生やしたお爺さんだったよ。
背筋はピンっと伸びキビキビと歩いているんだけど、皺が刻まれてることから老齢だと知れる。
髭とメガネに皺のコンボで表情は窺えない。
カツカツと踵を鳴らしつつ右手へは指示棒を持っているな。
教壇へと辿り着き、暖の上へ上がった後で俺達の方を向いて告げて来た。
「儂が諸君へ教鞭を取ることとなった仲嶋である。
小学生徒への教鞭ではなく、帝大にて教鞭を執っておったが定年で職を退いておったのじゃ。
じゃが昔の教え子である天帝様より直々の依頼を受け、諸君を導くことと、相成った。
正直、儂は学生へのみ抗議を行ったことが無く、生徒へ教えたことが無いのじゃ。
そこで、儂の補助として升田君を指名するでな。
これは天帝様からのアドバイスじゃて、頼りにしとるでな」
いやいや、おかしいでしょっ!
俺は生徒っ!習う方ね。
なんで教授と一緒に教鞭を執らなあかんのやねんっ!
「あのぉ~僕も生徒なんですけど?」ったらね。
「天帝様がの、園児に要らぬ知恵を付けた罰であるっと言っておったぞよ」ってさ。
い、いや…確かに原因は俺だけどさぁ…マジでぇ?
そんな遣り取りをしていると、少し遅れてから女性が教室へと入って来た。
20代だと思われる若い美人さんでね、出るところが出過ぎてるような…
実に重そうで、ケシからんっ!
って…誰?
「教授、配布するプリントを持って参りました」っと教授へ告げた後で、俺達へね。
「私は鈴木 澪です。
副担任ですので、気楽に声を掛けてくださいね。
教授がご高齢ですので教授の補助として動きますけれど、皆さんのフォローも請け負っています。
よろしくね」
だってさ。
「鈴木先生が副担任でしたら、僕が仲嶋教授の補助を行う必要はありませんね」
俺がホッとして告げるとな、鈴木先生が申し訳なさそうにね。
「生憎だけど、私は大学を卒業したばかりで先生になったばかりなの。
基本的に肉体労働担当って思ってね。
ほら仲嶋教授ってご高齢でしょ、体育授業とかは無理だもの。
ああ、そうそう。
教授は物理学とか数学を主に教えて下さるわ。
他の講義は専任の講師が招かれていますからね。
教室は、ここで固定だから、教授がこちらへ参られます。
ホームルームとかは私が担当して進めますから、よろしくね」だってさ。
「つまり、僕は仲嶋教授の補助だけを行えば良いんですね?」
したらね。
「違うわ、私の授業を除いた全ての授業で補助を行うようにとのことよ。
仲嶋教授、そう聞いておりますけど、よろしかったでしょうか?」っと。
問われた仲嶋教授が頷いてね。
「うむ、講義自体を慶君へ行わせるとの話もあったようなのじゃがな。
流石に小学1年生に同学年への授業を任せるのはっとなってのぅ。
代わりに運動以外の全ての授業に対しての補助を行うようにとのことじゃて」
どうやら、決定事項みたいれす、ぐすん。
でぇ、その日は今後の日程や講義の進め方などの話しがあり、その後は解散とね。
まだ午前中なんだけど、正式な授業は明日からなんだとさ。
なんか納得できないんだけど、クラスの皆を送ってから帰宅ってね。
全員が同じ団地へ住んでいるからね。
通り道っと言う訳でもないけど、散歩と思って送って行ったよ。
やはり女の子を1人で帰すのは不用心じゃん。
ってもね、この団地だけだけど憲兵さん達が見回りをしているから治安は非常に良いんだよ。
税金の無駄遣いって言われそうだけど、帝室から派遣扱いだから税金は使用していない。
そして帝室は俺が研究所経由にて世に出した商品売り上げよりバックマージンとしてお金を受け取っているんだ。
そのため、帝室金庫は非常に潤っているのだとか。
まぁ、それ以上に、俺の貯金がヤバいことになってますが、なにか?
そのことがあるからか、帝室からの援助補助が過剰でねぇ。
天帝様と麗輝様のお気に入りってこともあって、遣り過ぎなんですけど…大丈夫なのかな。
困ったものです。




